こんにちば、アイデア総研の大澤@idea_sokenです。
アイデア発想に関する書籍は世の中にたくさんありますが、その中でもっとも有名なものは、アメリカ合衆国の実業家であるジェームス・ウェブ・ヤングの著した古典的な名著『アイデアのつくり方』でしょう。
この本の初版は1940年に出版され、それから孝世紀近くの間世界中で売れ続けている発想法のバイブルともいえる書籍です。
とても薄く60分もあれば孝通り読めてしまいますが、どんなに分厚いアイデア発想の書籍よりも本質的なことが書かれており、クリエイティブな仕事にたずさわる(もしくはこころざす)すべての人が読むべき本といえます。
また、これだけ長い時間を経ても今なお通用するということは、いかに普遍的な内容が書かれているかの何よりの証明となるでしょう。
今回は起業家のベン・ウェインリック氏による海外記事『A 70 year old creativity technique that is still relevant today』より、ジェームス・W・ヤングに学ぶ『アイデアのつくり方』のテクニックについてご紹介したいと思います。
ジェームス・W・ヤングに学ぶ『アイデアのつくり方』のテクニック
最も知るべきことは、アイデアを求めることではなく、アイデアの生みだし方をどのように訓練するかである。
ジェームス・ウェブ・ヤング
1930年代後半あたりに、”宣伝での成功は物ではなくアイデアを売ることにある”と突然ひらめいたとあるマネージャーがジェームス・ウェブ・ヤングという名のクリエイティブな宣伝マンの家のドアを叩きました。
そのマネージャーには1つの悩みがありました。
その悩みとは、彼のチームがアイデアをどうやって作るか分かっていないということでした。
そこでクリエイティブな宣伝マンとして成功したジェームス・ヤングのもとへ行って、どうやってアイデアを得るのか聞きだそうとしたのです。
この出会いで、ヤングは「アイデアのつくり方」という小さな本をつくることになりました。
私は最近この本に出合って、70年以上も昔のアドバイスが今でも通用することに感銘を受けました。
まずはこの本を一読することをお勧めしますが、すぐに使えるカギとなる点をみなさんにいくつか共有したいと思います。
この価値のある発見をなぜ喜んでシェアするのかと尋ねられたら、つぎの2つのことを理由としてお話しします。
ひとつめは、その方式はとても単純で、ほとんどの人はそれを信じません。
ふたつめは、その中身はとても単純ですが、行うには厳しい知的な作業を必要とします。
よって、それを聞いた人全員が使えるわけではないからです。
ヤングのテクニックの核となる定義
ひとつめの定義
ヤングが主張するのは、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもないということです。
言いかえれば、アイデアは古いもののリミックスや結合です。
この気づきはいまだに人気があり、カービー・ファーガソンの有名なTEDトークでも引用されています。
ふたつめの定義
2番目の定義は、既存の要素の間で新しい結合を作る助けになるものは何かを考えるためのものです。
新しい結合を促進するのは、無関連に見えるものの間に関係性を見出すことです。
つながりを見つけることは、人によっては自然にできるし、訓練しないといけない人もいるとヤングは認識しています。
ある人の心にとっては、それぞれの事実は別の知識である。
他の人にとっては、知識の鎖にリンクが存在する。
そして、それらの訓練のために次の5つのテクニックが存在しています。
ヤングのクリエイティビティ・テクニックの5つのステップ
1.素材(資料)を集める
ある問題を解決しようとしたら、取り組もうとする課題の内容について全て知っておく必要があります。
ヤングが提案するのは、デザイン思考の定義によく似たようなものです。
オフィスから出て、クリエイティブな解決策を見つけに出かけます。
この段階では、私たちは好奇心を持った冒険家です。
多様な趣味や分野に興味関心を持つような、クリエイティビティのための原材料を集める必要があると彼は提案します。
ヤングはクリエイティブな人には2つの特徴があるといいます。
1つ目は、エジプトの埋葬習慣から現在アートまで、興味を持たない題材がないということです。
2つ目は、あらゆる分野で幅広い情報を検索をすることです。
多様な情報を検索することは、新しい方法で原材料を組み合わせるのに役に立ちます。
ヤングが提案したのは、冒険しながら良いアイデアを分類していくシステムを見つけることです。
現在では、名言や写真など興味深いものなど検索しながら、いろんなものを集めるためのツールが多くある幸運な時代です。
情報過多であると思うかもしれませんが、問題解決のために使うことのできる原材料はたくさんあればあるほど良いということです。
2.書きとめる
2番目は少々扱いにくい段階です。
集めた素材(資料)をさまざまな角度から眺めます。
クリエイティブな人は集めた材料の間の関係性を見ようとします。
クリエイティブな人がこの段階にいる際には、周囲からはぼんやりとしているように見えるかもしれません。
この段階では不完全なアイデアが出てきます。
どれだけ奇妙でも非実用的でも、とにかくメモをするようにヤングは主張します。
長い間こうしていると、心の中がごちゃごちゃになったような感覚にとらわれます。
どこにも明確な視察が存在しません。
ヤングはこの段階のクリエイティブな混乱は人が一生懸命取り組んだ証左であり、次の段階の準備ができていることだと述べています。
3.手放す
ここで一度休憩しましょう。
取り組んでいる挑戦について、あえて考えすぎないようにします。
学校で教えられたこととは反対に思えますが、心から問題を取り出すこの段階は、この前の2つの段階と同じぐらい重要です。
現在のクリエイティビティを促進する世の中でも、”手放す”ときが必要だと認識され続けています。
何か全く別のことをして、脳の中で新しいつながりをつくります。
シャーロック・ホームズが事件の途中で立ち止まって、ワトソンをコンサートに連れて行ったことを覚えていますか?
実践的でまじめなワトソンにとって、それは非常にイライラするものでした。
しかしコナン・ドイルはクリエイターで、”手放す”というクリエイティブの過程をよく知っていたのでした。
4.どこからともなくアイデアは現れる
この最初の3段階でしっかりとルールが守られれていれば、4つ目の段階を経験するであろうとヤングはいいます。
4つ目のクリエイティブなステップは、予想もしていない、まったく関連していない活動をしている時に現れます。
ルイ・パスツールがいいました。
「幸運は用意された心のみに宿る」と。
心を拘束から解き放ち、休息とリラクゼーションをする期間を得て アイデアが誕生するのです。
5.アイデアを送り出す
この段階で、自分のアイデアを世に出して、それが本当に良いものなのかを確認します。
ヤングはアイデアを出すと、最初に出てきた時ほど良くないとわかるだろうといいます。
ここでは、取り組んでいる課題の分野に適合するアイデアだと保証する専門家が必要です。
他の人とアイデアを共有して、識見を得るのは重要なことです。
ヤングは、自己拡張する資質を持った良いアイデアは、他の人がその上に建て増していくことができるだろうと述べています。
この段階で、アイデアを自分の胸にしまっておくという間違いをしないようにしましょう。
慎重な評価をする人にアイデアを送り出してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ヤングのテクニックはどれも単純なことではありますが、すべてのステップを正しく行うのは少々めんどうに感じることもあるでしょう。
だからこそこれらのステップを愚直に行うことで、あなたがアイデアパーソンとして一歩抜き出すためのきっかけとなることでしょう。
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