研修担当者様へ

社内研修の作り方と進め方|担当者が最初に知るべき基本

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

「初めて社内研修の担当になったけど、何から手をつければいいかわからない」「毎回なんとなく研修を実施しているけど、本当にこれでいいのか自信がない」——そんな悩みを抱えている研修担当者の方、実はとても多いんです。

社内研修は「なんとなく開催してなんとなく終わる」になりがちな業務の一つですが、正しい作り方と進め方を知っておくだけで、研修の効果は劇的に変わります。今回は、社内研修の作り方と進め方について、担当者が最初に知るべき基本を順を追って丁寧にご説明します。ぜひ最後まで読んでみてください。

社内研修を作る前に押さえておきたい基本の考え方

「やることが目的」になっていませんか?

社内研修の作り方・進め方を学ぶ前に、まず一つ確認したいことがあります。それは、「研修を実施することが目的になっていないか」という問いです。

「年に2回、研修をやることになっているから実施する」「新入社員研修は毎年4月にやるから、とりあえず形にする」——このような姿勢で作られた研修は、参加者にも「やらされている感」が伝わり、学習効果が上がりません。

社内研修の作り方・進め方の出発点は、常に「この研修で、参加者にどんな変化を起こしたいか?」というゴール設定です。ゴールが明確でないと、内容も評価もすべてが曖昧になります。

研修の3つのゴールタイプを知っておく

社内研修のゴールには、大きく分けて3つのタイプがあります。自社の研修がどのタイプなのかを最初に明確にしておくと、作り方・進め方が格段にスムーズになります。

①知識習得型:法令・制度・商品知識など、「知っていなければならない情報」を伝えることが目的の研修です。コンプライアンス研修・商品研修・業界動向研修などが該当します。

②スキル習得型:プレゼン・交渉・マネジメントなど、「できるようになること」が目的の研修です。ロールプレイや演習が中心となります。

③意識・姿勢変革型:企画力・主体性・チームワークなど、「考え方・行動スタイルを変えること」が目的の研修です。体験型・ワークショップ型の形式が効果的です。

一つの研修に複数のタイプを詰め込みすぎると、焦点がぼやけます。まずはメインのゴールタイプを一つに絞ることが、質の高い研修の作り方の基本です。

対象者のレベルとニーズを把握する

社内研修の作り方で見落とされがちなのが、参加者のレベルとニーズを事前に把握することです。

「新入社員向け」「中堅社員向け」「管理職向け」でまったく異なる内容が求められます。また同じ階層でも、「すでに基礎知識がある人」と「全くの初心者」が混在していることもあります。

研修前に簡単なアンケートや上長へのヒアリングを行い、「参加者が今どんな課題を感じているか」「研修に何を期待しているか」を把握しておくことで、研修の満足度と学習効果が大きく向上します。

社内研修の作り方:ステップごとに解説

ステップ1:目的・ゴール・対象者を決める

社内研修の作り方の第一歩は、「目的・ゴール・対象者」の3つをしっかりと文書化することです。頭の中で考えるだけでなく、紙やスライドに書き出すことで思考が整理され、関係者との認識合わせもしやすくなります。

書き出すべき内容は次のとおりです。

  • この研修を実施する背景・理由(なぜ今この研修が必要か)
  • 研修終了後に参加者が「できるようになること・知っていること・変わること」
  • 対象者(職種・年次・人数・スキルレベル)
  • 実施日・所要時間・場所・予算

これらを事前に整理してから次のステップに進むことで、内容設計のブレが防げます。

また、研修のゴールを設定したら、必ず上長や関係部署と共有しておきましょう。「こういう研修をやります」という一方通行の報告ではなく、「この研修で○○の課題を解決したいと考えています。認識は合っていますか?」という形で確認することで、研修後の評価も変わってきます。ゴールのすり合わせを丁寧に行うことは、研修担当者として最もコスパの良い努力の一つです。

ステップ2:カリキュラム(プログラム)を設計する

ゴールが決まったら、次は研修のカリキュラム(プログラム)を設計します。社内研修の作り方でよくある失敗が、「伝えたいことを全部詰め込む」ことです。

「引き算の発想」でプログラムを作ることが重要です。「何を伝えるか」より「何を削るか」を意識しましょう。情報が多すぎると参加者が処理しきれず、結果として何も残らないという事態になりがちです。

一般的な社内研修のカリキュラム設計における主なポイントは次のとおりです。

  • 全体の流れ:アイスブレイク→インプット(講義)→ワーク(演習)→振り返り
  • 講義とワークの比率:スキル習得・意識変革型は「講義3:ワーク7」が理想
  • 1コンテンツの時間:集中力の観点から、30〜45分を目安に区切りを入れる
  • 学びの山場:参加者の感情が動く「気づき体験」を意識的に設計する

ステップ3:教材・資料を準備する

カリキュラムが決まったら、講義資料・ワークシート・配布資料などの教材を準備します。

社内研修の作り方として、教材作成でよくある失敗が「スライドに文字を詰め込みすぎること」です。スライドは「見せるもの」であり「読ませるもの」ではありません。キーワードと図解を中心に、一枚のスライドで伝えることは一つに絞りましょう。

ワークシートは、参加者が「自分ごと化」して取り組めるような設計にすることが重要です。「あなたの職場では?」「自分がやってみるとしたら?」という問いかけを盛り込むことで、学びが抽象的な知識にとどまらず、具体的なアクションにつながりやすくなります。

教材を作ったら、必ず「研修内容をよく知らない人」に一度見てもらいましょう。「わかりにくい部分はどこか?」「この指示で動けそうか?」を確認することで、当日参加者が感じる疑問や混乱を事前に防ぐことができます。

ステップ4:外部講師を活用するかどうかを判断する

社内研修の作り方を考えるうえで、「社内で完結させるか」「外部講師を招くか」の判断は重要なポイントです。

社内で実施するメリットは、自社のコンテキストに合わせた内容にしやすいこと、コストが低いこと、継続的にプログラムを改善できることです。一方、「社内の人が教えること」への限界も存在します。参加者が講師を知っている場合、率直な意見が出にくくなることや、「この人が言うなら仕方ない」という誤った権威付けが生まれることもあります。特に、これまでの慣習や文化を変えたい場合には、社内の人だけでは「変化の推進力」が弱くなりがちです。

外部講師を活用するメリットは、専門性の高いコンテンツと、「社外の第三者が言うことで説得力が増す」効果です。特に「普段の上下関係を一度リセットして、フラットな立場で学んでほしい」という研修には、外部講師が効果的です。

予算・目的・時間などを総合的に判断したうえで、社内実施と外部活用を使い分けることが、社内研修の作り方における賢い選択です。

社内研修の進め方:当日のポイント

場の雰囲気を最初の15分でつくる

社内研修の進め方において、最初の15分間は研修全体の雰囲気を決める黄金の時間です。この時間をどう使うかで、参加者の積極性・集中力・満足度が大きく変わります。

冒頭で必ず取り入れたいのが「アイスブレイク」です。参加者同士の緊張をほぐし、「この場では自由に発言していい」という空気をつくります。「隣の人と今日のランチについて30秒話す」「今日この研修に期待することを一言で言う」など、簡単なものでOKです。

また、研修の冒頭で「今日のゴール・流れ・ルール」を明示することも重要です。「何を目的にこの時間を過ごすのか」が参加者に伝わると、集中力と参加意欲が高まります。「この研修に参加することで、○○ができるようになります」とゴールを明言するだけで、参加者の姿勢がガラリと変わることがあります。

ワーク中のファシリテーションのコツ

グループワークや演習を進める際の社内研修の進め方として、ファシリテーション(進行)のポイントをご紹介します。

まず、指示は「シンプルに・一度に」が鉄則です。「AをしながらBも考えて、CとDを比較して…」という複雑な指示は参加者の混乱を生みます。「まず5分で○○を考えてください」と一つずつ明確に伝えましょう。

