研修担当者様へ

メンバーシップ研修とは|主体的に動けるチームをつくる研修の進め方

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

「社員が指示待ちで、自分から動こうとしない」「チームのメンバーが”やらされ感”を持って仕事をしている」——こういった組織の悩みを解決する研修として、メンバーシップ研修が注目を集めています。

メンバーシップとは、組織の一員として主体的に貢献する意識と行動のことです。リーダーシップが「引っ張る力」だとすれば、メンバーシップは「押す力」——チームの目標に向けて自分から動き、周囲を巻き込み、組織全体の成果に貢献するスキルです。

この記事では、メンバーシップ研修の意義と進め方、そしてチームワーク研修で主体性を育てるための外部講師の選び方について詳しく解説します。

メンバーシップ研修のイメージ

メンバーシップ研修が求められる背景

なぜ今、多くの企業がメンバーシップ研修に注目しているのでしょうか。その背景にある組織の変化を理解することが重要です。

「指示待ち社員」が増えた背景

「何をすればいいですか?」「この場合はどうすれば?」と一つひとつ上司の指示を待つ社員が増えているのはなぜでしょうか。その背景には複数の要因があります。

一つ目は、学校教育の影響です。「正解を答える」ことを重視してきた教育環境では、「自分で問いを立てて考える」訓練が少なかったため、社会に出てからも「指示がなければ動けない」状態になりやすいです。

二つ目は、失敗を責める組織文化です。「自分で判断して動いたら怒られた」という経験が積み重なると、社員は「指示通りに動くほうが安全だ」と学習します。これが「自分から動かない」という行動パターンを強化します。

メンバーシップ研修は、こうした「指示待ちパターン」の根本原因にアプローチし、主体的に動く意識と行動を育てることを目的としています。

チームワークの質が業績を左右する時代

個人の能力よりも、チームとしての協力・連携・補完の力が業績を左右する時代になっています。プロジェクト型の業務・部門横断チーム・リモートワーク——いずれも、チームメンバー一人ひとりが主体的に動き、互いの強みを活かし合うことで初めて成果が生まれます。

チームワーク研修で主体性を育てることは、個人の成長だけでなく、チーム全体の生産性と創造性を高めることにつながります。リーダーだけが頑張るチームより、全員がメンバーシップを発揮するチームのほうが、はるかに強いのです。

Z世代・若手社員の育成課題

Z世代(1990年代後半〜2000年代生まれ)は、「仕事の意味や目的を重視する」「フラットな関係を求める」「自律的な働き方を好む」という特徴を持っています。しかし、組織への帰属意識や「チームへの貢献」という感覚は、意識的に育てないと自然には身につきません。

メンバーシップ研修は、若手社員が「自分はチームに必要な存在だ」「自分の行動がチームの成果につながっている」という感覚を持てるよう設計されています。これがエンゲージメント向上・離職防止にも効果を発揮します。

メンバーシップ研修の主なコンテンツと手法

メンバーシップ研修では具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか。主要なコンテンツと手法を解説します。

主体性と自律性の意識変革

メンバーシップ研修の核心は、「やらされている仕事」を「自分がやりたい仕事」に転換するマインドシフトです。研修では、「なぜ自分はこの仕事をしているのか」「この仕事を通じて自分は何を実現したいのか」という内省を深めるワークを行います。

目標設定ワーク・価値観の明確化ワーク・強みの発見ワークなどを通じて、「外から言われたからやる」から「自分の意志でやる」へのシフトを促します。このマインドシフトが起きると、仕事への取り組み姿勢が根本から変わります。

フォロワーシップのスキル習得

メンバーシップ研修でよく取り上げられる概念として「フォロワーシップ」があります。フォロワーシップとは、リーダーを単に「従う」ことではなく、「リーダーを支え、チームの目標達成に積極的に貢献する」能動的な役割です。

ケリー・ロバートの「フォロワーシップの5類型(孤立型・順応型・傍観型・模範型・実践型)」を学ぶことで、自分が現在どのフォロワーシップ類型にあるかを自覚し、「模範型・実践型」へのシフトを目指します。

