研修担当者様へ

フォロワーシップ研修とは|指示待ち社員を変える4タイプ診断

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

「最近の若手社員は指示を待つだけで、自分から動こうとしない」「言われたことはやるけれど、それ以上のことは何もしない」「どうすれば自律的に動ける社員を育てられるのか」――そんなお悩みを抱えるマネージャーや研修担当者の方は多いのではないでしょうか。

こうした「指示待ち社員」問題に対して、近年注目されているアプローチが「フォロワーシップ研修」です。リーダーシップ教育は多くの企業で取り組まれていますが、「フォロワーとしてどう在るべきか」を教える研修はまだまだ少ないのが現状です。

この記事では、フォロワーシップとは何か、4タイプ診断の概要、研修の設計ポイント、指示待ち社員を変えるための具体的アプローチまで、フォロワーシップ研修に関して知っておきたいことを体系的に解説します。

フォロワーシップ研修のイメージ

フォロワーシップとは何か

リーダーシップとの違い

フォロワーシップとは、「リーダーを支え、組織の目標達成に積極的に貢献する能力とスタンス」のことです。「フォロワー」という言葉は「指示に従う人」というイメージを持たれがちですが、フォロワーシップの概念はそれとはまったく異なります。

リーダーシップが「方向を示す力」だとすれば、フォロワーシップは「組織をその方向に動かすための推進力」です。組織の中でリーダーより多くを占めるのはフォロワーであり、フォロワーの質が組織の成果を大きく左右します。「リーダーだけを育てても組織は変わらない」という認識が広がりつつあり、フォロワーシップ教育の重要性が高まっています。

また、フォロワーシップとリーダーシップは固定した役割ではありません。プロジェクトの中でリーダーを務める人も、別の場面ではフォロワーとして行動します。どちらの立場でも高いパフォーマンスを発揮できる人材が、現代組織では求められているのです。

なぜ今フォロワーシップ研修が必要か

フォロワーシップ研修が注目される背景には、いくつかの社会的な変化があります。まず、組織のフラット化です。かつてのピラミッド型組織では、トップダウンの指示系統が機能していました。しかし現代の組織は意思決定が分散化され、各メンバーが主体的に判断して動くことが求められています。

次に、変化の速さです。環境の変化が激しい時代には、「指示を待ってから動く」という姿勢では対応が遅れます。上からの指示がなくても「今何をすべきか」を自分で判断して動ける人材が必要です。

そして、心理的安全性の重視です。フォロワーシップが高い人材は、リーダーの意見に盲目的に従うのではなく、建設的な提言や疑問提示もできます。こうした「良いフォロワー」が増えることで、組織の意思決定の質が向上し、リーダーへの過度な依存を防ぐことができます。

フォロワーシップが組織に与える効果

優れたフォロワーシップを持つ社員が増えることで、組織に様々な好影響が生まれます。リーダーの負担軽減もそのひとつです。すべての判断をリーダーに委ねるのではなく、メンバーが自律的に動けるようになることで、リーダーはより重要な意思決定に集中できます。

また、チームの総合的な問題解決力が向上します。フォロワーが積極的に情報を提供し、課題を発見し、解決策を提案するようになることで、チームとしてより複雑な問題にも対処できるようになります。さらに、組織のエンゲージメントも高まります。「自分がチームに貢献できている」という実感が、モチベーションを維持・向上させ、離職防止にもつながります。

加えて、フォロワーシップが高い組織では、イノベーションが生まれやすくなります。現場の最前線にいるフォロワーこそ、顧客の声や業務上の課題をリアルタイムで把握しています。その情報を積極的に発信・提案できるフォロワーがいることで、組織の変革アイデアがボトムアップで生まれてくるのです。「良いフォロワーが良いリーダーを育てる」という逆説も実は真実で、フォロワーの質が高い組織ではリーダーもより良い意思決定ができるようになります。

