こんにちは、アイデア総研の大澤です。
日常のちょっとした困ったこと、ストレスに感じることはアイデア発想のきっかけになることがあります。
みなさんは、ケチャップやマヨネーズなどのチューブに入っている調味料を最後まで使いきろうと思っても、どうしても少し残ってしまいストレスに感じることってありませんか?
今回はそんな日常のちょっとしたストレスを解消するアイデア商品『フライングソーサーシステム』をご紹介したいと思います。そして、この商品が教えてくれる「ヒット商品のアイデアは日常の不満から生まれる」という大切な法則についても掘り下げてお伝えします。
この記事で紹介する発想法を、1冊の教科書にまとめました。
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フライングソーサーシステムとは
みなさんはチューブに残ったケチャップやマヨネーズを最後まで使い切るために、どのような方法をとりますでしょうか。
ぱっと考え付く方法としては、次のようなものがあります。
・とにかく根性で絞る
・お尻からグルグルと巻き取る
・ハサミで切ってスプーンですくう
・空気を入れて逆さにして置いておく
・何らかの液体を入れてからシェイクする
これらの方法は、どれもすぐに実行することが可能です。ですが、世の中にはこれらの方法では飽き足らず、そのための専用の器具を作ってしまう人がいました。その器具こそが、今回紹介する『フライングソーサーシステム』です。
使い方
フライングソーサーシステムはイギリスの発明家Richard Fereday氏が開発した、ケチャップを最後まで使い切るための専用器具です。
器具といっても、専用のキャップと塩化ビニル製と紐で作られたスリングの2つで構成された、非常にシンプルなものです。
使い方は非常に簡単!たった3つのステップで最後までケチャップを使い切ることができます。

まず最初に専用のキャップをケチャップのボトルにとりつけ、ボトルごとスリングの中にセットします。
あとは…少なくとも10秒以上、一心不乱にグルグルとフライングソーサーを振り回します。

その後スリングからボトルを取り出すと、セットしたキャップにケチャップが溜まっている、という寸法です。
ケチャップ以外にも、マヨネーズや化粧品、歯磨き粉などチューブ状のものであれば使用可能です。
このユニークなフライングソーサーシステムですが、いくつか課題もあるようです。
・使用するために広いスペースが必要
・重いボトル(ガラス製など)には使用できない
これらの欠点を考えても、一度試してみたいですね。何より、ここまでするのか!というケチャップを使い切るための情熱に脱帽です。
日常のストレスがヒット商品になる——その法則とは
この『フライングソーサーシステム』が教えてくれることは、商品開発のアイデアのヒントが「日常のほんのちょっとした不満」にある、ということです。
日本の主婦笹沼喜美賀さんは、毎日の洗濯で糸くずや綿くずなどが衣服にくっついてしまい、それを手で取ることにストレスを感じていました。普通であれば面倒に感じつつもそのままにしておくところですが、笹沼さんは何か良い方法がないかとアイデアを考え、『クリーニングペット』という商品を生み出しました。
この商品はのちに大手家電メーカーなどに採用されて3億円もの特許料を手にすることができました。クリーニングペットは特殊な技術や素材を使用しないシンプルな器具ですが、笹沼さんと同じようなストレスを感じている多くの主婦の目にとまってヒット商品となりました。
日常の不満がアイデアになった商品の例
世界中で愛されているヒット商品の多くが、実は「日常のちょっとした不満」から生まれています。いくつか有名な例を見てみましょう。
- ポスト・イット:3Mの研究者スペンサー・シルバーが「くっつくけどすぐはがれる接着剤」を偶然発明。同僚のアート・フライが「栞がすぐずれる」という不満と組み合わせて商品化しました。
- ペットボトルのキャップ一体型ストロー:「飲んでいるうちにストローが浮いてしまう」という子どもの飲みにくさを解消するために開発されました。
- 液だれしないソース瓶:「ソースが瓶の外側を伝って汚れる」という長年の不満から、逆さ保存型ボトルが普及しました。
- キャリーバッグ(スーツケース):「重い荷物を持ち運ぶのが大変」という旅行者の不満が、ローラー付きバッグの誕生につながりました。
どれもシンプルな発想ですが、「なぜ今まで誰もやらなかったんだ!」という驚きがありますよね。実は、こうした発想は誰もが日常生活の中で感じている不満を「どうすれば解決できるか」という視点に転換することから生まれています。
日常の不満をアイデアに変える3つのステップ
「でも、どうやって不満をアイデアに変えればいいの?」という疑問を持った方に向けて、アイデア総研が実践しているシンプルな3ステップをご紹介します。
ステップ1:不満を書き留める
日常生活でストレスを感じた瞬間、すぐにメモしましょう。スマホのメモアプリでも、手帳でも構いません。「これ面倒くさいな」「なんでこんな不便なんだろう」と感じた瞬間こそ、アイデアの種です。
