クリエイター図鑑

空間デザイナーの主な仕事内容・なり方・転職について

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

カフェに入ったとき、展示会のブースを見たとき、ホテルのロビーに足を踏み入れたとき——「なんてすてきな空間なんだろう」と感動したことはありませんか?その空間を設計・デザインしているのがスペースデザイナーです。今回は、スペースデザイナーという職業の仕事内容から転職のポイントまで、詳しく解説します。

スペースデザイナーの仕事内容

スペースデザイナーは、店舗・オフィス・ホテル・展示会ブース・商業施設・公共空間などの内装や空間を総合的にデザインする職業です。

インテリアデザイナーと混同されることもありますが、スペースデザイナーはより広い概念で、空間全体のコンセプト設計・動線計画・照明・音・香りなどの五感への働きかけも含めた、体験としての空間を設計します。

スペースデザイナーの主な業務は以下の通りです。

  • クライアントへのヒアリングとコンセプト立案
  • 空間のレイアウト・動線計画の設計
  • 内装マテリアル(素材・色・テクスチャ)の選定
  • 照明計画・音響・サイン計画など各専門家との調整
  • 3DCGやパース(完成予想図)の作成
  • 施工管理・工事業者との調整
  • 完成後のクライアントへの引き渡し・フォローアップ

スペースデザイナーの仕事の大きな特徴は、「机の上で設計する」だけでなく、「現場に足を運んで空間を体感しながら調整する」という実践的な側面があることです。設計図面と現実の空間のギャップを埋める感覚が重要で、デジタルとアナログを行き来しながら仕事を進めます。

活躍の場は、インテリアデザイン事務所・建設会社・設計事務所・デパートや商業施設のデザイン部門・展示会制作会社など多岐にわたります。フリーランスとして独立するスペースデザイナーも多く、クライアントから直接依頼を受けてプロジェクトを進めるスタイルも一般的です。

スペースデザイナーになるには

スペースデザイナーになるためには、デザイン・建築・インテリアに関する専門知識が必要です。一般的なルートを以下に紹介します。

美術大学・デザイン専門学校でインテリアデザインを学ぶ
インテリアデザイン・空間デザイン・建築デザインを専攻できる学校で基礎を学び、デザイン事務所や建設会社へ就職するのが王道のルートです。CADやBIM(建築情報モデリング)などのソフトウェアを使いこなすスキルが求められます。

建設・施工会社でのキャリアからステップアップ
施工管理・インテリアコーディネーターなどの実務経験を積みながら、デザインスキルを磨いてスペースデザイナーへとキャリアアップするルートです。現場感覚を持つデザイナーは、クライアントからの信頼も得やすいです。

役立つ資格としては「インテリアコーディネーター」「インテリアプランナー」「インテリアデザイナー(公益社団法人日本インテリアデザイナー協会認定)」などがあります。建築士資格(一級・二級)を持っていると、より大規模な案件も手がけられます。

近年は、3DCGソフト(Cinema 4D・Blender・3ds Maxなど)やVR技術を活用した「バーチャル空間設計」のスキルも注目されています。メタバースやXR(拡張現実)を活用した新しいスペースデザインの領域も生まれており、テクノロジーに強いデザイナーへの需要が高まっています。

スペースデザイナーに求められる資質とは

スペースデザイナーにはクリエイターに必要な独創性のほかに、三次元的な空間を頭の中で構築できる空間認識力や、多くの関係者をまとめる調整力が求められます。

スペースデザイナーに向いている人の特徴は以下のようなものです。

  • 店舗・ホテル・展示会などに行くたびに「なぜこのデザインが心地よいのか」と分析してしまう人
  • 3次元の空間を頭の中でイメージして設計できる空間認識力がある人
  • 素材・色・光・音など五感に関するセンスが磨かれている人
  • クライアントの要望を深く聞き出し、期待を超える提案ができる人
  • 工事現場での立ち合いや現場作業にも積極的に関われる行動力がある人

スペースデザイナーの年収・待遇

スペースデザイナーの年収は、担当する案件の規模・勤務先の種類・経験年数によって大きく異なります。

  • 20代(アシスタントデザイナー):250万〜380万円
  • 30代(スペースデザイナー・シニア):380万〜600万円
  • 40代以降(プロジェクトリーダー・フリーランス):600万〜1,000万円以上

フリーランスのスペースデザイナーは案件の規模によって収入の幅が大きく、人気デザイナーになれば億を超える案件を手がけることもあります。大型商業施設・有名レストラン・ラグジュアリーホテルのデザインを手がけるトップデザイナーは非常に高い報酬を得ています。

スペースデザイナーへの転職

スペースデザイナーへの転職は、デザインスキルと実績があれば可能です。特にCAD・3DCGのスキルとポートフォリオ(作品集)は必須といえます。インテリアコーディネーターやデザイン系の職種から転職するケースが多いですが、建設・施工管理出身者がデザインスキルを磨いて転職するケースもあります。

転職時に評価されるポイントをまとめると以下のようになります。

  • CAD・BIM・3DCGソフトの操作スキル
  • 手がけた空間デザインの実績(写真・図面・コンセプトシートをまとめたポートフォリオ)
  • インテリアコーディネーター・インテリアプランナーなどの資格
  • 店舗・オフィス・展示会などの施工管理経験
  • クライアントへの提案・プレゼンテーション経験

未経験からスペースデザイナーへ転職するには

もしあなたが未経験からスペースデザイナーへの転職を成功させたいのであれば、転職エージェントを活用するのがよいでしょう。

転職エージェントでは専任のキャリアアドバイザーがあなたに担当としてつきますので、あなたの希望や条件・適性などをみたうえで最適な求人を紹介してくれます。

特に未経験から異業種へ転職する場合には、その業界の情報や求人の傾向など転職のプロでなければわからない情報を得ることができますので、必ず転職エージェントへ登録するようにしましょう。

またクリエイティブ職の求人はクローズドのものも多く、転職エージェントごとに持っている情報が異なりますので、複数のエージェントに登録することが転職を成功させるための近道です。

未経験からスペースデザイナーを目指す場合の具体的なステップを整理します。

  1. インテリアコーディネーター資格の取得を目指す(独学・通信講座で可能)
  2. CAD(AutoCAD・Jw-CAD等)または3DCGソフト(SketchUp・Blenderなど)を習得する
  3. 自室・友人の部屋などをリデザインしてポートフォリオ用の作品を作る
  4. インテリアショップ・建設会社・施工会社などへ転職して現場経験を積む
  5. 転職エージェントと相談しながら、段階的にスペースデザイナーのポジションを目指す

 

いかがでしたか。スペースデザイナーは、人々が生活・仕事・旅行などで過ごす空間をデザインする、影響力の大きなクリエイティブ職です。カフェや店舗のインテリアを見るたびに「こうしたらもっと良くなるのに」と感じる方は、スペースデザイナーの素質があるかもしれません。まずはインテリアコーディネーターの資格取得やCADソフトの習得から始めて、着実に夢のキャリアに近づいていきましょう。