研修担当者様へ

社員の企画力を上げる方法|経営者が今すぐできる組織改革

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

「うちの社員は言われたことしかやらない」「企画を考えさせてもアイデアが出てこない」「同じ社員なのに、なぜ企画力にこれだけ差が出るのか」——そんな悩みを抱える経営者・事業部長のみなさんに、今日はとことんお付き合いします。

私はおもちゃメーカーで20年以上、商品開発に携わってきました。ベイブレードや人生銀行といった商品の開発を経験した後、独立して現在は中小企業から大学まで幅広く「発想力と企画力の強化」をテーマに研修・講演を行っています。

その経験から断言します。社員の企画力は、生まれ持った才能ではなく、環境と仕組みで決まります。経営者が環境を変えれば、社員の企画力は確実に上がります。この記事では、今日から実践できる具体的な方法をお伝えします。

「社員の企画力が低い」のは社員のせいではない

最初に、少し耳の痛い話をさせてください。社員の企画力が低い原因のほとんどは、社員ではなく組織の環境にあります。この認識のズレを正さないと、どんな施策も機能しません。

企画力が発揮されない組織の共通パターン

企画力が発揮されない組織には、共通のパターンがあります。「アイデアを出したら批判された」「提案しても上に無視された」「変なことを言って笑われた」——こうした経験を一度でもすると、人は次から企画を出すことをやめます。これは社員の問題ではなく、組織の学習性無力感です。

逆に言えば、この無力感を取り除く環境さえ作れば、社員の中に眠っている企画力は自然と出てきます。社員の企画力を上げるための第一歩は、「何かが欠けている」のではなく「何かが邪魔している」という認識の転換です。

「指示待ち人間」を作り出しているのは管理スタイル

「うちの社員は指示待ちだ」とよくおっしゃる経営者がいます。しかし現場を観察すると、多くの場合、管理者が「先に正解を示す」「部下のアイデアを訂正してしまう」という行動をとっています。自分で考える前に答えが降ってくる環境では、考える習慣がつきません。

社員の企画力を上げるためには、経営者・管理者側の「指示の仕方」「フィードバックの仕方」を変えることが必要です。「どうすればいいですか?」と聞いてきた社員に「君はどう思う?」と問い返す。そのたった一言の習慣が、企画力を育てます。

「正解を求める教育」の影響と企画力の関係

日本の学校教育は「正解のある問い」を解くことを中心に設計されています。しかしビジネスの現場では正解のない問いばかりです。企画とはまさに「正解のない問い」への挑戦です。多くの社員が企画を苦手とするのは、こうした教育的背景も影響しています。社員の企画力を上げるためには「正解がないことへの耐性」を育てることも重要な要素です。

企画力を上げるための土台——心理的安全性の作り方

企画力を上げる取り組みの土台として、まず「心理的安全性」の高い環境を作ることが必要です。これはGoogle社の研究「プロジェクト・アリストテレス」でも、高パフォーマンスチームの最重要条件として挙げられた概念です。

「バカなアイデア」を歓迎するカルチャーを経営者が率先して作る

心理的安全性を高めるために最も効果的なのは、経営者・事業部長が率先して「バカなアイデア」を言うことです。トップが笑えるアイデアを堂々と言えば、社員も安心してアイデアを出せます。「社長がこれだけ的外れなことを言えるなら、私も言えるな」という空気が生まれます。

私が研修でよく使うのは「最悪のアイデア出し」というワークです。わざと最悪のアイデアを考えることで、笑いながらリラックスし、その後の本番のアイデア出しが活性化します。笑いのある場では企画力が上がります。ユーモアと企画力は切っても切れない関係にあります。

「失敗を許容する」文化の具体的な作り方

「失敗を恐れずチャレンジしよう」という掛け声だけでは文化は変わりません。具体的な仕組みが必要です。例えば「失敗報告会」を設けて、失敗から学んだことを共有する場にする。失敗した社員を責めるのではなく「何が学べたか?」を問う。経営者が自分の過去の失敗を積極的に話す——こうした具体的な行動の積み重ねが、失敗を許容する文化を作ります。

