アイデア発想の記事

マンダラートの使い方|アイデアを9マスで広げる発想法

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

「もっとアイデアの幅を広げたい」「発想が一方向にしか進まない」——そんな悩みを抱えるビジネスパーソンにぜひ試してほしいのが、マンダラートの使い方です。9マスというシンプルなフレームワークを使うだけで、一つのテーマから驚くほど多様なアイデアが広がります。

マンダラートは日本で生まれた発想法で、仏教の曼荼羅(マンダラ)からヒントを得て設計されています。プロ野球の大谷翔平選手が高校1年生のときに使っていたことで一躍有名になり、今では多くのビジネスパーソンや学生が活用しています。

この記事では、マンダラートの使い方の基本から応用、ビジネスへの活かし方まで詳しく解説します。実際の記入例や活用シーンも交えながら、明日から使えるヒントをお届けします。発想法は知識として知るだけでなく、実際に手を動かして使ってみることで初めてその真価がわかります。ぜひ最後までお読みください。

マンダラートのイメージ

マンダラートとは——9マスで発想を広げるフレームワーク

マンダラートの基本構造

マンダラートは、3×3の9マスを基本単位とするフレームワークです。中央のマスにテーマや目標を書き、その周囲8マスに関連するアイデアや要素を書き出します。さらにその8マスそれぞれを新しい中心として、再度3×3のマスを展開すると、全体で9×9=81マスの巨大な発想マップが完成します。

この構造の最大の特徴は、「まず8つのアイデアを強制的に出す」という仕組みにあります。普通にアイデアを出そうとすると、3〜4個出た時点で思考が止まりがちです。しかしマンダラートは9マスのうち8マスを埋める必要があるため、自然と「もう少し考えよう」という状態が生まれます。

マンダラートの使い方の核心は、枠を先に設けることで発想を強制的に拡張する点にあります。「8つ書かなきゃ」というプレッシャーが、思考を普段の範囲より少し外側に押し広げてくれるのです。この「強制発散」がマンダラートの真の効果です。特に「なかなかアイデアが出ない」と感じているときに絶大な効果を発揮します。

マンダラートの誕生と歴史

マンダラートは、デザイナーの今泉浩晃氏が1987年に考案した発想支援ツールです。仏教の曼荼羅(マンダラ)が持つ「中心から放射状に広がる構造」から着想を得て、思考の整理と発散を同時に実現できるフレームワークとして設計されました。

日本で独自に生まれたこのツールは、教育・ビジネス・スポーツなど多様な分野で活用されてきました。特に大谷翔平選手が高校1年生の目標管理に使ったマンダラートが公開されたことで、国際的にも注目を集めるようになりました。あの81マスのシートには、「ドラ1・8球団」「人間性」「運」「キレ」など、具体的な目標と行動計画が細かく記入されていました。

マンダラートの使い方は発想だけでなく、目標設定・計画立案・情報整理など多岐にわたります。シンプルな構造でありながら、使う目的によって無限の応用ができる汎用性の高さが、長年にわたって愛用されている理由です。今や小学校から大手企業の研修まで、幅広い場面で活用されています。

マインドマップとの違い

マンダラートと混同されやすいのがマインドマップです。どちらも一つのテーマから思考を広げていく発散型のツールですが、構造が大きく異なります。マインドマップは中心から自由に枝を伸ばすため、アイデアの数や方向に制限がありません。一方、マンダラートは9マスという固定の枠があります。

この違いが使い勝手の差を生みます。マインドマップは自由度が高く、思考の流れをそのまま可視化するのに向いています。マンダラートは「必ず8つ出す」という強制力があるため、アイデアを網羅的に出したいときや、思考が煮詰まっているときに特に効果的です。

マンダラートの使い方をマスターするうえでは、この「制約の力」を理解することが重要です。自由すぎると人は考えるのをやめてしまいます。適度な制約が発想を加速させます。目的によってマインドマップとマンダラートを使い分けることが、発想ツール活用の鉄則です。

マンダラートの使い方——基本の手順

ステップ1:中心テーマを設定する

マンダラートの使い方の第一歩は、中心マスに書く「テーマ」を決めることです。このテーマ設定が、その後のアイデアの質を大きく左右します。テーマが広すぎると周囲8マスが表面的なキーワードで埋まってしまい、テーマが狭すぎると8マスを埋めることができません。

良いテーマの例:「新規顧客獲得の施策」「研修プログラムの改善」「チームのモチベーション向上」など、具体的な課題や目標を設定します。反対に「会社の発展」のような漠然としたテーマは、周囲8マスに曖昧なキーワードが並ぶだけになりがちです。具体的なアクションにつながる粒度のテーマを設定しましょう。

マンダラートの使い方で最初につまずきやすいのが、テーマ設定の失敗です。テーマは「具体的すぎず抽象的すぎない、ちょうどよい粒度」を意識してください。最初は「この粒度で合っているかな?」と迷うかもしれませんが、慣れてくると感覚がつかめてきます。失敗しながら覚えていくのも、マンダラートの使い方の醍醐味のひとつです。

ステップ2:周囲8マスにキーワードを書く

中心テーマが決まったら、周囲8マスにテーマに関連するキーワードやアイデアを書いていきます。ここで大切なのは「評価しない」こと。「これは使えないかも」と判断する前に、とにかく書き出します。書いているうちに、最初は「おかしい」と思ったアイデアが重要なヒントになることがよくあります。

8マスを埋められない場合は、逆転の発想を使いましょう。「テーマの反対は何か?」「テーマに関係のない全く違うものは?」と問いを変えてみることで、新しい角度からキーワードが浮かんできます。また「5W1H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)」の視点でテーマを眺めるのも、8マスを埋めるための有効な方法です。

また、書く順番は問いません。思いついたマスから埋めていってかまいません。8マスを埋め終わったとき、必ず「最初に思いつかなかったキーワード」が入っているはずです。それがマンダラートの使い方の醍醐味です。普段の思考の外側にある視点に気づけるのが、このツールの真価です。

ステップ3:外側の9マスへ展開する

周囲8マスに書いたキーワードそれぞれを、外側のマス目の中心に移動させ、新たに3×3マスを展開します。これで全体が9×9=81マスになります。各キーワードについてさらに8つのアイデアを出すことで、最終的に64個の具体的なアイデアや行動項目が得られます。

この段階では、より具体的・実行可能なレベルまでアイデアを落とし込むことを意識します。外側のマスには「誰が・いつ・何を・どうする」という粒度で書くと、そのまま行動計画として使えます。マンダラートの使い方の最終ゴールは、「考えること」ではなく「動くこと」です。発想ツールは行動に変換されて初めて価値を生みます。

マンダラートの使い方——ビジネスへの応用

新規事業のアイデア出しに使う

新規事業の検討では、発想の幅を広げることと同時に、実現可能性を見極めることが求められます。マンダラートの使い方として有効なのは、中心に「新事業の軸(例:シニア向けサービス)」を置き、周囲8マスに「市場規模」「顧客ニーズ」「競合状況」「自社の強み」「必要な技術」「初期コスト」「販売チャネル」「提携候補」などの視点を配置する方法です。

こうすることで、アイデアが特定の視点に偏ることなく、多角的に検討できます。さらに外側のマスを展開することで、各視点の深堀りが自然に行われ、事業計画の骨格が見えてきます。マンダラートの使い方を新規事業開発に取り入れると、アイデアの網羅性と深さを同時に確保できます。ブレインストーミングとロジカルシンキングを一枚のシートで両立できるのです。

研修・ワークショップの設計に使う

研修プログラムを設計するとき、「何を教えるか」「どう教えるか」「どう評価するか」という三つの軸が必要です。マンダラートの中心に「研修目的」を置き、周囲8マスにこれらの軸や関連要素を配置することで、プログラム設計の全体像を一枚のシートで把握できます。