心理的安全性とチームの信頼関係の構築

主体的に動くためには、「失敗しても大丈夫」「意見を言っても排除されない」という心理的安全性が必要です。メンバーシップ研修では、チームの心理的安全性を高めるためのコミュニケーションスキルも学びます。傾聴・承認・フィードバックといった対話スキルを実践的なワークで体得することで、チーム全体のコミュニケーションの質が向上します。

相互理解ワーク(ストレングスファインダー・強み発見)

チームワーク研修においてよく活用されるのが、メンバー同士の相互理解を深めるためのアセスメントツールです。ストレングスファインダー・MBTI・エニアグラムなどを使い、「このメンバーにはこんな強みがある」「だからこのタスクを任せると輝く」という相互理解が深まると、チームのパフォーマンスが劇的に向上します。

メンバーシップ研修のイメージ

チームワーク研修で主体性を育てるための外部講師の選び方

チームワーク研修 主体性をテーマにした外部講師を選ぶ際の重要なポイントを解説します。

参加者の「内側から動機づける」ファシリテーション力

メンバーシップ研修で最も重要なのは、参加者が「外からやらされている」のではなく、「自分で気づいて動きたくなった」という感覚を持てるかどうかです。内発的動機づけを促すファシリテーション力を持つ講師を選びましょう。

これは講師が「答えを教える」スタイルではなく、「問いを立てて参加者自身に気づかせる」スタイルを取ることで実現します。コーチング的なアプローチを研修に組み込める講師が理想的です。

ゲーミフィケーション・体験型ワークの活用

メンバーシップ・チームワークのスキルは、座学では身につきにくく、体験を通じて学ぶことが重要です。ゲーム形式のワーク・アウトドア型チームビルディング・ロールプレイ・シミュレーションゲームなどを活用した研修は、参加者の没入感が高く、学びが深くなります。

特に「共同作業の体験」がメンバーシップの醸成に効果的です。一緒に何かを作り上げる経験が、チームへの帰属意識と貢献意欲を高めます。

研修後の職場への定着支援が充実しているか

研修会場では気持ちが高まっても、職場に戻ると「また元通り」になりやすいのがメンバーシップ・チームワーク研修の難しさです。研修後に「職場実践課題の設定」「1ヶ月後のフォローアップセッション」「上司向け定着ガイドの提供」などのフォロー設計がある研修会社を選びましょう。

メンバーシップ研修で扱うべき重要テーマ

「当事者意識」を育てるワーク設計

メンバーシップの核心にある「当事者意識」とは、「自分がこのチームの成果に責任を持つ」という感覚です。しかし当事者意識は、言葉で伝えるだけでは育ちません。「自分の判断が実際の結果に影響する」という体験を通じて初めて醸成されます。

研修ではシミュレーションゲーム・ロールプレイ・実案件を使ったプロジェクト演習など、「自分が判断しなければ先に進まない」という状況を意図的に作り出すワークが効果的です。「やらなくてもなんとかなる」という状況ではなく、「自分がやらないとチームが困る」という体験が、当事者意識を育てます。

貢献の可視化:自分の強みとチームへの役割の理解

主体的に動けないメンバーの多くは、「自分がチームに何を貢献できるかわからない」という状態にあります。「自分の強みは何か」「チームの中で自分はどんな役割を担えるか」を明確にすることが、主体性を引き出す第一歩です。

ストレングスファインダー・強み発見ワーク・VIA強み診断などのツールを研修に取り入れることで、参加者が「自分にはこういう貢献の仕方がある」という自己理解を深められます。この気づきが、「やりたい気持ち」を生み出します。

「報告・連絡・相談」の主体的な実践スキル

メンバーシップの実践として最も基本的なスキルが、「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」の主体的な実践です。しかし、ただ「ホウレンソウをしなさい」と言うだけでは変わりません。「なぜホウレンソウが必要か」の本質的な理解と、「どんな内容をどのタイミングでどのように伝えるか」という実践スキルのセットで学ぶことが重要です。