「1on1」で個別の企画力育成の機会を作る

チーム全体の環境づくりと並行して、個別の1on1でも企画力を育てることができます。1on1で「最近気になっていること」「こうしたらいいと思ったこと」を引き出す質問をする習慣をつけると、社員が日常的に企画脳を使う機会が増えます。月1回の1on1に「企画提案の時間」を5分だけ組み込むだけで、社員の企画力は変わっていきます。

社員の企画力を上げる研修・トレーニングの選び方

環境が整ったら、次は企画力そのものをスキルとして鍛えるトレーニングの出番です。研修・ワークショップを選ぶ際のポイントをお伝えします。

「知識を教える研修」より「体験させる研修」を選ぶ

企画力は頭で理解するだけでは身につきません。実際に「アイデアを出す」「企画書を書く」「プレゼンする」体験を通じてしか、スキルは定着しません。「発想法の理論を聞いて終わる」研修より、「ワークショップ形式で手を動かし、発表し、フィードバックをもらう」研修の方が企画力向上の効果は高いです。

社員の企画力を上げるための研修を選ぶ際は、「参加者が実際に手を動かす時間が全体の何割か」を確認することをお勧めします。アウトプットの量が、企画力向上の速度を決めます。

「継続的なトレーニング」が一時研修より効果的な理由

1回の研修で企画力は劇的には変わりません。スポーツのトレーニングと同じで、継続的に行うことで企画力は鍛えられます。単発の研修を入れた後、日常業務の中でのフォローアップ(企画書の共有・フィードバックの場・月次のアイデアワーク)を組み合わせることで、研修の効果が持続します。

おもちゃ開発の現場では、毎週のアイデア出しミーティングが若手社員の企画力を育てる最大の場でした。定期的に「考えて発表する場」を持つことが、企画力の筋肉を鍛える最善のトレーニングです。社員の企画力を上げる取り組みは、一度やって終わりではなく継続することが不可欠です。

「自社の文脈に合ったテーマ」で研修を設計する

「発想法」の研修でも、扱うテーマが自社の事業・商品・顧客と全くかけ離れていると、研修の学びが日常業務に転移しにくいです。社員の企画力を上げるためには、自社の実際の課題やプロジェクトをテーマにした研修を選ぶか、カスタマイズしてもらえる研修会社を選ぶことが重要です。「楽しかったけど使えなかった」研修にならないために、テーマ設計に経営者・事業部長が関与することをお勧めします。

日常業務の中で企画力を鍛える仕組みづくり

研修は「起爆剤」ですが、日常業務の中にも企画力を鍛える仕組みを組み込むことで、継続的な成長が生まれます。社員の企画力を上げることは、日常の積み重ねがすべてです。

「企画書1枚ルール」で考えを形にする習慣をつくる

何かアイデアが浮かんだとき、A4用紙1枚の企画書にまとめる習慣を社内に浸透させます。「タイトル・背景・提案内容・期待効果・必要なリソース」の5項目だけでいい。完璧を求めず、とにかく形にして提出できる環境を作ることが重要です。

1枚企画書のハードルを下げることで、「企画を提出すること」への抵抗感がなくなります。そして出てきた企画に対して経営者が必ずフィードバックを返すことで、社員の企画力を上げるサイクルが回り始めます。最初の数枚は粗削りでも、フィードバックを重ねることで確実に質が上がっていきます。

「他部署プロジェクトに企画で参加する」クロスチーム制度

営業担当が商品開発のアイデア出しに参加する、製造担当がマーケティング企画会議に加わる——こうしたクロスファンクションの場を意図的に作ることで、多角的な視点が育まれます。自分の専門外の文脈でアイデアを考えることは、企画力の柔軟性を高める最良のトレーニングです。

異なる専門知識の掛け合わせからイノベーションが生まれることは、研究でも繰り返し示されています。企画力を上げるためには、自分の専門外を知る機会を組織設計に意図的に組み込むことが重要です。縦割りを超えた場が、企画力向上の触媒になります。

「競合・他業界のリサーチを共有する」インプットの仕組み

企画力はインプットの量と質に左右されます。社内に「他業界の成功事例・失敗事例を共有する場」を作ることで、社員のインプット量が増えます。週次のニュースシェア会、競合調査の発表会、他業界訪問のレポート共有——いずれも低コストで実施できる仕組みです。インプットなきアウトプットは砂漠に種をまくようなものです。社員の企画力を上げるためには、良質なインプットの習慣を組織に組み込むことが欠かせません。