ポイントはできるだけ具体的に書くこと。「ケチャップが使いにくい」ではなく、「ケチャップの底に残った最後の少しがどうしても出てこなくてストレス」と書くことで、後から解決策を考えるときに役立ちます。
ステップ2:「もし〇〇があれば」と考える
書き出した不満に対して、「もし〇〇があれば解決できるのに」という形で解決策の形をイメージしましょう。この段階ではまだ実現可能かどうかは気にしなくてOKです。
たとえば「ケチャップの最後が出ない問題」であれば、「もし遠心力でボトルの底から出口に集められるキャップがあれば解決できるのに」と考えた人が、フライングソーサーシステムを発明しました。
ステップ3:すでに解決策があるか調べる
実は自分が感じている不満を同じように感じている人は世界中にいます。すでに解決策として商品が存在しているかもしれませんし、まだ誰も商品化していないアイデアかもしれません。
特許検索サービスや、ECサイトの商品検索を使って「同じ不満を解決しようとした先人がいるか」を調べることで、自分のアイデアがどれくらいオリジナルかを把握することができます。
サラリーマンにこそ「不満のアンテナ」を立ててほしい理由
「商品開発なんて、自分には関係ない」と思っているサラリーマンの方も多いと思います。でも、ちょっと待ってください。
実は、日常業務の中での「これ面倒くさいな」「もっと効率よくできるのに」という感覚こそ、社内改善提案・新規事業のタネになります。仕事の中の不満を解決するアイデアは、同じ職種・業界の人が共通して感じている課題であることが多く、製品・サービス・仕組みとして形にすれば大きな価値を生む可能性があります。
「ケチャップを最後まで使い切りたい」という誰でも感じる小さな不満が、イギリスの発明家の情熱を引き出し、ユニークな器具を生み出しました。日常の不満は、小さければ小さいほど、多くの人が共感できるアイデアの源になります。
まとめ
いかがでしたか。ケチャップを最後まで使い切るための器具「フライングソーサーシステム」と、日常の不満からヒット商品が生まれる法則についてご紹介しました。
ヒット商品やビジネスアイデアは、特別な才能や高度な技術から生まれるものだけではありません。日常生活の「ちょっとした不満・ストレス・面倒くさいこと」に目を向け、「どうすれば解決できるか」を考え続けることが、次の大きなアイデアへの第一歩です。
みなさんもぜひ日常のちょっとしたストレスや困ったことに注目し、解決方法を考えてみてください。思わぬヒット商品を生み出せるかもしれません。
source:mail online
アイデア発想のトレーニング——日常不満日記のすすめ
「アイデアを出す力を鍛えたい」という方に、アイデア総研がおすすめしているシンプルなトレーニング方法があります。それが「日常不満日記」です。
やり方はとても簡単。毎日、日常生活や仕事の中で感じた「面倒くさい」「不便だ」「なんでこうなってるんだろう」という感情を、その日のうちに1〜3つ書き出すだけです。
これを1ヶ月続けると、30〜90個の「不満のストック」ができます。その中から「これは多くの人が感じているはずだ」というものをピックアップして、解決策を考えてみましょう。
日常不満日記の効果は次の通りです。
- アイデア発想の習慣が身につく:毎日「何かないかな」とアンテナを立てることで、アイデアを探す筋肉が鍛えられます。
- 課題発見力が上がる:「なぜ不満に感じるのか」を言語化する訓練になります。問題の本質を見抜く力がつきます。
- プレゼン・提案のネタが増える:社内改善提案や新規事業の企画など、具体的な課題ベースの提案ができるようになります。
ケチャップを使いながら「なんかいい方法ないかな」と考えたイギリスの発明家も、日常の不満から目を背けずに向き合い続けたからこそ、ユニークな器具を生み出せたのです。
チューブの「最後まで使い切る」問題、他にも解決アイデアはあるか?
せっかくなので、フライングソーサーシステム以外の「チューブを最後まで使い切る」アイデアも考えてみましょう。アイデアを考えるトレーニングにもなりますので、ぜひ一緒に考えてみてください。
- 逆さ保存型ボトルの普及:最初から逆さに保存できるボトル形状にする。すでにケチャップボトルの一部で採用されています。
- チューブ絞り器:歯磨き粉や化粧品向けに、ローラーでチューブを絞り出す器具が市販されています。ケチャップ対応版があってもよさそうです。
- 残量ゼロ保証設計のボトル:ボトルの内部構造を工夫して、最後の一滴まで出やすくする設計。ポンプ式ボトルが代表例です。
- 小分けパウチへの移行:飲食店のケチャップが使い捨てパウチになっているように、家庭用でも使い切りサイズへの展開。
こうして並べてみると、同じ「使い切れない」という不満に対して、様々なアプローチがあることがわかります。アイデアに「唯一の正解」はなく、同じ課題に対していくつものアプローチが考えられるのが面白いところです。
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