こんにちは、アイデア総研の大澤です。
アイデア総研ではさまざまなアイデアの発想法をご紹介しています。
これらの発想法を駆使してアイデアを考えたあとは、そのアイデアを企画としてまとめる必要があります。
ところで皆さんは、アイデアと企画の違いについて考えたことはありますでしょうか。
多くの会社においては、これら2つの用語が明確に使い分けられていないケースがみられます。
たとえば”アイデア会議”と”企画会議”が同じ意味で使われていたり、「アイデアを考えろ!」「企画を出せ!」という指示も同じような意図で出されます。
しかし実際には、”アイデア”と”企画”は大きく異なります。
今回はアイデアの企画の違いについて、詳しくご説明したいと思います。
”アイデア”と”企画”
アイデアと企画の違いについて考える前に、まずは辞書それぞれの意味を調べてみましょう。
三省堂の大辞林では、アイデアに関しては次のように述べられています。
アイディア【idea】
思いつき。着想。アイデア。「いい-が浮かんだ」
大辞林
一方の企画、は次のように説明されています。
企画
実現すべき物事の内容を考え,その実現に向けての計画を立てること。立案すること。また,その計画や案。
大辞林
一見すると似ているような言葉ですが、それぞれの定義ははっきりと異なるのがわかります。
大まかにいうと、”アイデア”とは着想そのものであり、企画は計画を立てることをさします。
これらについて、具体的な例で考えてみましょう。
アイデアと企画のスタート地点は?
まずはアイデアと企画のスタート地点について考えてみましょう。
たとえば、あなたが億万長者で、毎日面白おかしく遊んで暮らせる立場であったとします。
人生に何の悩みも無く、100%満ち足りた暮らしをしています。
そんな状況にあるとき、あなたの脳裏にアイデアは浮かぶでしょうか。
そもそも何の不満もない状況で、アイデアは必要でしょうか。
これは極端な例で、どんな人であれ日常に何らかの不満や悩みを抱えています。
- 最近疲れがたまっている
- 夕飯は何にしようか
- たいくつだな
- 一人でさみしいな
- 来月のクラス会に何を着ていこう
このような不満や悩みによって、何らかの課題が生まれます。
そこで初めて、課題を解決するためのアイデアが存在します。
- 疲れをとりに温泉にでも行こう
- 夕飯はカレーにしよう
- たいくつなので趣味でももとう
- さみしいので友達に電話しよう
- クラス会のために服を買いに行こう
これらは課題を解決するためのアイデアの例です。
課題が無いところにアイデアは存在しませんし、同時に企画も存在しません。
つまり、課題がアイデアと企画のスタート地点であるといえます。
アイデアから企画へ
たとえば”夕飯に何を食べよう”という課題に対して”夕飯はカレーにしよう”というアイデアを思いついたとします。
そのアイデアを思いついた瞬間に魔法のようにカレーが目の前に現れる・・・
などという都合のよいことはありませんよね。
実際に夕飯にカレーを食べるためには、そのアイデアを実行しなければなりません。
そのためには具体的な行動(アクション)が必要です。
- カレーを食べに行く?
- それとも作る?
- 食べに行くならどこに?予算は?
- 歩いていく?車?誰と行く?
- 作るのなら何カレーにしようか?
- ルーで作る?レトルト?それともカレー粉を使う?
- 冷蔵庫の材料を使う?
など、考えなければいけないことはいろいろありますね。
そしてそれらの問いに対して、具体的な行動を考えます。
- チキンカレーを作ろう
- 予算は500円以内にしよう
- 冷蔵庫のジャガイモとにんじんを使う
- スーパーで中からのルーと鶏肉を買ってくる
- 16:00に近所のスーパーに買いに行く
- 18:00に夕食を食べる
このようなアイデアを実行するため行動計画が企画です。
企画を実行することで、ようやく当初の目的を達成することができるのです。
アイデアと企画の違いって?
