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イシューとは|本当に解くべき問題を見極めるビジネス思考法

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

「イシューとは何か」と聞かれたとき、あなたはすぐに答えられますか?ビジネスの現場では「イシュー」という言葉をよく耳にしますが、なんとなく使っていて、実は意味をよく理解していない……という方も多いのではないでしょうか。

実は、ビジネスにおけるイシューとは「本当に解くべき問題」のことです。そしてこのイシューを正しく設定できるかどうかが、仕事の成果を大きく左右します。いくら一生懸命考えても、解くべき問題がズレていては意味がない。「頑張っているのに成果が出ない」という状況の多くは、このイシューのズレが原因なのです。

今回は、イシュー とは ビジネスにおいてどういう意味を持つのか、正しいイシューを見極める思考法から実践ステップまで、できるだけわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで、明日からの仕事に役立ててください。

イシュー とは ビジネスのイメージ

イシューとは何か?ビジネスにおける「問い」の正体

辞書的な意味とビジネスでの使われ方

「イシュー(issue)」は英語で「問題」「論点」「争点」などを意味します。日常会話では「問題になっていること」「議論の対象」といったニュアンスで使われますが、ビジネスの文脈ではもう少し厳密な意味を持ちます。

ビジネスにおけるイシューとは、単なる「困っていること」ではありません。「今、最も重要な判断・検討が必要な問い」のことです。コンサルティングの世界では特にこの言葉が重視されており、「イシュードリブン」(イシュー起点で考える)という概念が広く浸透しています。

安宅和人氏の著書『イシューからはじめよ』で広まったこの考え方は、「解くべき問題を正しく設定することが、成果につながる仕事の出発点だ」というものです。ビジネスパーソンであれば一度は耳にしたことがある概念かもしれませんが、実際に日々の仕事に活かせている人は意外と少ないのが現状です。

「問題」「課題」「イシュー」の三つの違い

日本語では「問題」「課題」「イシュー」という三つの言葉が混在して使われることがありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。正確に使い分けることで、思考の精度が上がります。

問題とは現状と理想のギャップのことです。「売上が下がっている」「顧客満足度が低い」といった、現在発生している困った状況を指します。一方、課題とは問題を解決するために取り組むべきことです。「営業プロセスを見直す」「顧客対応の研修を行う」などがこれにあたります。

そしてイシューとは、その課題の中で「今最も優先して問うべき本質的な問い」です。たとえば「売上が下がっている」という問題に対して、「価格の問題なのか、商品力の問題なのか、それとも営業力の問題なのか」を問うのがイシューです。どこに焦点を当てて考えるかを決める、出発点となる問いのことです。

なぜイシューの設定が仕事の成否を決めるのか

ビジネスでイシューが重要な理由は、間違った問いに答えを出しても何も解決しないからです。これは当たり前のように聞こえますが、実際のビジネス現場では驚くほど頻繁に起きています。

たとえば「なぜ新製品が売れないのか」というイシューを立てたとします。もし本当の原因が「市場そのものの縮小」にあるのに、「営業が足りないから」というイシューを設定してしまったら、いくら営業を強化しても成果は出ません。努力が報われない最大の原因は、多くの場合「イシューのズレ」にあります。

正しいイシューを設定することで、考えるべき方向が明確になり、必要な情報・分析・アクションが絞り込まれます。その結果、最小のコストで最大の成果を生み出すことができるのです。イシュー とは ビジネスにおける「羅針盤」であり、これを正しく持てるかどうかが、プロフェッショナルとして差がつくポイントです。

良いイシューの3つの条件

条件1:答えが存在する問いであること

良いイシューの第一条件は、「答えが出せる問いであること」です。いくら本質的な問いだったとしても、現状では答えを出すことができない問いはイシューとして機能しません。考えるだけ時間と労力の無駄になってしまいます。

