アイデア発想の記事

『ポケモンGO』を生み出したエイプリルフール発想法にチャレンジ!

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

世界中で一大ブームを巻き起こした『ポケモンGO』。街中にはスマートフォンを片手にポケモンを探し回る人々があふれ、関連株の急騰や地方創生への期待など実経済にまで大きな影響を与えました。

ゲームの歴史に残るタイトルとなった『ポケモンGO』ですが、その誕生のきっかけがエイプリルフールの企画であったことをご存知でしょうか。

今回は『ポケモンGO』の誕生秘話からその発想のメカニズムを学び、“エイプリルフール発想法”としてあなたのアイデア発想に活用できる形でご紹介します。

ポケモンGO誕生の秘密

ポケモンGO誕生秘話

『ポケモンGO』は、任天堂と『Ingress(イングレス)』Niantic(ナイアンティック)社がタッグを組んで開発したゲームコンテンツです。ベースとなったIngressは、もともとGoogleの社内プロジェクトで生まれたオンラインの位置情報ゲームです。

Ingressは現実世界を舞台にした“オンラインの陣取りゲーム”で、全プレーヤーが2つの陣営に分かれ、スマートフォンを持って現実世界を移動しながら”ポータル”と呼ばれる拠点を取り合います。このポータルは世界中に500万箇所以上存在し、現実世界のランドマーク(記念碑・彫刻・公共施設など)が選ばれています。

この現実世界と仮想世界の融合こそがIngressの最大の面白みであり、ポケモンGOへとつながるコンセプトの原型となりました。

Googleのエイプリルフール企画

毎年4月1日のエイプリルフールには世界中の企業がウソの企画を発表して話題を競い合っていますが、Google社もその”悪ノリ企業”のひとつです。2008年の「ダジャレサーチβ」、2010年の「日本語入力キーボードドラムセット」プロトタイプ制作、2012年の「ドラクエ版グーグルマップ」など、年々本気度が増してきていました。

そして2014年のエイプリルフール、『Googleマップ ポケモンチャレンジ』という企画がネット上で大きな話題を呼びました。

公開されたムービーの完成度と本気具合に「面白い!」「やってみたい!」「実現してほしい!」という多くの声が世界中から上がりました。ポケモンGOの開発元Niantic社のジョン・ハンケCEOは、インタビューで次のように述べています。

『Googleマップ ポケモンチャレンジ』は、当時Nianticの親会社だった米Googleが、任天堂が出資するポケモンに話を持ち掛けたことで実現したという。「ポケモンとGoogleマップの組み合わせはチョコレートとピーナツバターのように相性が良く」(ハンケ氏)、人気があった。これをきっかけに、Nianticが任天堂とポケモンにPokemon GOのアイデアをプレゼンし、ポケモンの石原恒和CEOがIngressのハイレベルプレイヤーであったことも助けになって話が進んだという。

引用元:ITmedia

55歳の若さで亡くなった当時の任天堂社長・岩田聡氏も、このプロジェクトを強力にバックアップしていたそうです。”子供たちが外で遊べるゲームをつくりたい”という思いをこの企画に込めていた岩田さんがまいた種が、ようやく花開いたといえるでしょう。

ここで注目したいのは、『ポケモンGO』がもともと商売を前提に考えられたアイデアではないという点です。Googleのエイプリルフールの企画は、毎年「ユーザーを楽しませる」というシンプルな目的のもとに考えられています。ビジネスや実現性・費用対効果を度外視したそんなアイデアのひとつから、ポケモンGOは誕生したのです。

エイプリルフールから生まれたポテトチップ

コンソメWワロスパンチ

2016年4月、全国のコンビニエンスストアで見慣れない奇妙なパッケージのポテトチップが発売されました。カルビーの『ポテトチップス コンソメW(ワロス)パンチ』です。

\笑いが止まらない!?/ポテトチップス コンソメW(ダブル)パンチが『ポテトチップス コンソメW(ワロス)パンチ』に!世界最笑のワライダケから摂れる成分”ワライガトマランゴ”配合!
引用元:Calbee(カルビー)公式Twitter

もともとはエイプリルフール用のアイデアを考える中で「ユーザーに楽しんでもらうにはどうすれば?」と考えた“悪ノリ”が、そのまま商品化になったと推測されます。エイプリルフール発想からビジネスへの転換の好例です。

あの話題の映画の元ネタもエイプリルフール?

貞子vs伽椰子ポスター

2016年6月に公開された映画『貞子vs伽椰子』。ジャパニーズホラーを代表する2大ヒロインがまさかの競演をするということで大きな話題を呼びました。貞子の登場する『リング』シリーズはKADOKAWA、伽椰子の登場する『呪怨』シリーズはNBCユニバーサル・エンターテイメントと権利元が異なるにもかかわらず実現した強力タッグに、ホラー映画ファンならずとも驚かされました。

このウソのような映画の元ネタは、2015年のエイプリルフールの企画でした。『呪怨 -ザ・ファイナル-』の宣伝チームが「もし次回作があるなら何が面白いか」を酒を飲みながら談笑していた場で、満場一致で決まったアイデアがきっかけです。翌日に『リング』の権利元に打診するとOKが出て、エイプリルフール向けのポスターやティザーサイトが作られました。その後の反響のあまりの大きさに製作がスタートし、翌年に”世紀の悪ノリ映画”が本当に公開されることになりました。

共通するポイント

これらの例に共通するのは、“見る人を楽しませたい・ビックリさせたい”というシンプルな思いが出発点になっている点です。ビジネスでは最初から”ビジネスとしての成功”がゴールとして設定されるため、大きな失敗を避けるべく“実現可能な無難なアイデア”が選ばれがちです。エイプリルフールのネタ作りという観点からアイデアを発想することで、この“無難なアイデアの壁”をブレイクスルーできるのです。

エイプリルフール発想法にチャレンジ!

