企画書の記事

企画書作りの鉄則”○○○○の法則”をご存知ですか?

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

突然ですが、みなさんは”企画書作り”が得意でしょうか。

もちろん”得意だ”という方もいらっしゃると思いますが、大多数の方は何かしらの苦手意識を持っているのではないかと思います。

資料を集めるのが面倒、パソコンの前に座り続けるのが億劫、PowerPointをいじるのが苦手、長い文章を書くのがダルい・・・など、人によってその理由はさまざまでしょう。

ですが、多くの人に共通する理由は“企画書作りは面倒くさい”ということにつきると思います。

そんな方に知っていただきたい企画書作りの鉄則が、今回紹介する“KISSの法則”です。

企画書作りが苦手なあなたに、企画書作りの鉄則“KISSの法則”とはどのようなものかを詳しく説明したいと思います。

企画書作りの鉄則”KISSの法則”とは?

私自身も今でこそ企画書作りを比較的得意としていますが、“KISSの法則”を知るまでは企画書作りに自体に苦手意識があり、企画書を作らなければならないたびに憂鬱な気持ちになっていました。

そんな私も“KISSの法則”を知ったことで企画書作りの苦手意識がなくなりました。

企画書作りの鉄則である“KISSの法則”とは、次のようなものです。

KISSの法則(原則)

KISS の原則 (KISS principle) とは、“Keep it simple, stupid” (シンプルにしておけ!この間抜け)、もしくは、“Keep it short and simple” (簡潔に単純にしておけ)という経験的な原則の略語。その意味するところは、設計の単純性(簡潔性)は成功への鍵だということと、不必要な複雑性は避けるべきだということである。

引用元:Wikipedia

この法則は、企画書の作成に限らずあらゆるビジネスの場で重要とされています。

特にソフトウェア開発の現場で、プロジェクトの進行に比例して仕様が複雑化することによって、操作が複雑化したりハードウェアの要求スペックが高まることを防ぐためにたびたび引用されるようです。

ではなぜ”KISSの法則”がさまざまなビジネスで必要とされているのでしょうか。

SNSにおけるTwitterの長所

皆さんもご存知のように、Twitterでは”1つのツイートにつき入力できるのは140字まで”という文字数制限が存在します。

通信量に制限のあった時代ではメールの文字数に制限があるのが常識でしたが、今では何千何万といった文字数の電子メールを世界中に瞬時に送信することができます。

LINEでもFACEBOOKでも数千文字以上の文章が送れる現在、1つのツイートにつき140文字しか送れないTwitterは時代に逆行しているように見えます。

しかし、Twitterは数多くのSNSの中でいまだに多くの若者に支持されており、国内ユーザー数4,500万人以上・全世界ユーザー数3億人以上と圧倒的な存在感を示しています。

Twitterが支持されている理由のひとつは、その”手軽さ”でしょう。

そもそも人は、長い文章を書くのが面倒くさいものです。

そしてそれと同時に、読み手にとっても長文を読むのは同様に面倒くさいものなのです。

特にインターネットが普及し、メインの情報媒体が新聞や書籍からWEBへと移行する中で、この傾向は強まっています。

これと同様なことが、企画書に関してもあてはまります。

“決裁者は忙しい”と知ろう

誰でも数十ページに渡る長い企画書を作成するのは負担に感じます。

実は、同様に企画書を読む側も負担に感じているのです。

取引先や部下から「明日までに目を通してください」と分厚い企画書を渡された側も、間違いなくうんざりした気持ちになっているはずです。

会議の場で直接プレゼンを行う場合も同様です。

企画の決裁者は、あなたの企画だけをみているわけではありません。

さまざまな案件を毎日数多く、限られた時間の中で決裁しなければならないのです。

当然役職が高く決裁権が高い人ほど、一日の間でより多くの案件を判断しています。

そういう立場の人が最も嫌うものは“時間の無駄”です。

“Time is Money”を実感しているエグゼクティブほど、ダラダラと長く要領を得ないプレゼンを嫌います。

プレゼンの目的が決裁者による意思決定である以上、これは必ず避けなければいけません。

特に大企業の役員クラスや経営者ともなると、1日に目を通す資料の数は10本を超えることも珍しくありません。そのような環境では、読みやすくシンプルな企画書が圧倒的に有利です。