ここまでで、アイデアを行動計画に落とし込んだものが企画であるということがわかりました。
次に、アイデアと企画の違いはどこにあるのかについて考えてみましょう。
アイデアは”わがまま”でよい
アイデアとは課題を解決するための着想の段階をさします。
この段階では、具体的な実行計画は必要ありません。
ですので、たとえ実行不可能なものであっても問題はありません。
アイデアがよいか悪いか、できるかできないかは後回しにして、わがままにワイルドに、自由で大胆な発想をしていきましょう。
たとえば普通のサラリーマンにとっては、気分転換のために華客船で世界一周旅行に行く・・・というアイデアは、時間や予算の関係で実際不可能かもしれません。
ですが、それでも一向にかまいません。あなたの感じるまま、わくわくすることを考えてみましょう。
奇抜なものも、ありきたりなものも、すぐできるものも、できなそうなものも、等しくアイデアとしての価値があるのです。
そう考えると、アイデアを出すことに対する苦手意識やプレッシャーがある方も、少しは気分が軽くなるのではないでしょうか。
アイデアに価値は無い?
また一方で、アイデアの段階では1円の価値も無いという意見もあります。
Googleの創業者であるラリー・ペイジは、彼の母校であるミシガン大学の卒業式で行ったスピーチで次のように述べています
素晴らしいことを思いついたら、すぐに行動。アイデアには何も価値がない。実行することが大切。
今では当たり前に使われている検索エンジンも、はじめはばかげた思いつき=アイデアでしかありませんでした。
当時も”こんなものがあったら便利だな”と思った人はたくさんいたかもしれませんが、それを実行に移したのはラリー・ペイジと彼の仲間たちであり、その結果世界中の情報を支配する巨大企業Googleが生まれたのです。
1つのアイデアには世界を変える可能性が秘められています。
ですが、アイデアは企画として実行されてはじめて価値があるのです。
アイデアはたくさん必要
このようにアイデアは企画のもとになりますが、すべてのアイデアが企画に落とし込めるわけではありません。
実現不可能なものもあるでしょうし、課題を解決する方法として適切でないものもあるでしょう。
だからこそ、はじめの段階でできるだけ多くのアイデアを考えて、そのなかからベストの企画を選ぶことが重要になります。
良い企画を出すには、1つ2つではなく、何百、何千というアイデアが必要なのです。
企画の立案においては”量が質を生む”ということを肝に銘じておきましょう。
企画には実現可能性(フィージビリティ)が不可欠
アイデアは”面白ければ何でもアリ”ですが、企画には必ず実現性が必要になります。
つまり企画とは”実現性(フィージビリティ)のある実行計画”であるといえます。
そのため、企画を考えるうえで実現性の”裏”を取る必要があります。
予算は足りるか?スケジュールは?人材は?技術は?知的財産は?など、考えうる限りの実現性の裏をとりましょう。
そして、アイデアの内容と実行計画をあらわしたものが企画書になります。
このように考えると、企画は孝足とびでは生まれないことがわかります。
まずはじめに課題があり、アイデアを考え、実現性のある実行計画に落とし込めてはじめて企画になるのです。
企画には思いやりが必要
アイデアは”わがまま”で問題ありませんでしたが、企画はわがままなままではいけません。
そもそも企画で解決するべき”課題”を持っているのは誰なのかを考えてみましょう。
B to Cの企画であれば消費者・お客様です。
B to Bであれば法人ですが、その先には必ず人がいます。
もちろんビジネスではなくプライベートで企画を考える場合もありますし、あなた自身のための企画であることもあるでしょう。
重要なのは、課題の先には必ず誰かがいるということです。
企画は、その誰かの持つ課題を解決するためのものです。
ですので企画とは誰か役に立つものであり、その誰かのための”思いやり”をもったものである必要があります。
アイデアはわがままに、企画は思いやりをもって作ることが大事なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アイデアと企画の違いを意識することで、正しいステップで企画立案を行うことができるようになります。
まずはじめに課題を持つところからスタートし、わがままにアイデアを考え、そして思いやりをもって企画にまとめましょう。
そうすることで、最終的に課題を解決できる企画にたどり着くことができるようになります。
さまざまな発想法を駆使して得られた多くのアイデアを、一つでも多く企画としてアウトプットしていただければと思います。
source:tabi-labo.com
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