「チームのメンバーが情報を持っていないことで起きる損失」を体験するシミュレーションワークを通じて、「伝えること=チームへの貢献」という理解が深まります。

メンバーシップ研修とリーダーシップ研修の連動設計

フォロワーシップとリーダーシップは車の両輪

優れた組織は、リーダーシップとフォロワーシップ(メンバーシップ)が同時に高いレベルで機能しています。リーダーシップ研修だけを行っても、メンバーが受動的なままでは限界があります。逆に、メンバーシップ研修だけを行っても、リーダーが主体性を引き出す環境を作れなければ、メンバーの主体性は発揮されません。

管理職向けのリーダーシップ研修とメンバー向けのメンバーシップ研修を同時期に実施し、その後に合同ワークショップを行うという設計が最も効果的です。双方が「相手への期待」を共有する場を設けることで、相互補完の関係が生まれます。

「リーダーシップは役職ではなく行動」という意識の共有

メンバーシップ研修では、「リーダーシップは役職を持つ人だけのもの」という固定観念を外すことも重要なテーマです。「チームの誰もが状況に応じてリーダーシップを発揮できる」というシェアドリーダーシップの概念を学ぶことで、メンバーが「自分もリーダーシップを発揮していい」という自己認識を持てるようになります。

これにより、「指示を待つメンバー」から「課題を発見して行動するメンバー」へのマインドシフトが促されます。

世代間ギャップを活かすチームデザイン

年齢・経験・価値観の異なるメンバーが混在するチームでは、世代間ギャップが摩擦の原因になることがあります。しかしメンバーシップ研修では、この多様性を「弱点」ではなく「強み」として活かすための相互理解ワークを行います。

「ベテランの経験と若手のデジタルスキルを組み合わせると、どんな価値が生まれるか」を一緒に考えるワークは、世代間の相互リスペクトと協力関係を生み出します。チームの多様性がパフォーマンスに転化されるとき、メンバーシップが最大限に発揮されています。

メンバーシップ研修の費用と実施形式の比較

費用相場と研修形式の選び方

メンバーシップ研修の費用相場は以下のとおりです。

半日研修(3時間):10万円〜25万円
1日研修(6時間):20万円〜45万円
複数回シリーズ(月1回×3〜4回):60万円〜120万円

体験型・ゲーミフィケーション型の研修や、アセスメントツールを組み合わせた研修は上記より高くなる傾向があります。1回の研修で意識変容を起こすのは難しいため、シリーズ型の設計を検討することをお勧めします。

オンライン・対面のハイブリッド活用

メンバーシップ研修において体験型のワーク(チームビルディングゲーム・グループ演習など)は対面のほうが効果的ですが、インプットの講義部分はオンラインで効率化できます。「基礎知識のインプットはオンライン、体験ワークは対面」というハイブリッド設計で、コストと効果のバランスを取りましょう。

新入社員研修への組み込みで早期戦力化を促進

メンバーシップ研修を新入社員研修のカリキュラムに組み込むことで、入社直後から「チームに貢献する意識」を育てることができます。「仕事のやり方(スキル)」と「働く意味(マインド)」の両方を入社初期に身につけることで、早期の戦力化と離職防止に効果があります。

メンバーシップ研修を成功させる組織側の準備

外部研修と並行して、組織側の準備も欠かせません。研修の効果を最大化するために、以下を事前に整えましょう。

「貢献が見える化される」評価制度の整備

メンバーシップを発揮しても、評価に反映されない環境では社員は「やっても無駄だ」と感じてしまいます。「チームへの貢献」「主体的な取り組み」を可視化・評価する制度を研修と並行して設けることで、メンバーシップを発揮するインセンティブが生まれます。

上司が「主体性を尊重する」マネジメントを実践する

部下がメンバーシップを発揮しようとしても、上司が「私の言った通りにやれ」というマイクロマネジメントスタイルでは、主体性は育ちません。研修に合わせて管理職向けの「主体性を引き出すマネジメント研修」を実施することが、メンバーシップ研修の効果を倍増させます。

失敗を受容する文化づくり

主体的に動くということは、失敗のリスクを自分で引き受けることでもあります。失敗した人を責める文化がある限り、社員は「安全な指示待ち」を選び続けます。「失敗から学ぶ」「挑戦を称える」文化を経営者・管理職が率先して作ることが、メンバーシップ研修の土台になります。