“プレゼン時間は3分”と心がける

そのためには、KISSの法則に従い、可能な限りシンプルな企画書を用いたプレゼンを行う必要があります。

プレゼンの時間に換算すると、できれば3分、長くても5分で終わらせるように心がけましょう。

3分というと短すぎると感じるかもしれませんが、企画書で伝えるべき骨子(ポイント)を絞り込めていれば十分な時間といえます。

仮に会議の時間が30分とられていたとしても、プレゼンは3分程度にまとめて決裁者の質問を待ちましょう。

質問時間は3分に含めませんので、プレゼン後に十分に議論を重ねる時間が確保できます。

もちろんすぐに承認が取れれば、予定より早めに会議を終えてしまって問題ありません(むしろ歓迎されるはずです)。

重要なのはプレゼン後に議論を深め、最終的な決裁を仰ぐことです。

「3分でまとめてくれ」と上司に言われた経験がある方も多いはずです。あれは実は非常に本質をついた要求なのです。自分のアイデアを3分で語れない人は、そもそもアイデアが整理されていない可能性があります。3分の壁は、あなたの思考の整理力を試す基準でもあります。

企画書の枚数は何枚がいいの?

presentation-224106_1280KISSの法則に従うと、企画書の枚数もおのずと決まってきます。

3分でプレゼン可能なスライドの枚数は10枚未満(9枚まで)が限界です。

この枚数は表紙や目次、ブリッジ(見出し)を含まない、本編(中身)の部分のみを指したものです。

本編のみで10枚未満にまとめることができれば、KISSの法則に従って作成したシンプルな企画書といえるでしょう。

スライドがそれ以上の枚数になると、決裁者から見てポイントが絞られていない“よくわからないプレゼン”になってしまいます。

スライドの枚数を減らすことで主張したいポイントが明らかになり、決裁を仰ぐことが可能になるのです。

ただし”短いほどよい”というわけではなく、むりやり1枚に全てをまとめてしまうのも良くありません。

骨子(ポイント)が伝わるギリギリの枚数を見極めるようにしましょう。

実際、コンサルティング会社やスタートアップのピッチ資料でも「9枚ルール」はよく使われています。投資家へのプレゼンで有名なのは「エレベーターピッチ」という概念で、エレベーターに同乗している短い時間でアイデアを完全に説明できることを目標にしています。

企画書は論文ではない!

一般的に真面目で優秀な人ほど、企画書が長くなってしまう傾向があります。

学会などで発表される学術論文は長大ですが、内容に誤解やモレが無いように万全を期すほど文章は長くなっていきます。

企画書もあらゆるケースを想定し、誤解やモレのないように書くと、当然長くなってしまいます。

どうしても企画書が長くなってしまう方は、“企画書は論文ではない”ということを肝に銘じておきましょう。

企画書は学術的に正しいものである必要はありません。最終的に決裁を仰ぐことができればよいのです。

そのためには、企画書をギリギリのレベルまでシェイプすることで骨子(ポイント)を明確にすることが重要なのです。

もし説明が足りないと感じる部分がある場合は、プレゼン対象外の添付資料(アペンディックス)に収納し、質問が来たら答えればよいのです。

企画書作りの鉄則である”KISSの法則”に従い、できる限りシンプルな企画書を目指しましょう。

KISSの法則を実践するための5ステップ

「シンプルにしよう」とわかっていても、いざ企画書を作ると気づけばボリュームが増えていた……そんな経験はありませんか。ここでは、KISSの法則を実際のビジネスに落とし込むための5つの実践ステップを紹介します。

ステップ1:伝えるべきメッセージを1つに絞る

まず最初に行うべきは、「この企画書で伝えたいことは何か」を1文に絞り込む作業です。

「コスト削減できる」「新規顧客を開拓できる」「ブランド価値を上げられる」……このようにメッセージが複数あると、聞き手の脳内で混乱が生じます。

優れたプレゼンターは必ずと言っていいほど、メインメッセージを1つに絞っています。サブの主張は補足として添えるにとどめ、あくまでも「1つのこと」を伝え切ることに集中しましょう。

ステップ2:不要な情報を”捨てる”勇気を持つ

企画書を作っていると、「せっかく調べたから入れたい」という気持ちが生まれます。これは人間として自然な感情ですが、ビジネスの場では「捨てる勇気」が必要です。

KISSの法則の本質は、”シンプルに見せる”のではなく、”本当にシンプルにする”ことです。必要のない情報は潔く削除し、添付資料(アペンディックス)に回しましょう。

ステップ3:1スライド・1メッセージを徹底する

スライドを作る際は、「1枚のスライドで伝えることは1つだけ」を徹底します。

よくある失敗例は、1枚のスライドに表やグラフ、テキスト説明、注釈まで詰め込んでしまうことです。見た目がごちゃごちゃになり、何を言いたいのかが伝わりません。

1スライドに表示する情報を最小化することで、聞き手の視線と思考が自然とポイントに集中するようになります。

ステップ4:図・グラフを積極的に活用する

文字を減らすために有効なのが、図解やグラフへの置き換えです。

人間の脳は、文字よりもビジュアル情報を約60,000倍速く処理できるといわれています。複雑なデータや関係性も、グラフや図解にすることで一目で伝えることができます。

