こんにちは、アイデア総研の大澤です。
突然ですが、みなさんはどのようなときにアイデアをひらめきやすいでしょうか。
お風呂に入っているとき、電車に乗っているとき、自転車をこいでいるときなど、人とそれぞれのアイデアが浮かびやすいシチュエーションがあると思います。
ペンタブレットで有名な株式会社ワコムは、日常生活のなかで浮かぶアイデアに関する実態調査をまとめたインフォグラフィック『2人に1人がアイデアを生みだすためにしていることは?ひらめきの瞬間』を公開しました。
今回はこのアンケートの結果をもとに、アイデアをひらめきやすいシチュエーションについて探っていきたいと思います。
アイデアをひらめきやすいシチュエーションは?
では早速ですが、最もアイデアをひらめきやすいシチュエーションとはどのようなものでしょうか。
アンケートの結果1位に輝いたのは、”眠る前 ベッドやふとんの中”でした。
睡眠前にアイデアが浮かびやすいということは、科学的にも証明されています。
神経学者のバリー・ゴードン博士の研究によると、そもそも私たちが意識して考えていることは脳内の思考の孝部であり、大部分の思考は潜在意識の中で行われているそうです。
つまり、私たちは潜在意識の中で自分自身でも気付かないうちにたくさんのアイデアを思いついているのです。
睡眠前には自我のフィルタを通さない潜在意識が表れるため、それらのアイデアが意識下に浮かんでくるということです。
続く2位は”歩いているとき”です。
昔から多くの学者や芸術家たちは散歩を習慣としていました。
京都の観光名所『哲学の小径(こみち)』は、京都大学の哲学者・西田幾多郎や田辺元が歩きながら思索した場所として知られています。
皆さんも体を動かしているときにアイデアが出やすいということに経験で気付いているのではないでしょうか。
ウォーキングやジョギングなどの運動で一定のリズムで体を動かすと、心のバランスを整える神経物質”セロトニン”が分泌されます。
セロトニンは脳内に放出されると気分や集中力を高めると考えられており、脳内のセロトニンが増えることで心が落ち着き、集中力が高まります。
また、有酸素運動を行うことでストレスのもとであるストレスホルモンを分解するともいわれており、これらの複合的な効果によってアイデアが出やすい状態になると考えられます。
第3位は”お風呂やシャワーの中”です。
入浴で体を温めることで血行が良くなり、脳の働きが活発になります。
また入浴によって得られるリラックス状態によって、楽しい気分でよいアイデアが生まれるという効果もあります。
これらアンケートの上位のものは、どれも科学的に正しいアイデアのひらめき方といえるでしょう。
アイデアが浮かびやすい時間帯とは?
では、最もアイデアが浮かびやすい時間は朝・昼・夜のどれでしょうか。
アンケートの結果では、なんと半数以上の人が”夜”と答えています。
これはアイデアのひらめきやすい入浴・睡眠の時間が夜であることが主な理由と考えられるでしょう。
”早起きは三文の得”や”朝活”といった言葉があるように、朝は仕事や勉強をするのに適した時間であるといわれますが、アンケートの結果では最下位となっています。
一般に、朝は交感神経、夜は副交感神経が優位であるといわれています。
交感神経と副交感神経の特徴から、朝は新しい情報を記憶するのに適しており、夜は集中力の必要な作業に適しているといえます。
このことから、学習をするのに適しているのは朝、アイデアを発想するのに適しているのは夜と考えられるでしょう。
アイデアが浮かばないときにすることは?
では、多くの人がアイデアが浮かばないときにすることは何でしょうか。
アンケートの結果をみると、20代と50代は”全く別のことをする”、30代は”思いついたことをたくさん書く”、40代は”寝る”がそれぞれ1位となっています。
アイデア発想法のバイブルであるジェームス・W・ヤング著の『アイデアのつくり方』によると、アイデアはつぎの5つの段階を経ることよって生み出されるといわれています。
- 第1段階:資料の収集
- 第2段階:資料の咀嚼(そしゃく)
- 第3段階:問題の放棄
- 第4段階:アイデアの誕生
- 第5段階:アイデアの適用
この第3段階:問題の放棄は、まさにいったん考えることをやめて”全く別のことをする”ことを指し、そうすることにより”アイデアの誕生”を迎えると述べられています。
ヤングの説に従うと”全く別のことをする”ことが、アイデアが浮かばないときにするべき正しい行動であるといえるようです。
手を動かすことでアイデアをひらめいたことはある?
次は、前問の30代で第1位となった”思いついたことをたくさん書く”のように、手を動かすことでアイデアを思いついたことがあるかという質問です。
結果は、過半数の人が”ある”と答えています。
哲学者のカントは「手は外部の脳である」と述べているように、脳と手には密接な関係があります。
認知症の予防で手の運動が取り入れられているのも、手の果たす役割は大きい事がわかっているためです。
手や指を動かすことで脳の血流が増え、脳内で情報を伝えるシナプスが発達することで脳が活性化します。
その効果によって、アイデアがひらめきやすい状態をつくることができます。
また、手を動かしてアイデアをスケッチしてみたり、マンダラートやマインドマップなどの紙を使った思考ツール使用することもアイデアのひらめきを助けます。
アイデアがひらめいたときの記録のしかたは?
では、アイデアがひらめいたときに多くの人はどのように記録しているのでしょうか。
スマートフォンがこれほど普及しているため”スマホへの記録”が1位と思いきや、圧倒的な1位を獲得したのは”ノートや身近な紙へのメモ”でした。
アイデアを構成する情報は必ずしもすべてが言語化されてはいませんので、自由に絵や図形が描ける紙のほうがアイデアを正しく記録できるといえるでしょう。
また、スピードの面でも手書きのほうが優れているという側面もあります。
アイデアが浮かぶのはほんの一瞬の出来事ですので、より早くアイデアを記録可能な紙が使われているのではないでしょうか。
一方で、もったいないことに”特に何もしない”という人も30%ほどいるようです。
アイデアを忘れて残念だった経験がある?
最後のアンケートは、アイデアを忘れてがっかりした経験の有無です。
結果としては、残念な経験をしたことがあるという方も60%以上もいるというものになりました。
アイデアのひらめきは一瞬ですので、何もしなければすぐに意識下から消えてしまいます。
そのようなことにならないように、アイデアを思いつきやすい睡眠前や散歩中、入浴中には必ずメモを取れるようにしておきましょう。
枕元にメモを置いておくのもよいでしょうし、散歩中や入浴中はスマートフォンに声で吹き込むのもよいでしょう。
くれぐれも、せっかくひらめいたアイデアを逃さないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
昔からアイデアを思いつきやすい場所として”馬上””枕上(ちんじょう)””厠上(しじょう)”の”三上(さんじょう)”が挙げられています。
馬上は乗り物に乗っているとき、枕上は寝る前や起きた後、厠上はトイレの中を指します。
今回のアンケートであげられた3つは、現代風の三上といったところでしょうか。
アイデアをひらめくパワースポットは個人ごとに異なります。
このアンケートの結果を参考にして、あなただけのアイデアのパワースポットを見つけてみてください。
source:bamboo.wacom.com
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