たとえば「10年後の市場はどうなっているか」という問いは、現時点で答えを出すことが非常に難しい。一方、「今期の売上低下の主要因は価格にあるか、商品力にあるか」という問いは、データと分析で答えを導くことができます。良いイシューは、取り組めば答えが出せる問いでなければなりません。「いつかわかるかも」レベルの問いは、今のイシューとして設定しないことが重要です。

条件2:本質的な問いであること

第二の条件は「本質的な問いであること」です。表面的な問いに答えを出しても、本当の問題は解決されません。むしろ表面的な解決策を打つことで、本質的な問題が見えにくくなるリスクさえあります。

たとえば「なぜ部署の雰囲気が悪いのか」という問いに対して、「コミュニケーション不足」という答えを出したとします。しかし本質は「上司のマネジメントスタイル」にあるかもしれない。そうすると、飲み会を増やしても問題は解決しません。イシューはなるべく根本的な原因に近い問いを設定することが重要です。「なぜ」を5回繰り返すことで、本質的な問いに近づいていけます。

条件3:行動につながる問いであること

第三の条件は「行動につながること」です。どんなに深く考えても、答えを出した後に何もアクションできないなら意味がありません。イシューはあくまでも「行動のための問い」であるべきです。

良いイシューとは、答えが出た瞬間に「次のアクション」が明確になるものです。「このイシューに答えが出たら、自分たちは何をするのか」を常に念頭に置きながら問いを設定しましょう。イシューと行動の間に明確な連鎖があることが、良いイシューの証明です。「わかったけど、だからどうすれば?」となってしまうイシューは見直しが必要です。

イシューを見極めるための思考ステップ

情報を集める前にまず問いを立てる

多くのビジネスパーソンが犯してしまいがちなミスが、「まず情報を集めてから考える」というアプローチです。しかし、問いが定まっていない状態で情報を集めても、何が重要な情報かわからないまま時間だけが過ぎていきます。

正しい順番は逆です。まず「今最も重要な問いは何か」を考え、イシューを設定する。そのイシューに答えるために必要な情報は何かを特定する。その上で情報を集める。このプロセスが、短時間で質の高いアウトプットを生み出す秘訣です。

会議の冒頭でよく行われる「まず状況を共有しましょう」という情報共有の時間も、イシューが定まっていないと単なる雑談になってしまいます。会議の前に「今日この会議で最も大切な問いは何か」を明確にしておくことが、生産的な議論の出発点です。

仮説を持ってイシューを絞り込む

イシューを見極めるためには、「仮の答え(仮説)」を持ってみることが効果的です。「おそらくこれが原因だ」という仮説を立ててみることで、問いがぐっと具体化されます。仮説は正確でなくてかまいません。「間違っていてもいいから、今のところ最も可能性が高いと思う答え」を設定することが大切です。

「売上が落ちている原因は何か」というぼんやりした問いよりも、「売上が落ちているのは競合の値下げが原因ではないか」という仮説付きの問いのほうが、調べるべきことが明確になります。仮説は外れても構いません。仮説を持って動くことで、確認作業のスピードが格段に上がり、イシューの精度も高まっていきます。

ツリー構造でイシューを整理する

複雑な問題に直面したとき、イシューをツリー状に分解する手法が有効です。「ロジックツリー」や「イシューツリー」と呼ばれるこの手法は、大きな問いを小さな問いに分解し、整理するためのフレームワークです。

たとえば「顧客満足度を上げるにはどうするか」というイシューを、「製品品質の問題か」「サービス品質の問題か」「価格の問題か」という三つのサブイシューに分解する。さらにそれぞれを細かく分解していくことで、どこに最も力を入れるべきかが見えてきます。

このツリー構造のポイントは「MECE(漏れなく、ダブりなく)」を意識することです。分解した要素の間に重複がなく、全体をカバーしていれば、重要なイシューを見落とすリスクが減ります。紙に書いて視覚化するだけで、問いの構造が格段に整理されます。

