企画書の記事

現状から課題を抽出するために覚えておきたい7つのポイント

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

企画書を作成するプロセスのなかで、企画書で解決すべき課題(Problem)の抽出は全体の方向性を決める重要なステップです。

課題の抽出は事前に収集した現状についての情報をもとに行いますが、多くの情報の中から適切な課題を導き出せるかどうかはプランナーの力量次第といえます。

ですが、現状の情報の中からその本質を見つけ出して、解決すべき課題を抽出するにはいくつかのコツが存在することをご存知でしょうか。

それらのコツ(ポイント)を知っておくことで、より効率的に課題の抽出を行うことが可能になります。

今回は現状から課題(Problem)を抽出するための7つのポイントについてご紹介したいと思います。

ぜひあなたの企画書作成の参考にしてみてください。

1. マクロとミクロを使い分ける

マクロとミクロの視点で情報を分析するイメージ同じ対象を観察する場合でも、顕微鏡で拡大してみる場合と遠方から俯瞰する場合では全く異なったものが見えてきます。

情報に関しても同様のことがいえます。

例えばある商品の今年度の売上げのデータがあったとしたら、そのデータだけに注目するのではなく過去数年のデータと比較をしてみましょう。

または5年後・10年後にどのような推移をたどるのかを予測してみましょう。

次に、月ごと、曜日、時間ごとのデータに注目してみましょう。地域や店舗ごとに細かく分類してみるのもよいでしょう。それぞれ異なった示唆が得られることと思います。

ニュースに関しても同様です。1つのニュースだけでは見えてこないことも、国内や海外の社会情勢とあわせてみることで大きな社会的変化が見えてくることも少なくありません。

またミクロの視点で現象のごく一部に焦点を当ててみるのもよいでしょう。顕微鏡や望遠鏡のレンズを入れ替えるように、拡大や縮小を行いさまざまな視点からものごとを眺める癖をつけましょう。

実践的なポイントとしては、以下のような観点でデータを見ることが有効です。

  • 時間軸の変化:過去・現在・未来のトレンドを並べて比較する
  • 地理的な分布:地域・国・グローバル規模での差異を確認する
  • 属性別の分解:年齢・性別・職業・購買行動などでセグメントする
  • 因果のレイヤー:表面の現象の背後にある構造的要因を掘り下げる

このようにマクロとミクロを行き来することで、単一の視点では見えてこなかった課題の本質が浮かび上がってきます。

2. 立場を変えて考えてみる

異なる立場からものごとを見るイメージ同じ現象であっても、見るものの立場を変えると全く違った景色が見えてきます。

“雨が降った”という現象は会社員にとっては鬱陶しいものですが、農家の方にとっては恵みの雨である場合もあるでしょう。

同じ企業の中であっても、事業部と営業部、経営者と従業員では異なったものの見かたをします。社内の大ヒット商品であっても、お客様相談室から見れば頭の痛いクレームの種であったりします。

立場を変えてものごとを見るためには、まず一度自分の立場を忘れてみましょう。営業の立場であったら、流通の立場であったら、お客様の立場であったらどのように見えるでしょうか。

“お客様目線”という言葉はよく使われますが、お客様の年齢や性別、家族構成や社会的立場によって、その目線は大きく変わってくるはずです。そもそも漠然と”お客様”という名前で顧客をひとくくりにしてしまってはいませんでしょうか。

本当の意味で立場を変えて考えるためには、相手のことをよく知らなくてはならないのです。そのためにも、ペルソナ設定やユーザーインタビューなどの手法を積極的に活用することをおすすめします。

具体的には次のようなステークホルダーの視点を意識するとよいでしょう。

  • エンドユーザー:実際に商品・サービスを使う人の不満・期待・習慣
  • 流通・販売担当者:売り場での課題、在庫・物流の問題
  • 競合他社:競合がどこを強みとし、どこに弱みを持つか
  • 社会・行政:法規制、補助金、社会的要請の変化