フォロワーシップの4タイプ診断

4タイプの概要

フォロワーシップ研修でよく用いられるのが、ロバート・ケリーが提唱した「フォロワーシップの4タイプ(5タイプ)分類」を応用した診断です。フォロワーのタイプは主に「批判的思考力(独立した思考ができるか)」と「積極的関与(主体的に行動するか)」の2軸で分類されます。

この2軸の組み合わせによって、「模範的フォロワー(理想型)」「受け身型フォロワー」「順応型フォロワー」「疎外型フォロワー」「実際型フォロワー」などのタイプが生まれます。自分がどのタイプかを理解することで、成長の方向性が明確になります。

各タイプの特徴と課題

「受け身型フォロワー」は、指示を待ち、自分から動こうとしないタイプです。与えられた仕事はこなしますが、それ以上のことはしません。課題は「主体性の欠如」であり、「自分には決める権限がない」という思い込みが根っこにあることが多いです。

「順応型フォロワー」は、リーダーや組織の意向に盲目的に従うタイプです。指示への実行力は高いですが、批判的思考が弱く、問題があっても声を上げません。いわゆる「イエスマン」です。課題は「建設的な異議申し立て力の欠如」です。

「疎外型フォロワー」は、批判的思考は高いものの、積極的な行動がともなわないタイプです。組織の問題点をよく理解し不満を持っているにもかかわらず、「どうせ変わらない」と諦め、不満を抱えたままで動かないことが多いです。

「模範的フォロワー」は、批判的思考と積極的関与の両方が高いタイプです。自律的に行動し、必要なときには建設的な提言も行い、組織に大きく貢献します。フォロワーシップ研修の目標は、多くのメンバーをこの模範的フォロワーに近づけることです。

自分のタイプを知ることの意義

診断によって自分のフォロワーシップタイプを知ることには、大きな意義があります。まず、「自分の行動パターンに気づく」ことができます。「指示待ちになりがちだ」「批判ばかりして動いていない」という自己認識が生まれることで、変化への動機づけになります。

次に、「どう変われば良いか」の方向性が明確になります。タイプによって課題が異なるため、個別最適化された成長目標を設定できます。そして管理職にとっても、「部下のタイプを理解して関わり方を変える」ための参考になります。フォロワーシップ研修では、この診断を研修の入り口として活用し、参加者一人ひとりの気づきを促します。

フォロワーシップ研修の内容と設計

研修で学ぶ主なスキル

フォロワーシップ研修で学ぶ主なスキルには以下のものがあります。まず「主体性を発揮するためのマインドセット」。「自分には変える力がある」「自分のアイデアや行動が組織を動かせる」という感覚を育みます。これは知識ではなく感覚的な変化であるため、体験を通じて身につけることが重要です。

次に「建設的な提言力」。意見を言う際に「批判だけで終わらず、代替案を持って伝える」スキルを学びます。「この方法には問題があると思います。なぜなら○○だからです。代わりに△△の方法を試してみてはどうでしょうか」という構造で伝える練習を重ねます。

そして「自律的な課題発見力」。指示を待つのではなく、「今チームに何が必要か」「どんな問題が起きそうか」を自分で発見し、動き出す力です。この力を養うために、観察力・分析力・行動力を組み合わせたトレーニングを行います。

実践演習の重要性

フォロワーシップ研修では、講義よりも実践演習の割合を高くすることが重要です。「フォロワーシップとは何か」を知識として理解するだけでは、行動は変わりません。実際に「主体的に動く体験」「建設的な提言を行う体験」「リーダーを支える体験」を研修の中で積み重ねることで、感覚的な変化が生まれます。

グループワーク・ロールプレイ・事例研究を組み合わせた設計が理想的です。特に「チームで問題を解決するシミュレーション」は、フォロワーシップの発揮場面を体験するうえで非常に効果的です。誰かがリーダーになり、他の人がフォロワーとして動く体験を繰り返すことで、「良いフォロワーとはどういう存在か」を身をもって理解できます。リーダーとフォロワーを参加者がローテーションして体験することで、「フォロワーが積極的に動いてくれるとリーダーとしてこんなに楽になる」という感覚も同時に得られ、お互いの役割への理解が深まります。これは講義では絶対に伝えられない気づきです。