私がアイデア総研の研修を設計するときにも、マンダラートを活用しています。中心に「参加者が研修後に何ができるようになるか」というゴールを置き、周囲に「コンテンツ」「時間配分」「グループワーク設計」「事前課題」「事後フォロー」「講師の動き」「ツール・教材」「評価方法」を展開することで、研修全体のバランスが取れた設計になります。マンダラートの使い方を研修設計に応用することで、設計の抜け漏れを防ぐことができます。

個人の目標管理・キャリア設計に使う

大谷選手の例でも有名ですが、マンダラートはキャリア設計や目標管理にも非常に有効です。中心に「3年後のなりたい姿」を置き、周囲8マスに「スキルアップ」「資格取得」「人脈形成」「実績づくり」「健康管理」「経済的自立」「継続学習」「マインドセット」などの要素を展開します。

それぞれの要素について外側のマスに具体的な行動を書き込むと、3年後の目標を達成するための64個の具体的な行動リストが完成します。マンダラートの使い方として個人の成長計画に活用すると、「何をすべきか」が一目でわかる強力なロードマップが出来上がります。年初の目標設定や、キャリアの転換期に特におすすめです。3年先だけでなく、半年・1年という短いスパンで使うことで、定期的に自分の進捗を確認できます。手帳に貼っておくだけで、毎日目標を意識する習慣が生まれます。

マンダラートのイメージ

ベイブレード開発とマンダラート的発想の共通点

「失敗から8つの視点で考え直す」という手法

私がおもちゃ開発に携わっていたころ、「すげゴマ」→「バトルトップ」と二度の失敗を経て「ベイブレード」が生まれました。この過程を振り返ると、マンダラートの使い方と非常に似たプロセスがあったことに気づきます。

「なぜ売れないのか」という中心テーマに対して、「価格設定」「デザインの訴求力」「遊び方の多様性」「繰り返し購入の理由」「競合との差異化」「子どもの心理」「親への訴求ポイント」「販売チャネル」という8つの視点で考え直したのです。その中から「2個目を買う理由がない」という核心にたどり着き、「バトルできる」「改造できる」という解決策が生まれました。

課題を多角的な視点で強制的に展開することが、突破口を見つける近道です。マンダラートの使い方はまさにこのプロセスを、誰でも再現できる形式に落とし込んだものといえます。

「1種類では売れない」を多角的に解決した発想

バトルトップが売れなかった理由は「1種類しかないから2個目を買う理由がない」という単純な事実でした。しかしこの問題に「どうすれば2個目を買ってもらえるか?」という中心テーマでマンダラートを展開したとすると、「バトル要素の追加」「改造・カスタマイズ性」「コレクション性」「限定版の展開」「ストーリー性の付与」「対戦ランキング」「地域限定デザイン」「パーツ互換性の確保」という8つのアプローチが出てきます。

一発で正解を出したのではなく、失敗を分析し、多角的な視点から仮説を立てて試すプロセスの繰り返しが、世界累計5億個の大ヒットを生みました。マンダラートの使い方を知っていれば、このプロセスをより体系的・効率的に行うことができます。発想法は思考の「型」を提供することで、誰でも優れた思考プロセスを再現できるようにします。

「枠を設けることで発想が広がる」という逆説

マンダラートの8マスという制約と、ベイブレード開発の「なぜ売れないかを8つの視点で分析する」というアプローチには、共通する逆説があります。それは「制約が発想を広げる」ということです。

自由に考えてよいと言われると、人は慣れ親しんだ思考パターンに留まりがちです。しかし「8マス埋めてください」「8つの視点から考えてください」という制約を設けることで、普段は手を伸ばさない発想の領域に踏み込むことができます。この「強制拡張」こそが、マンダラートの使い方の本質です。制約は思考の敵ではなく、思考の加速装置なのです。おもちゃ開発の現場でも、「この仕様と価格帯の中で最大の驚きを作る」という制約が、最もユニークな商品を生み出すことが多くありました。制約を歓迎する姿勢が、発想力を高めます。