メンバーシップ研修のイメージ

私がおもちゃ開発の現場で最も大切にしてきたのは、チームの全員が「自分がこのプロジェクトを動かしている」という実感を持てるような関わり方でした。ベイブレードが「すげゴマ」→「バトルトップ」→「ベイブレード」というプロセスで誕生したのは、チームの誰もが「失敗から仮説を立てて試す」という当事者として関わっていたからこそです。一人ひとりが「自分の判断と行動がチームの結果を作っている」という感覚を持てていたチームは、本当に強かったです。メンバーシップ研修は、このような「全員が当事者であるチーム」を作るための投資です。

また、メンバーシップ研修において「承認する文化」を育てることも見逃せない観点です。「よく気づいてくれた」「そのアイデア面白いね」「助かった、ありがとう」という承認の言葉が日常的に飛び交うチームは、メンバーが主体的に動きやすくなります。研修内で「承認を伝えるワーク」を行うことで、帰社後すぐに「承認する習慣」が職場に広がります。チームワーク研修 主体性の向上において、承認文化の醸成は非常に重要な要素です。

まとめ

いかがでしたか。メンバーシップ研修の意義から手法、外部講師の選び方まで詳しく解説してきました。

メンバーシップ研修の目標は、社員一人ひとりが「やらされ感」から抜け出し、チームの成果に主体的に貢献する人材に育つことです。チームワーク研修で主体性を育てるためには、内発的動機づけを促す体験型ワークと、研修後の組織環境の整備が欠かせません。外部講師を選ぶ際は、ファシリテーション力・体験型ワークの設計力・定着支援の充実度を必ず確認してください。主体的なメンバーが集まるチームこそが、これからの時代に最も強い組織です。

研修を選ぶ際に最終的に判断軸となるのは「この研修を受けた後に、参加者の職場での行動が変わるか」という一点です。知識を増やすだけの研修ではなく、「この体験をしたから、明日からこう動こう」という決意が生まれる研修こそが、本物のメンバーシップ研修です。そのような研修を提供できる外部講師・会社との出会いが、あなたの組織を変えるきっかけになることを願っています。

メンバーシップの高い組織は、リーダーが一人で頑張る組織より圧倒的に強く、変化にも柔軟に対応できます。全員が当事者として主体的に動く組織文化の構築に向けて、チームワーク研修 主体性をテーマにした研修への投資を、ぜひ積極的に検討してみてください。

さらに、メンバーシップ研修において「目標の共有」は非常に重要なテーマです。チームの目標が全員に共有されていないまま「主体的に動け」と言っても、何に向かって動けばいいかわからないため、主体性は発揮されません。OKR(目標と主要な結果)MBO(目標管理制度)の考え方をメンバーシップ研修に組み込み、「チームの目標」と「自分の目標」のつながりを明確にするワークを行うことで、「なぜ自分が頑張るのか」という動機の軸ができます。この軸があるメンバーは、指示がなくても自分で考えて動けるようになります。

最後に一点。メンバーシップとは「組織のために自分を犠牲にする」ことではありません。「自分の強みと意欲を発揮することで、チームも自分も成長する」という状態こそが、本物のメンバーシップです。その状態を作り出す研修こそが、真に価値あるメンバーシップ研修です。

アイデア総研について

アイデア総研の研修風景
実際の研修・ワークショップの様子

アイデア総研では、メンバーシップ研修・チームワーク研修・主体性育成研修を全国でご提供しています。代表の大澤はベイブレード(世界累計5億個)・人生銀行・夢見工房の開発者として、チームの全員が主体的に動ける組織づくりを実践してきた経験を持ちます。大阪公立大学・千葉大学・筑波大学・法政大学での講義をはじめ、累計5,000人以上への研修実績があります。著書『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)も好評発売中。対面・オンライン・ハイブリッドに対応し、全国出張可能。1時間の講演から6時間のワークショップまで柔軟に対応いたします。メンバーシップ研修のご相談はお気軽にどうぞ。