効果的な研修設計のポイント

フォロワーシップ研修を設計・選定する際のポイントをいくつか挙げます。まず「参加者が主語になれる研修か」。「フォロワーシップとはこういうものだ」と一方的に教える研修より、「あなたはどんなフォロワーになりたいですか?」と問いかけながら進める研修のほうが、参加者の主体性を引き出します。次に「継続的な行動変容を支援しているか」。研修後に「今週どんな主体的な行動をしたか」を報告し合う仕組みがあると、研修の効果が持続しやすくなります。

さらに重要なのが「管理職・一般社員の混合で受講できるか」という点です。フォロワーシップの問題は、フォロワー側だけの課題ではなく、リーダー側の関わり方によっても大きく変わります。一般社員だけが研修を受けても、上司の関わり方が変わらなければ職場での行動変容は起きにくいです。管理職が同席して「フォロワーを活かすリーダーの関わり方」も一緒に学ぶ形式が、組織全体の変革につながります。また、研修の回数と間隔も重要な設計ポイントです。1回の研修で意識が変わることはあっても、行動まで変わるには複数回の体験と振り返りが必要です。2〜3か月のスパンで複数回実施するシリーズ型の研修が、持続的な効果を生みやすい形式といえます。

フォロワーシップ研修のイメージ

指示待ち社員を変える具体的アプローチ

主体性を引き出す問いかけ

指示待ち社員の主体性を引き出すためには、管理職の問いかけが重要です。「どうすればいいですか?」という質問に対して、すぐに答えを出してしまうと、部下は考える機会を失います。「あなたはどう思いますか?」「まず自分でやってみてどうだったか教えてください」という問いかけで、部下が自分で考えることを促します。こうした「問いかけの技術」は、管理職向けフォロワーシップ研修でも重点的に扱うテーマのひとつです。答えを与えるリーダーから、問いを投げかけるリーダーへの転換が、指示待ち体質の根本的な改善につながります。

私はおもちゃ開発の仕事を通じて、チームメンバーの主体性を引き出すことの大切さを実感してきました。ベイブレードの開発では、「すげゴマ」「バトルトップ」という試行錯誤を経てようやく「ベイブレード」にたどり着きました。バトルトップが売れなかった理由を「1種類しかないから2個目を買う理由がない」と分析し、「バトルできる」「改造できる」という2つの要素を加えることで突破口が開けたのです。失敗を分析して仮説を立て、自分で試すというプロセスを繰り返すことが、チームの主体性を育てる最良の方法です。研修でもこのプロセスを体験してもらうことが重要です。

小さな成功体験を積ませる

指示待ち社員の主体性を育てるためには、「主体的に動いて成功した体験」を積ませることが重要です。最初から難しいことを任せると失敗して自信を失いますが、小さな挑戦から始めて「自分が動いたことで良い結果が出た」という体験を積み重ねることで、主体性が徐々に育ちます。

フォロワーシップ研修では、「小さな主体的行動を起こす→振り返る→また試みる」というサイクルを繰り返す演習を組み込むことが効果的です。研修の中で「ひとつだけ、今週主体的にやってみること」を各自が宣言し、次の研修でその結果を共有するという形式が、実践への橋渡しとして機能します。

「成功体験を積む」という観点では、研修の場そのものが最初の成功体験の場になることが重要です。研修の中でグループワークに積極的に参加し、自分の意見を言ったことが周囲に認められ、グループの成果に貢献できた、という体験が「職場でも主体的に行動してみよう」という気持ちにつながります。そのため、研修の設計において「参加者全員が必ず1度は発言・提案する機会がある」という工夫が求められます。発言の場を意図的に設計することで、普段は黙っているタイプの参加者も自然に口を開くようになります。

組織文化の変革が必要

指示待ち社員が多い組織には、往々にして「主体的に動いて失敗すると責められる」「提案してもどうせ通らない」という文化が根付いています。個人に研修を受けさせるだけでは、根本的な変化は難しいかもしれません。組織全体の文化を変えていくことが必要です。

管理職が「部下の提案を積極的に採用する姿勢を見せる」「主体的な行動を称える仕組みを作る」など、組織としての取り組みとフォロワーシップ研修をセットで進めることが、持続的な変化を生み出すポイントです。研修は変化のきっかけを作ることはできますが、定着させるのは日常の組織運営です。

アイデア総研のフォロワーシップ研修

参加者が動き出す研修設計

アイデア総研のフォロワーシップ研修は、「研修中から参加者が自分の言葉で考え、行動し始める」ことを最も大切にしています。講師が「フォロワーシップとはこういうものだ」と一方的に伝えるのではなく、「あなたにとって良いフォロワーとはどんな存在ですか?」という問いかけから研修が始まります。

5,000人以上への講義経験から培った「参加者全員が前のめりになる場のつくり方」を、フォロワーシップ研修にも活かしています。「面白い研修だった」だけで終わらず、「研修後に自分の行動が変わった」という変化を生み出すことを目指しています。受講者からは「今まで自分が疎外型フォロワーだったことに気づいた」「研修の翌週から、朝礼で積極的に意見を言えるようになった」といった声をいただいています。小さな変化が積み重なり、チーム全体の空気が変わっていく様子を何度も目の当たりにしてきました。

おもちゃ開発の視点を活かした独自プログラム

アイデア総研ならではの強みは、おもちゃ開発で培った「人が自ら動きたくなる仕組みのデザイン」の視点です。ベイブレードが「バトルできる」「改造できる」という2要素で世界的な大ヒットになったように、人が熱中して取り組めるには「参加感」と「選択肢」が重要です。この視点をフォロワーシップ研修に応用することで、「座って聴くだけ」ではなく「考えて動いて振り返る」研修を設計しています。

大阪公立大学・千葉大学・筑波大学・法政大学での講義経験を持ち、学術的な知見に裏打ちされたプログラムを提供しています。著書『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)でも、人の主体性を引き出すための考え方を詳しく紹介しています。

全国・オンライン・ハイブリッド対応

アイデア総研では、対面・オンライン・ハイブリッドすべての形式に対応しています。全国どこでも出張対応が可能で、研修時間は1時間から6時間まで柔軟に設計できます。「まず若手社員に短い時間で体験してもらいたい」というご要望から、「管理職と一般社員が一緒に受ける合同研修を実施したい」というご要望まで、柔軟に対応します。フォロワーシップ研修に関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

フォロワーシップ研修のイメージ

まとめ

いかがでしたか。フォロワーシップ研修は、「指示待ち社員」の問題に根本から向き合い、組織全体の推進力を高めるための有効なアプローチです。フォロワーシップの4タイプ診断を入り口に、自分の行動パターンに気づき、模範的フォロワーへの成長を目指す研修は、組織全体の活性化と生産性向上に大きく貢献します。

フォロワーシップ研修を選ぶ際は、「参加者が主体的に考えられる設計か」「実践演習が豊富か」「研修後のフォロー体制があるか」「組織文化の変革もセットで支援できるか」の4点を重点的に確認することをお勧めします。リーダーシップとフォロワーシップ、両方を組織的に育てることこそが、変化の激しい時代を生き抜く強い組織をつくる最短ルートです。

アイデア総研について

アイデア総研の研修風景
実際の研修・ワークショップの様子

アイデア総研は、フォロワーシップをはじめとした組織開発・人材育成の研修を幅広く提供しています。代表の大澤は、世界累計5億個のベイブレード・人生銀行・夢見工房の開発者であり、5,000人以上への講義実績を持ちます。大阪公立大学・千葉大学・筑波大学・法政大学での講義経験を持ち、著書『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)も好評発売中です。対面・オンライン・ハイブリッドに対応し、全国どこでも1時間〜6時間のプログラムをご提供します。フォロワーシップ研修の導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。