こんにちは、アイデア総研の大澤です。
みなさまは『なぜなぜ分析』をご存知でしょうか。
『なぜなぜ分析』とは、問題に対して「なぜ?」と5回問うことでその原因を考え対策を探る、トヨタ自動車の生産方式の手法の1つです。
『なぜなぜ5回法』や『5なぜの法則』ともよばれ、企業の研修やマーケティング関連の書籍にて紹介されることが多いので、一度はやったことがあるという方も多いのではないでしょうか。
主に問題の要因を特定するための手法として使われることの多い『なぜなぜ分析』ですが、実はアイデア発想の手法としても有用であることはあまり知られていません。
今回は『なぜなぜ分析』を使ったアイデア出しの方法を、実例をまじえてご紹介したいと思います。
なぜなぜ分析をやってみよう!
問題や課題に対して「なぜ?」と質問を繰り返し分析するなぜなぜ分析。
「なぜ?」と5回聞くのが基本ですが、あまり踏み込みすぎると問題から遠ざかってしまいがちです。
アイデア出しの手法に応用する場合には、「なぜ」の回数にはこだわらず、解決の糸口が見えてきたら止めるようにしましょう。
効率よく対策となるアイデアを導き出すコツは、問題(課題)について“現状”や“あるべき姿”をロジカルに整理しておくことです。
以下の4つの参考事例で実際になぜなぜ分析をやってみましょう。
ケース1:「花屋のお客さんを増やす」
お客さんを増やしたい花屋の店長がお客さんを増やすアイデアを考えます。
店長はお客さんを増やしたいと思っているので、「なぜうちの花屋は客が少ないのか?」を最初の問いにして理由を掘り下げます。
なぜ:1)なぜなぜうちの花屋は客が少ないのか?
→駅前に大きな花屋ができたらお客さんがあまり来なくなったから
なぜ:2)なぜ駅前の花屋にお客さんが流れたのか?
→駅前の大きな花屋の方が利用しやすいお客さんが多いから
なぜ:3)なぜこの店の近くのお客さまも駅前の花屋へいくのか?
→うちの店で扱っている商品が似ており、大きな花屋は種類も豊富だから
この問いで店長は“駅前の大きな花屋との差別化”が糸口だと感じたので作業を終了します。
駅前の大きな花屋との差別化するためのアイデアとして、
・扱う商品の品目を変える
・ウェディングのみの商品展開に特化してみる
・ネット注文のみを取り扱うようにする
・・・というアイデアを思いつきました。
ケース2:「YouTubeの視聴者を増やす」
次はYoutuberが視聴者を増やすためのアイデアを考えてみましょう。
なぜ:1)なぜ動画を見てくれないのか?
→週末の面白いできごとをアップしているので、ジャンルが定まっていないから
なぜ:2)なぜ面白い動画なのに視聴者が増えないのか?
→自分が面白いことでも、視聴者には面白くないかもしれないから
なぜ:3)なぜ視聴者は面白いと思わないのか?
→みんなに見て欲しいので、ターゲットが絞られていないから
なぜ:4)なぜターゲットを定めないのか?
→週末の副業でやっているので、撮れる内容が限られるから
この問いでは、“内容”と“ターゲット”が糸口のように感じたので作業を終了します。
動画の視聴者を増やすアイデアとして、
・ターゲットを自分の趣味と同じ人に絞る
・ターゲットを自分と同じ年齢・性別の人に絞る
・絞ったターゲットが好みそうな内容の動画を作る
・・・というアイデアを思いつきました。
ケース3:「婚活がうまくいく」
結婚したい女性が婚活を成功させるアイデアを考えます。
なぜ:1)なぜ結婚相手に出会えないのか?
→知らない人と話すのが苦手で婚活パーティーでは男の人とあまり話せないから
なぜ:2)なぜ、苦手なのに婚活パーティーへ行くのか
→参加する人が多いので気に入った相手に出会える可能性が高そうだから
なぜ:3)なぜ婚活パーティーだと気に入った相手に会えると思うのか
→結婚を目的に男性たちも集まる場所だから
この問いでは、“婚活パーティー”と“人見知り”が糸口のように感じたので作業を終了します。
婚活がうまくいくアイデアとして、
・婚活パーティーで話すネタを考えておく
・婚活パーティーに未婚の友だちを誘って一緒に行く
・友だちから未婚の男性を紹介してもらい友だちと一緒に会う
・・・というアイデアを思いつきました。
ケース4:「息子の食べ物の好き嫌いをなくす」
幼稚園でお弁当を残す子供のお母さんが息子の好き嫌いをなくすアイデアを考えます。
なぜ:1)なぜ好き嫌いでお弁当を残してしまうのか
→普段の食事も好き嫌いが多いためお弁当も残してしまう
なぜ:2)なぜお弁当を完食しないのか?
→大人が見ていないので、簡単に残せてしまう
なぜ:3)なぜ嫌いな食べ物だけ残してしまうのか?
→調理の方法を変えて食感をなくしても、においで分かってしまうから
なぜ:4)なