アイデアを多数決で決めるメリットとデメリットって?

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bykst / Pixabay

こんにちは、アイデア総研の創田です。

会社などの組織で物事を決議する際に、合意形成のために多数決を用いることがよくあります。

株主総会や取締役会の場に限らず、多数決は意思決定のあらゆる場面で活用されています。

最近では2016年6月23日に行われたイギリスの欧州連合(EU)離脱が大規模な多数決である国民投票で決められたのも記憶にあたらしいところです。

思えば小学校の学級会のころから、多数決は民主的で公平な方法として決議の際に用いられてきました。

では、多くのアイデアの中から案を絞り込む際にも、多数決は有効な手段といえるでしょうか。

今回は、アイデアの収束技法としての多数決のメリットとデメリットについて考えていきたいと思います。

多数決のメリットって?

maruまずはじめに、アイデアの絞込みにおける多数決のメリットについて考えてみましょう。

アイデアは発散と収束のステップを繰り返すことで徐々に練りこまれていきます。

代表的なアイデアの発散技法であるブレインストーミング(ブレスト)などで多くのアイデアが得られたあとは、収束のステップで絞込みを行う必要があります。

一般的に最も有名な収束技法はKJ法です。

KJ法は正しく運用すれば非常に有効なメソッドではありますが

  • 1セットを終えるまでに時間がかかる
  • 正しいやり方を熟知しないと良い結果が出にくい

という課題があり、多忙なビジネスシーンの中では使いにくいケースもあります。

創田
KJ法の正しいやり方については『これでもう失敗しない!KJ法の正しいやり方と注意点』をご覧ください。

アイデアの絞込みに十分な時間が取れない場合や、KJ法のやり方を熟知しているメンバーがいない場合によく用いられるのが多数決による合意形成です。

アイデアの決定においての多数決のメリットには以下のようなものが考えられます。

公平感・納得感を得られる

多数決のメリットは、参加者全員が公平な立場で意思決定に介在できるという公平性です。

自分の投票も意思決定に反映されているため、最終的に多数決で選ばれた結果に対して参加者の不満が出にくく、その後のプロジェクト進行がスムーズに進みやすいという点もメリットといえます。

大規模な多数決である選挙においても、全ての投票者が貧富や社会的立場の差に関わらず公平に一票しか投票できないという点で、ある程度の納得感が得られるのと同様でしょう。

結果の安定性が確保できる

もし決して間違いを起こすことない”完璧”な決裁者が存在すれば、その人に全ての判断をゆだねるのがベストでしょう。

ですが、どのようなカリスマ経営者であっても判断の間違いは必ず起こるものです。

決裁者が独断で案を決めてしまうよりも、多くの人間が真剣に検討した結果を反映できる多数決は、大きな判断ミスが起こりにくいというメリットがあります。

大きな間違いを未然に防ぐことで、より成功する可能性が高いアイデアを安定して選べる点も多数決のメリットといえるでしょう。

結果が出るまでのスピード感

ビジネスの場においては、さまざまな課題をすばやく解決していく必要があるため、スピード感は大きな武器になります。

もし話し合いで全ての決議をとろうと思っても、全会一致までどれほの時間がかかるか検討もつきません。

最終的にどのような結果が出るにしろ、一瞬で結果の出る多数決はビジネスの場に即したスピード感のある決議法といえるでしょう。

消費者に受け入れられる可能性が高い

アイデアを最終的に商品やサービスとして消費者に提供すると考えた場合、少しでも多くの人々の心をつかむ必要があります。

より多くの投票者に受け入れられたアイデアは、より多くの消費者に受け入れられる可能性が高いといえるでしょう。

多数決のデメリットって?