次に、ワーク中は参加者の様子を観察し、「盛り上がっていないグループ」「手が止まっているグループ」に積極的に声をかけましょう。「どんなアイデアが出ていますか?」「例えばこんな視点はどうでしょう?」と問いかけるだけで、停滞が解消されることが多いです。

発表・共有の場面では、どんな意見にも必ず「ありがとうございます」「面白いですね」とポジティブなフィードバックを返しましょう。これだけで、後続の発言が増え、研修の質が高まります。

時間管理と臨機応変な対応

社内研修の進め方において、時間管理は担当者の大きな悩みの一つです。ワークが予定より盛り上がって時間オーバーしたり、逆に予定より早く終わってしまったりということはよくあります。

「削ってもよいコンテンツ」と「絶対に外せないコンテンツ」を事前に決めておくと、当日の時間調整がしやすくなります。また、時間が余った際に使える「予備コンテンツ」を一つ用意しておくと安心です。

研修中に「うまくいっていないな」と感じたときに大切なのは、焦らないことです。ワークがうまく進んでいないグループには「どのあたりで詰まっていますか?」と声をかけるだけで、多くの場合は解消できます。また、参加者の反応が薄い場面では、「少し難しい質問だったかもしれません。たとえばこんな視点はどうでしょう?」と例示を加えることで対話が動き出します。完璧な進行を目指すより、「参加者と一緒に考える」姿勢を大切にしましょう。

社内研修でよくある失敗と対処法

失敗①:参加者が受け身で発言が出ない

社内研修の進め方でよくある悩みが、「参加者が黙っていて発言が出ない」という状況です。これは参加者のやる気がないのではなく、多くの場合は「発言しにくい雰囲気」が原因です。

対処法は、まず発言のハードルを下げること。「正解を言わなければいけない」というプレッシャーをなくすために、「どんな意見でも歓迎する」というメッセージを繰り返し伝えましょう。「間違っていてもOK」「思いついたことを何でも言って」というファシリテーターの言葉が、沈黙を破るきっかけになります。

また、いきなり全体に向けて発言を求めるのではなく、「まず隣の人と30秒話してから共有しましょう」というペアワークを挟むと、発言への心理的障壁が大幅に下がります。

失敗②:研修内容が現場で活かされない

「研修直後の満足度は高かったのに、職場では何も変わらなかった」——これは社内研修の進め方における最も多い失敗のパターンです。

原因の多くは「研修終了で完結している」こと。研修当日に学んだことを職場で実践するためには、「研修後に何をするか」を研修の中で明確にしておく必要があります。

具体的には、研修終了前に「この研修で学んだことを、来週○曜日までに一つ試してみます」という宣言カードを書いてもらい、一定期間後に「どうだったか」を共有する場を設けます。小さなコミットメントが行動を促すという心理学的な知見を活用した、シンプルで効果的な仕掛けです。

失敗③:研修担当者が孤軍奮闘している

社内研修の作り方・進め方で「担当者が一人で全部抱え込んでいる」という状況も、よくある失敗の一つです。

研修は、担当者一人の力で完成するものではありません。内容設計は上長やベテラン社員、当日運営はサポートスタッフ、効果測定は各部署のマネージャーなど、関係者を巻き込みながらチームで作り上げるという発想が大切です。

また、他社の研修事例を積極的にリサーチしたり、外部の研修会社・講師に相談してみたりすることも、担当者としての成長につながります。一人で悩まず、使えるリソースを最大限に活用しましょう。

研修後の効果測定と次回への改善

アンケートの設計と活用法

社内研修の作り方・進め方として、研修終了直後に参加者アンケートを実施することは必須です。しかし、「満足度:5段階評価」だけでは改善に活かせる情報が得られません。

効果的なアンケートに盛り込むべき主な質問は次のとおりです。

  • この研修で最も印象に残ったことは何ですか?
  • 明日から職場で試してみようと思ったことはありますか?
  • 内容の理解しやすさはどうでしたか?(5段階)
  • この研修を同僚に勧めたいですか?(5段階)
  • 改善してほしい点・次回取り上げてほしいテーマはありますか?