イシュー とは ビジネスのイメージ

ビジネスでよくある「イシューのズレ」の落とし穴

努力しても成果が出ない人の共通パターン

「毎日遅くまで働いているのに、なぜか成果が認められない」という悩みを持つビジネスパーソンは少なくありません。その原因の多くが、イシューのズレです。一生懸命やっているのに空回りしている状態は、悲しいことに珍しくありません。

努力しても成果が出ない人は、「解くべき問題」を間違えている可能性が高いのです。上司が求めているアウトプットと、自分が提出しているアウトプットがかみ合わない。それは努力の問題ではなく、そもそもイシューが違うという問題です。

解決策は「やり方を改善する」ことではなく、「そもそも何を求められているのかを確認する」こと。つまりイシューの再設定です。勇気を持って「この仕事で最も重要な問いは何でしょうか」と上司に確認するだけで、状況が大きく変わることがあります。

上司と部下でイシューが噛み合わないとき

上司と部下の間でよくあるコミュニケーションの断絶も、実はイシューのズレが原因であることが多いです。双方が「なんで伝わらないんだろう」と感じているケースは、大抵この問題です。

上司は「この施策が有効かどうか」を問いたいのに、部下は「どうやって実行するか」を問いとして動いてしまう。こうなると、部下がどんなに頑張っても上司には「そこじゃない」と感じさせてしまいます。コミュニケーションの前に「今この場のイシューは何か」を言語化して共有することが、生産性の高いチームの習慣です。

会議でイシューがズレると起きること

「あの会議、何を決めたかったんだっけ?」という経験はありませんか?会議での決定事項が曖昧になるのは、多くの場合、会議の冒頭でイシューが設定されていないからです。議題はあっても、「この会議で最も重要な問いは何か」が共有されていないと、議論はあちこちに飛び散ります。

参加者全員が「今日のイシューは○○である」と共有した状態で議論が始まる会議と、なんとなく資料を見ながら雑談に近い議論をする会議では、アウトプットの質が雲泥の差です。会議のファシリテーターはまず「今日のイシューの確認」から始める習慣を持ちましょう。これだけで会議の生産性は劇的に上がります。

ベイブレード開発から学ぶ「正しい問い」の見つけ方

「なぜ売れないのか」を正しく問い直した

私がおもちゃ会社に勤めていたころ、ベイブレードの前身となるおもちゃを開発した経験があります。その経験が、イシューの重要性を身をもって教えてくれました。

最初に作ったのは「すげゴマ」という独楽(こま)のおもちゃでした。ところがこれはさっぱり売れなかった。次に「バトルトップ」という改良版を作ったのですが、これも今一つ売れない。さて、このとき立てたイシューは「なぜバトルトップは売れないのか」でした。

ここで重要だったのは、「売れない原因を正しく特定すること」です。調べてみると、売れなかった本当の理由は「1種類しかないから2個目を買う理由がない」ということでした。子どもたちは1個持っていれば満足してしまう。複数買いたいと思わせる仕掛けがなかったのです。これがイシューを正しく立て直した瞬間でした。

正しいイシューが正しい解決策を生む

「1個しか買われない」というイシューが明確になったことで、解決策が一気に見えてきました。「複数買いたくなる理由を作ればいい」というわけです。このようにイシューが正確になると、答えも自然と見えてきます。

そこで「バトルできる」「改造できる」という二つの要素を掛け合わせることを考えました。バトルするには相手も必要だから2個いる。改造するには部品が欲しいから複数買う。このロジックが組み上がったとき、ベイブレードの原型が誕生しました。世界累計5億個を超えるヒット商品の裏側には、この「正しいイシューの設定」がありました。

一発で正解を出したのではありません。すげゴマ→バトルトップ→ベイブレードという3段階の失敗と改善のプロセスでした。失敗を分析し、「正しい問い(イシュー)」を設定し直し、仮説を立てて試す、というプロセスを繰り返した結果です。イシューを正しく設定することが、解決策の質を決定づけるのだということを、この経験から学びました。