マンダラートを使う際の注意点とコツ

マスを埋めることが目的にならないようにする

マンダラートの使い方で最もよくある失敗は、「マスを埋めること自体が目的化する」ことです。81マスを埋め終わったとき、「やり切った感」は得られますが、実際に使えるアイデアが何も残っていないというケースがあります。

これを防ぐには、記入しながら「このキーワードは実際の課題解決に役立つか?」と常に意識することです。マンダラートの使い方の真の目的は、シートを完成させることではなく、実行可能なアイデアや行動計画を見つけることです。81マスのうち、使えるアイデアが10個見つかれば大成功です。質より量を意識してまず埋め、その後に価値あるものを選別するという二段階のプロセスが効果的です。

一人より複数人で取り組むと効果が高い

マンダラートは一人でも使えますが、複数人で取り組むと発想の幅が格段に広がります。特に「中心テーマについて、各自が独立して周囲8マスを埋める」というワークを行うと、同じテーマに対して人によってまったく異なるキーワードが出てくることに気づきます。

その違いをシェアするだけで、「そういう視点があったのか」という気づきが生まれます。マンダラートの使い方をチームビルディングや研修に取り入れると、発想力の向上と同時に、メンバー間の相互理解も深まります。異なるバックグラウンドを持つメンバーと一緒に行うほど、多様な視点が集まり、より豊かな発想マップが完成します。

デジタルツールと組み合わせて使う

マンダラートはもともと紙とペンで行うシンプルなツールですが、デジタルツールと組み合わせることで利便性が大きく向上します。Miro・Mural・FigJamなどのオンラインホワイトボードツールでマンダラートのテンプレートを使うと、リモートチームでもリアルタイムに共同作業ができます。

また、Notionやスプレッドシートを使って81マスを管理する方法もあります。マンダラートの使い方はアナログでもデジタルでも変わりませんが、デジタル化することで後からの検索・整理・共有が容易になります。目的や状況に合わせて使い分けるのがベストです。まずは紙で気軽に始めて、慣れてきたらデジタルに移行するという流れをおすすめします。オンラインホワイトボードを使えば、画像や動画を貼り付けることもでき、テキストだけでは表現しにくいアイデアも可視化できます。チームで使う場合は、完成したシートをSlackやTeamsで共有することで、非同期でも全員がアイデアを把握できます。マンダラートの使い方をデジタル環境に最適化することで、リモートワーク時代の発想支援ツールとして一層力を発揮します。

マンダラートのイメージ

まとめ

いかがでしたか。マンダラートの使い方は、9マス(81マス)というシンプルな構造を使って、テーマに関するアイデアを網羅的に展開できる強力な発想ツールです。デザイナーの今泉浩晃氏が考案し、大谷翔平選手の活用で広く知られるようになったこの手法は、ビジネスから個人のキャリア設計まで幅広く応用できます。

中心テーマを設定し、周囲8マスにキーワードを書き、さらに外側へ展開する——この3ステップを繰り返すだけで、普段では思いつかないアイデアが次々と生まれます。「制約が発想を広げる」という逆説を体験できるのがマンダラートの最大の魅力です。

まずは紙に3×3のマスを書いて、中心に今抱えている課題を一つ書いてみてください。マンダラートの使い方を実際に体験することで、その効果を肌で感じることができるはずです。発想ツールは知識として知るだけでなく、手を動かして使ってみることで初めてその真価がわかります。ぜひ今日から試してみてください。

アイデア総研について

アイデア総研の研修風景
実際の研修・ワークショップの様子

マンダラートを使った発想研修・ワークショップをお探しの方へ。アイデア総研は、ベイブレード(世界累計5億個)・人生銀行・夢見工房の開発者である大澤が主宰する発想力専門の研究機関です。これまで5,000人以上への講義を実施し、大阪公立大学・千葉大学・筑波大学・法政大学でも登壇してきました。著書『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)でも発想の技術を体系的に解説しています。対面・オンライン・ハイブリッド対応、全国どこでも、1時間〜6時間の研修プログラムをご提供していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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