アンケート結果は必ず次回の研修設計に活かしましょう。「参加者の声をきちんと反映した」という事実は、次回の研修への信頼感を高め、参加意欲を引き出します。毎回改善を重ねることで、研修担当者としての実力も確実に上がります。

行動変容を追跡する仕組みを作る

本当の意味での社内研修の効果測定は、研修直後の満足度ではなく、研修後1〜3ヶ月の行動変容で行われるべきです。

「研修で学んだことを実際に職場で試しているか」「上長は参加者の変化を感じているか」を追跡するフォローアップアンケートや、上長へのヒアリングを研修から1ヶ月後に実施することをおすすめします。

行動変容が起きていない場合は、研修内容・進め方・フォローアップの設計のどこかに課題がある可能性があります。データを継続的に収集し、社内研修の作り方・進め方を改善し続けることが、研修担当者として最も重要な仕事の一つです。

なお、研修効果の測定フレームワークとして「カークパトリックモデル」がよく知られています。レベル1(反応:研修当日の満足度)、レベル2(学習:知識・スキルの習得度)、レベル3(行動:職場での行動変容)、レベル4(結果:業務成果への貢献)という4段階で評価する考え方です。すべてのレベルを測定するのは難しいですが、少なくともレベル1と3を継続的に計測する習慣をつけることで、社内研修の作り方・進め方を科学的に改善していくことができます。

また、複数回にわたる研修データを蓄積していくと、「どんなテーマが高評価を得やすいか」「どんな参加者層に効きやすいか」というパターンが見えてきます。この知見は、将来の研修企画において非常に大きな財産になります。研修担当者として、「データを積み上げる人」になることを意識しましょう。

まとめ

いかがでしたか。今回は、社内研修の作り方と進め方について、担当者が最初に知るべき基本をご紹介しました。

要点を整理すると、次のとおりです。

  1. 研修のゴール・対象者・タイプを最初に明確にする
  2. 「引き算の発想」でカリキュラムをシンプルに設計する
  3. 最初の15分でポジティブな場の空気をつくる
  4. ファシリテーションは「シンプルな指示」と「肯定のリアクション」が基本
  5. アンケートと行動変容追跡で研修を継続改善する

社内研修の作り方・進め方は、一度覚えてしまえば繰り返し使えるスキルです。最初はうまくいかないことがあっても、アンケートの声を反映しながら少しずつ改善していけば、必ず参加者に喜ばれる研修ができるようになります。担当者として、ぜひ一歩ずつ前進してみてください。

「研修担当者はひとりで頑張らなければいけない」という思い込みを手放しましょう。社内のリソースを最大限活用しながら、時には外部の力も積極的に借りながら、参加者と会社の両方が成長できる研修を一緒に作っていく——そのプロセスこそが、研修担当者としての醍醐味です。最初の一歩は、今日の「目的の明文化」から始めてみてください。

アイデア総研について

アイデア総研の研修風景
実際の研修・ワークショップの様子

アイデア総研は、企画力・発想力を専門とした研修・ワークショップを提供している機関です。代表の大澤は、世界累計5億個を超える販売実績を誇るベイブレードをはじめ、大ヒット商品の人生銀行夢見工房の開発者として知られています。現場でのヒット商品開発経験を体系化した独自のメソッドで、参加者が楽しみながら確実にスキルを習得できる研修を設計しています。

これまでに5,000人以上のビジネスパーソン・学生への研修・講義を実施し、大阪公立大学・千葉大学・筑波大学・法政大学など全国の大学でも教壇に立ってきました。

著書『おもちゃ流企画術』(実業之日本社)は、遊び心のある企画の作り方を実践的に解説した書籍として好評をいただいています。

研修は対面・オンライン・ハイブリッド形式すべてに対応、全国どこでも実施可能です。1時間のショートセッションから6時間の本格ワークショップまで、御社の研修目的・人数・スケジュールに合わせて柔軟にカスタマイズします。「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。研修の作り方・進め方の設計段階から、一緒に考えさせてください。

「社内研修の作り方や進め方から一緒に考えてほしい」「企画力・発想力の研修を外部講師に依頼したい」という研修担当者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。