イシューをビジネスに活かす実践ステップ

「今日の本当の問い」を毎朝問う習慣

イシュー思考を日々の仕事に落とし込むために、まずおすすめしたいのが「毎朝のイシュー確認」です。1日の仕事を始める前に、「今日、私が最も集中して取り組むべき問いは何か」を10分考えてみましょう。

タスクリストに「やること」を並べるのではなく、「今日の最も重要な問い」を一つ書き出す。そのイシューに答えることを一日の中心に据える。これだけで、仕事の優先順位が劇的に明確になります。「何をやるか」より「何を問うか」から始める習慣が、仕事の質を変えます。毎日続けることで、イシューを設定する感覚が自然と磨かれていきます。

チームでイシューを共有するコミュニケーション

個人のイシュー思考をチームに広げることも重要です。チームで仕事をしているとき、全員が同じイシューを共有しているかどうかで、チームのパフォーマンスが大きく変わります。一人がどんなに優秀でも、イシューがバラバラでは組織の力が発揮できません。

プロジェクトの冒頭で「このプロジェクトにおける最も重要な問いは何か」をチームで議論する時間を設ける。定期的なミーティングでは「今週のイシューの確認」を行う。こうしたシンプルな習慣が、チームの方向性を揃え、バラバラな努力を一点に集中させます。イシューの共有は、チームの羅針盤を揃えることです。

イシュードリブンな仕事の進め方

最終的に目指したいのは、「イシュードリブン」な仕事のスタイルです。すべての仕事をイシューから始める思考習慣を身につけることで、仕事の質と効率が同時に上がります。これはトップコンサルタントやビジネスリーダーが共通して持っている仕事の進め方でもあります。

具体的には、次のサイクルを回し続けることです。①今最も重要なイシューは何かを問う → ②そのイシューに答えるための仮説を立てる → ③仮説を検証するための情報・分析を行う → ④答えを出して意思決定・行動する → ⑤結果を見て新たなイシューを問う。このサイクルが速く回るほど、ビジネスの成果も大きくなります。

イシュー思考はビジネスにおける「思考の基盤」です。論理的思考、仮説思考、クリティカルシンキングといったあらゆるビジネス思考法の根底に、「正しい問いを立てる」というイシュー思考が流れています。これを身につけることで、他のあらゆる思考法の効果も高まります。

イシュー とは ビジネスのイメージ

まとめ

いかがでしたか。今回は「イシューとは何か」をテーマに、ビジネス思考としてのイシューの概念から実践方法まで解説しました。

イシュー とは ビジネスにおける「本当に解くべき問い」のことです。良いイシューは「答えが出せる」「本質的」「行動につながる」という三つの条件を満たしています。そして正しいイシューを設定することで、仕事の方向性が定まり、最小のコストで最大の成果を生み出すことができます。

「頑張っているのに成果が出ない」と感じているなら、ぜひ一度、自分が取り組んでいる問いを見直してみてください。イシューを正しく設定し直すことで、突破口が見えてくるかもしれません。ベイブレードの開発がそうであったように、正しい問いを持つことが、正しい解決策への道を開きます。ぜひ今日から「イシュードリブン」な仕事の習慣を始めてみてください。

アイデア総研について

アイデア総研の研修風景
実際の研修・ワークショップの様子

アイデア総研は、「イシューとは何か」「正しい問いの立て方」といったビジネス思考を実践的に学べる研修・ワークショップを提供しています。代表の大澤は、ベイブレード(世界累計5億個)・人生銀行・夢見工房の開発者として、商品開発の現場でイシューを正しく設定することの重要性を身をもって体験してきました。これまでに5,000人以上への講義実績があり、大阪公立大学・千葉大学・筑波大学・法政大学でも講義を行っています。著書に『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)があります。対面・オンライン・ハイブリッドに対応し、全国どこでも伺います。1時間〜6時間まで柔軟に対応可能ですので、お気軽にご相談ください。

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