「このページ、文字ばかりだな」と感じたら、図解・グラフ・アイコンへの変換を検討してみましょう。

ステップ5:声に出して3分で読めるか確認する

企画書が完成したら、実際に声に出して読んでみることをおすすめします。

3分以内にすべてのスライドを読み終えることができれば合格です。もし3分を超えるようであれば、さらに削れる箇所がないかを見直しましょう。

この声出しテストは、内容の過不足を発見する最も手軽で効果的な方法です。

KISSの法則はメール・会議・報告書にも使える

KISSの法則の適用範囲は、企画書やプレゼンだけにとどまりません。日常のビジネスコミュニケーション全般に活用できる考え方です。

ビジネスメールへの応用

ビジネスメールの世界でも、KISSの法則は非常に有効です。長すぎるメールは読まれにくくなります。要件は3行以内にまとめることを目標にしましょう。

件名・本文・アクション(いつまでに何をしてほしいか)の3点が明確であれば、受け手は迷わず動くことができます。逆に、背景説明や経緯が長々と続くメールは、要件が埋もれて見落とされるリスクが高まります。

会議・ミーティングへの応用

会議でも、KISSの法則が威力を発揮します。会議の冒頭に「本日の目的は○○の意思決定です」と一言宣言するだけで、参加者の集中度が格段に上がります。

不必要な情報共有や近況報告は、チャットやメールで代替できます。会議の場はシンプルに「決める場」として機能させましょう。時間が余れば早く終わればいいだけです。

報告書・議事録への応用

報告書や議事録もKISSで考えると、A4用紙1枚以内を目安にしてみましょう。

1枚に収めようとすることで、何が本当に重要な情報かが自然と明確になります。多くの企業で採用されているA4・1枚報告書は、まさにKISSの法則の実践版といえます。

KISSの法則を守れないときのチェックリスト

「シンプルにしたいのに、なぜかボリュームが増えてしまう」という方のために、よくある原因とその対処法をリストアップしました。

  • 目的が不明確:「何のための企画書か」を再確認し、目的に沿わない情報を全て削除する
  • 聞き手が不明確:「誰に向けて話しているのか」を特定し、その人が知りたい情報だけを残す
  • 調査に引きずられている:集めたデータを全部入れようとする心理的バイアスを意識的に排除する
  • 不安から情報を増やしている:「これも入れないと怒られるかも」という不安が複雑化の元凶。必要最低限で勝負する勇気を持つ
  • 上司や先輩のフォーマットを踏襲している:過去の慣習に縛られず、「本当に必要か」を一から問い直す

KISSの法則が世界中で使われ続ける理由

KISSの法則は1960年代にアメリカ海軍が設計原則として採用したといわれています。軍事技術の分野から生まれた考え方が、半世紀以上経ったいまもビジネスの最前線で語り継がれているのは、その普遍性の高さゆえです。

アップルの故スティーブ・ジョブズは「シンプルさは究極の洗練だ」という言葉を愛用し、製品設計・プレゼン・マーケティングのすべてにKISSの哲学を貫きました。iPhoneがボタン1つのシンプルなデザインで世界を席巻したことは、その最たる証拠といえるでしょう。

日本のビジネスにおいても、トヨタの「カイゼン」やユニクロの商品戦略など、シンプルさを追求することで圧倒的な強みを生み出している企業が多数存在します。

シンプルさは、決してコンテンツの貧しさではありません。本質だけを磨き上げた結果にたどり着く、非常に高度なスキルなのです。

まとめ

いかがでしたか。

企画書の作り方が書かれた書籍やサイトの中には数十枚に渡るフォーマットを推奨しているものもありますが、実際のビジネスの場ではあまり良い結果は得られないでしょう。

KISSの法則をひとことで言えば、「シンプルであることが最強の武器になる」ということです。

決裁者の承認を勝ち取るためには、”KISSの法則”に従ったシンプルな企画書作りを心がけましょう。企画書だけでなく、メール・会議・報告書・日々のコミュニケーション全般にKISSの法則を取り入れることで、あなた自身のビジネスパーソンとしての評価も自然と上がっていくはずです。

また“企画書はシンプルなほうがよい”というルールによって、企画書作りを苦手とする方が少しでも減ることを願っています。複雑なものをシンプルにまとめる力は、練習すれば必ず身につきます。ぜひ今日から意識してみてください。

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