3. 感情に注目してみる

人の感情と行動の関係を表すイメージ情報から分析を行ううえで論理的な観点は不可欠ですが、それだけでは十分とはいえません。

人の行動には必ず感情的な動機が伴います。人のプラスの感情マイナスの感情の両方に注目してみましょう。

特に怒りや悲しみ、恐れといったマイナスの感情は、人の行動に大きな影響を与えます。ニュースやデータなどの情報を見るときには、なぜこの人(人々)はこのような行動をとったのか、その原動力となった感情を推測してみましょう。

それらは推測にすぎないかもしれませんが、感情の動きを考えることは情報の本質をつかむ上で欠かすことのできないトレーニングといえるでしょう。

感情に注目する際には、以下のフレームが参考になります。

  • 不満(Frustration):現状に対する怒りや苛立ち → 解決すべき課題の直接的なヒントになる
  • 不安(Anxiety):将来への恐れや懸念 → 予防型・保険型のソリューションが有効
  • 憧れ(Aspiration):理想の状態への強い欲求 → プレミアム訴求・自己実現に結びつく
  • 共感(Empathy):他者への思いやり → コミュニティ型、社会貢献型の企画に発展しやすい

データや数字だけでなく、生活者の声や口コミ、SNSの反応なども感情を読み取る重要な情報源です。

4. 図解してみる

図解・ビジュアライゼーションで課題を整理するイメージものごとの因果関係をとらえるには、言葉や文章だけで考えるよりも紙やホワイトボードを使って図解してみることが有効です。

図解をすることで抽象的な課題を目に見える形にわかりやすく落とし込むことができます。また、図解することでものごとをMECE(ミッシー:モレなく重複なく)に整理することが可能になります。これは論理的な思考を行ううえで非常に重要なポイントです。

また因果関係を図解する能力は、企画書の作成の際にも大いに役にたちます。企画書の要点をわかりやすく図で示すことで、聞き手にわかりやすく伝えることが可能になります。

図解化の能力は社内会議での要点の整理の際にも重宝されます。議論の要点をリアルタイムに図解するビジュアル・ファシリテーションのスキルがあると、会議の効率が飛躍的に高まります。

図解する際に活用したいフレームワークとしては、以下のものが挙げられます。

  • ロジックツリー:問題を原因・要素に分解して階層構造で整理する
  • フィッシュボーン(特性要因図):問題の原因を多角的に洗い出す
  • 2×2マトリクス:2軸で情報を分類し、優先度や関係性を可視化する
  • フロー図:プロセスや因果の流れを順序立てて示す

プランナーに必携のスキルとして、図解化の能力を鍛えていきましょう。

5. 制約を取り払ってみる

制約を外してゼロベースで考えるイメージ真っ白なキャンバスに絵を描くように、あらゆる制約を取り払ってものごとを捉えてみましょう。

世の中のあらゆるものには制約がかけられています。そのなかで、あなた自身の思考も知らず知らずのうちに制約をかけられてはいませんでしょうか。

ものごとの制約になっているものが何かを考えてみましょう。制約は法律やモラルであったり、予算や人員などのリソースである場合もあるでしょう。もしそれらを取り払ってみたら、情報にどのような変化が現れるかを考えてみましょう。

制約には取り払うことのできないものと、回避可能なものの2種類があります。まずは、それらの制約はあらゆる方法を用いて取り払うことのできないかを考えてみましょう。それにより、企画によって乗り越えるべき本当の課題が明らかになってくるのです。

制約の種類を整理すると、以下のように分けられます。

  • 絶対的制約:法律・倫理・物理的限界など、変更不可能なもの
  • 暫定的制約:現在の予算・人員・技術力など、将来変わる可能性があるもの
  • 思い込みの制約:“こうあるべき”という固定観念から来るもの(最も注意が必要)

思い込みの制約を外すことで、これまで見えていなかった本質的な課題が浮かび上がることが多くあります。「なぜそのやり方でなければならないのか」と問い続けることが重要です。