経営者が「今日からできる」企画力強化の具体的アクション

ここまでの内容をふまえて、今日から実践できるアクションを具体的にまとめます。「やろうと思ったがいつのまにか忘れた」にならないよう、明日の予定に組み込んでみてください。

今週中にできる3つのアクション

まず、次の会議で「みんなはどう思う?」と聞く前に、一人ひとりに紙にアイデアを書かせて発表させてみてください。声の大きい人の意見に全員が引っ張られる集団思考を防ぎ、多様なアイデアが出やすくなります。

次に、「最近気になっているビジネスのこと」を社員に1人ずつ1分で話してもらう場を作ります。これだけで社員の「ビジネスアンテナ」が立ち始めます。最後に、過去に誰かが提案して流れてしまったアイデアを取り出して「これ、今だったらどうだろう?」と再評価してみてください。埋もれた企画の中に宝が眠っていることがあります。

1ヶ月以内に仕組みとして組み込む3つのアクション

月1回の「アイデアデー」を設定し、通常業務を離れてアイデア出しに集中する日を作ります。アイデアを記録・共有するアイデアバンクのツール(Slack・Notion・物理ボードなど)を導入します。そして社内の誰かに「企画力強化担当」という役割を与え、仕組みを回す責任を持たせます。経営者がひとりで仕組みを維持しようとすると、忙しさに負けて続かなくなります。担当者を決めることが継続の鍵です。

3ヶ月以内に外部リソースを活用する判断をする

社内だけで企画力強化を進めることに限界を感じたら、外部の研修・ワークショップを活用する時期です。外部の専門家が入ることで、社内では言いにくいことが言える場が生まれ、刺激も加わります。「どんな研修があるのか」「うちに合うものはどれか」という段階から相談できる研修会社を選ぶことが、失敗しないポイントです。社員の企画力を上げる取り組みに、外部の専門知識を取り込むことは投資対効果の高い判断です。

アイデア総研について

社員の企画力を上げるためには、環境づくり・仕組みづくりと同時に、発想のフレームワークをチームの共通言語として持つことが必要です。「研修を入れてみたいが、何を選べばいいかわからない」「1回やってみたが続かなかった」という方こそ、アイデア総研の研修が力になれます。現場で使える発想法を、楽しく実践的に学べるプログラムを提供しています。

アイデア総研の研修風景
実際の研修・ワークショップの様子

代表の大澤は、世界累計5億個を突破したベイブレード、発売即ヒットとなった人生銀行、そして夢見工房など、数々のヒット商品の開発者です。「企画力とは何か」を、開発現場の具体的なエピソードとともに語れる講師は多くはありません。実際に何億もの人を楽しませた商品を作ってきた経験から伝えるアイデア発想法は、社員の企画力を上げるための最短ルートです。

これまでに5,000人以上への講義実績を持ち、大阪公立大学・千葉大学・筑波大学・法政大学など全国の大学でも講義を担当しています。著書『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)も好評発売中です。

研修・ワークショップは対面・オンライン・ハイブリッドに対応し、全国どこでも伺います。1時間の講演から6時間のワークショップまで柔軟に対応可能。社員研修・管理職向けセミナー・チームビルディングなど、目的に合わせてプログラムをカスタマイズします。「どんな内容が合うか」という段階からお気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしたか。

この記事では、社員の企画力を上げるための方法として、環境づくりから具体的なアクションまでをお伝えしました。

  • 企画力が出ない原因は社員ではなく組織の環境にある
  • 心理的安全性の高い環境を作ることが企画力向上の土台
  • 体験型・継続型の研修が知識型の一時研修より効果が高い
  • 日常業務に「企画書1枚ルール」「クロスチーム制度」「インプット共有」を組み込む
  • 今週・1ヶ月・3ヶ月の段階的なアクションで仕組みを整えていく

社員の企画力を上げることは、経営者の重要な仕事のひとつです。社員の能力を嘆くより、環境を変える行動を起こすことが、組織変革の第一歩になります。

「うちの組織でも企画力は上がるのか?」とお感じであれば、ぜひアイデア総研にご相談ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。