batuでは同様に、アイデアの絞込みにおける多数決のデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

一見するとメリットの多そうな多数決ですが、デメリットもたくさんあります。

では順に見ていきたいと思います。

革新的なアイデアが選ばれにくい

イノベーションは多数決からは生まれないという考えがあります。

そのため、多数決で選ばれたアイデアはあえて採用しない、という経営者もいるようです。

革新的なアイデアは一部からは強烈な支持を得るものの、多くの人からは反対されるケースがほとんどです。

そのため多数決では無難なアイデアは選ばれても、ダイヤの原石が捨てられてしまうケースが多くみられます。

責任の所在が不明確

多数決による決裁は大勢の意見を反映させている反面、その案を最終的に決めたのが誰なのか、という責任の所在が不明確になります。

アイデアの実行には誰かの強力な推進力がないとうまくいかないケースが多く、決裁の責任者が不明確なプロジェクトは方向性を見失いがちです。

またプロジェクトが失敗に終わった際にも、誰も責任を取らないという状況が起こってしまいます。

参加者の立場や知識の差

多数決を行う際には参加者全員が同じレベルでの見識や意識を持っていればよいのですが、必ずしもそうでないケースがほとんどです

実際にプロジェクトを動かす責任者と直接タッチしないメンバーが含まれていたとしたら、もしくは専門知識に著しい差があったとしたら、全員に同じ一票を与えるのは公平といえるでしょうか。

選択肢が多い場合の弊害

多数決を行う際に選択肢が3つ以上あった場合、最多得票数が過半数を切ることがあります。

その場合、採択された案の賛成者より反対者のほうが多いという状況が生まれてしまいます。

また採決の順番によっても結果が変わってくる場合もあり、多数決は必ずしも公平であるといえない場合もあるようです。

おすすめの多数決のやりかた

このようにメリットとデメリットの両面がある多数決ですが、やり方を工夫することでデメリットを減らした運用が可能です。

ここでは一例として、オススメの多数決を用いたアイデア決裁の進め方をご紹介します。

多数決をとる

まずはアイデアのざっくりとした絞込みのために多数決を行います。

アイデアをホワイトボードや模造紙に書き出した場合は、挙手による多数決を行います。

書かれたアイデアを順番に読み上げ、よいと思うものに挙手をしてもらい得票数を数えます。

得票数は『正』の字でわかりやすくアイデアの横に記入しておきましょう。

またアイデアを紙に書き出している場合は、紙を机の上に並べて、各自がよいと思うものにペンで☆のマークを書き込んでいくとよいでしょう。

どちらの場合も、よいと思ったものに好きなだけ投票させるようにしましょう。

投票が終わったら得票数を集計します。

その際、上位10%をめどにアイデアの絞込みを行います。

アイデアが50案あった場合は5案、100案あった場合は10程度のアイデアを選び、それらのアイデアに対して発案者に1分程度でピッチ(口頭での簡易プレゼン)をしてもらいましょう。

ワイルドなアイデアを生き残らせる

アイデアのピッチを行う際に、もう1つステップを追加します。

票数が少ないものでも、参加者がどうしても残したいと思うアイデアがある場合には、自由に挙手してもらいピッチに追加してもらいます。

挙手はあくまで自主的に行い、自選・他薦どちらでもOKとします。

これによって、一部のメンバーから強烈な支持を得るダイヤの原石を見落とすことを防ぎます。

全員のピッチが終了し、内容を再確認できたら次のステップに進みます。

コンセンサスを得る

ピッチが終了したら、最終的に残った案に対して検討を加えます。

ここから先は、それぞれの案に対して議論をし、投票を行わずに大方を同意を得ることで決議する『コンセンサス方式』をとります。

『コンセンサス方式』は国連安全保障理事会の決議でも用いられる方式で、少数派の意見をないがしろにしない点が特徴となっています。

その際、最重視する評価軸を最初に決めておくことが重要です。

必ず重要視するアイデアの評価軸が『革新性』なのか『実現性』なのかといった部分を明確にしてから議論を進めるようにしましょう。

このように、アイデアをある程度絞ったうえで十分に話し合いを行い、全員が納得できるようにする方法をとるのが良いでしょう。

まとめ

組織におけるものごとの”決め方”は非常に難しく、最善の方法について専門家でも意見の分かれるところです。

ましてやアイデアをという感覚的なものを絞り込むにはどうするのがベストかについては、非常に難しい問題といえます。

その中で多数決による決裁はきわめてシンプルでわかりやすく、便利な方法であることは間違いありません。

多数決のメリットとデメリットの両面を理解したうえで、あなたのチームにとって最善と思われる方法をとるようにこころがけましょう。

 

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