6. 直感にしたがってみる

直感と閃きのイメージ情報を分析するうえでは、時には直感に従ってみることも大切です。

“なんとなく気になる”の“なんとなく”の部分に大きな意味があることもあります。それらは必ずしも論理的に説明できるものとは限りませんが、後から振り返ると結果的に正しかったということもたびたびあります。

際立った成果をあげるリーダーにも、直感に従って行動して成功をつかんだというタイプが多く見られます。彼らにとっての直感はサイコロを転がすような偶然に頼ったものではなく、無意識の中で経験をもとに暗黙知(言葉で表すことのできない知識)として構築されたものなのです。

直感の最大のメリットはスピーディーであることです。時には直感にしたがい、課題の設定を行ってみましょう。

直感を磨くためには、日頃から次のような習慣を持つことが効果的です。

  • 多様なインプット:自分の専門外の分野の本・映画・芸術に触れる機会を増やす
  • 振り返りの習慣:「なぜあの判断は正しかったのか」を言語化して記録する
  • 静かな時間を持つ:情報過多の状態を一度リセットし、潜在意識に問いかける時間を作る
  • 小さな実験:直感に従ったことの結果を記録し、精度を確かめる

直感は訓練によって精度が上がります。論理と直感の両方を武器にすることで、より確度の高い課題抽出が可能になります。

7. 一言にまとめてみる

情報をラベル化してまとめるイメージ説明は長くなるほどその本質が何であるかが曖昧になってしまいます。要するにどういうことなのか、一言でまとめてみましょう。

これはKJ法で情報をラベル化する作業に似ています。情報を一言にラベル化することで、その本質が明確になり、整理や構造化を行うことが容易になります。

うまくラベル化できない場合には、内容の把握が十分でないことが原因であることがほとんどです。情報の中から重要でない部分を削り落とし、芯となる部分をあらわにしていきましょう。

ラベル化のスキルは経験の中で徐々に身に付きます。例えばインターネット上で情報を見つけたときに、そのページをブックマークしておくだけではラベル化の能力は向上しません。情報を見つけたら、メモ帳などに“要はどういうことか”を一言でまとめておきましょう。

そうすることで後から情報をソートしやすくなると同時に、要点をまとめる能力も身につきます。また、この能力を磨くことで簡潔な説明が求められるプレゼン能力の向上にもつながることでしょう。

一言でまとめる練習として、以下の方法が有効です。

  • ニュース要約:毎日1本のニュース記事を読んで15字以内でまとめる
  • 会議メモ:会議終了後に「今日の結論を一文で言うと?」を書き留める
  • 読書メモ:本を読み終えたら「この本を一言で言えば?」を記録する
  • アイデアメモ:アイデアを思いついたら、キャッチコピー形式でラベルをつける

まとめ

いかがでしたか。

現状についての情報を集めるところまではスムーズに進んだものの、課題の抽出のステップで悩んでいるプランナーの方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介した7つのポイントを改めて整理すると、次のとおりです。

  • 1. マクロとミクロを使い分ける:視点の拡大・縮小で異なる示唆を得る
  • 2. 立場を変えて考えてみる:ステークホルダーそれぞれの視点で見る
  • 3. 感情に注目してみる:行動の原動力となる感情を読み取る
  • 4. 図解してみる:因果関係を可視化してMECEに整理する
  • 5. 制約を取り払ってみる:思い込みを外して本質的な課題を見つける
  • 6. 直感にしたがってみる:経験に裏打ちされた暗黙知を活用する
  • 7. 一言にまとめてみる:ラベル化で情報の本質を明確にする

そんなときは、ここであげた7つのポイントを参考にしながら、実際に現状からの課題抽出を行ってみてください。

これらのポイントを身につけることができれば、周りの人と同じ情報を入手したときに、より示唆に富んだ発言や行動ができるようになることでしょう。

企画書作成における課題の設定について詳しく学びたい場合は“企画書で解決すべき「課題(Problem)」を設定しよう”をご覧ください。

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