エイプリルフールのネタからアイデアを発想するメリットは以下のとおりです。

  • 常識にとらわれない“自由で創造的な発想”ができる
  • 純粋に“ユーザー目線”で発想できる
  • エッジのきいた“尖ったアイデア”が生まれやすい
  • “大きなビジョン”を描くことができる
  • メンバー自身が楽しみながらプロジェクトに取り組める

エイプリルフール発想法の準備

発想法に”エイプリルフール”という言葉が入っていますが、実際にエイプリルフールに発信するためのアイデアを考える必要はありません。エイプリルフールのネタを考える”つもり”になって、一種のロールプレイとして取り組んでみましょう。

参加メンバーは3〜4人の少人数のチームがおすすめです。人数が多いとメンバー間の意見調整が必要になり、エッジのきいたアイデアが出にくくなります。6名以上で行いたい場合には、少人数でチームを分けてコンペ方式をとるとよいでしょう。

エイプリルフール発想法の進め方

この発想法のポイントは、いったん業務であることを忘れてメンバー内で“バカ話”をするつもりでアイデアを出すことです。通常の会議室よりも、リラックスできる休憩室・社外のカフェ、あるいは就業時間外に飲み物やスナック菓子を用意して行うのが良いでしょう。

進め方は基本的にブレインストーミングに準じます。ミーティングが盛り上がれば、そのままアルコールの飲める店に移動してアイデア出しを続けましょう。ポイントをまとめると、

  • 少人数の気心の知れたメンバーで行う
  • 全員がリラックスできる場所を選ぶ
  • ブレストに準じた進め方で行う
  • 冗談・バカ話・悪ノリを許容する
  • 盛り上がったらアルコールを取り入れる
  • 業務を忘れ、とにかく楽しい気分で行う

アイデア出しの内容

エイプリルフール発想法で話し合うアイデアの内容は“どんな嘘をつくか”にフォーカスします。あらかじめ“嘘のルール”を設定しておきましょう。

・聞き手(ユーザー)を楽しませる、夢のある嘘

考えるべき嘘はポジティブなものに限ります。誰かを傷つけるネガティブな嘘は除外しましょう。聞き手が喜ぶ・幸せになる・笑える嘘を考えます。

・一見本当のように見える、ウソと本当の境界線上の嘘

聞き手が一瞬「えっ、マジで!?」となるような嘘を目指します。荒唐無稽すぎても、現実的すぎても面白くありません。嘘なのか本当なのか迷うような、リアリティのある嘘を考えましょう。

・それが実現したらすごい!と思わせる嘘

誰もが夢に思うようなこと、誰もができないと思っていることの実現など、大きなスケールで発想してみましょう。

・社会的反響が期待できる嘘

ネット上で口コミで広がりそうな、インパクトのあるキャッチーな嘘を考えます。マニアックになりすぎず、ニュースバリューがありそうなものがよいでしょう。

その後の進め方

ブレストによって“面白い嘘”のアイデアが得られたら、“メンバーが最も盛り上がった・実現したいと思う嘘”をピックアップします。この段階では実現性は一切考慮しなくてかまいません。“面白いかどうか”のみを判断基準として選びましょう。

ここまでをミーティング当日に終わらせ、その後は日をおいて行います。翌日以降にメンバーが集まってアイデアを見返すと「ユニークだけどどうやって実現するのか?」というアイデアが選ばれているはずです。

ここからは“現実モード”に切り替えます。そもそも嘘のアイデアですから、予算・技術・人材の面でそのままでは実現が難しいはずです。アイデアを100%実現することを目指すのではなく、部分的に実現可能な点はないかを探りましょう。面白さのポイントがどこにあるかをディスカッションし、その面白さをキープしながら実現可能な形に置き換えていきます。

プレゼンテーション〜企画の実現

社内プレゼンでは、はじめに考えたエイプリルフールの嘘のアイデアからスライドを始めましょう。笑いをとったうえで「このままでは実現できませんが、このような形であれば実現可能です」という流れでプレゼン資料を構成します。

プレゼンが通り実現化に向けて進むことになったら、そのままローンチを目指すのもよいですし、実際にエイプリルフールのネタとして発信した後に具現化することで話題化を狙うのも面白いでしょう。

まとめ

いかがでしたか。エイプリルフール発想法についてご紹介しました。

企業によるエイプリルフールの話題づくりは年々過熱しており、特に話題となった企画はどのようなアイデアがユーザーに望まれているかを知るよいヒントになります。ぜひ毎年4月1日の各社の動きに注目してみてください。

普段のアイデアに物足りなさやインパクトのなさを感じているなら、ぜひ一度エイプリルフール発想法を試してみてください。ポケモンGOも、最初は「ユーザーを楽しませる嘘」でした。きっとこれまでになかった“尖ったアイデア”にたどり着けるはずです。

source: GIZMODE, ITmedia, Calbee, ムビコレ

一生使えるアイデア発想の教科書
無料ダウンロード

「一生使えるアイデア発想の教科書」

無料でお渡しします

アイデア総研に掲載されたアイデア発想法を1冊の教科書にまとめました。
実践テンプレート付きで、ダウンロードしたその場から活用できます。

PDF 133ページ + 実践テンプレート集 | メルマガ登録で即ダウンロード

無料で受け取る → 登録無料・いつでも解除できます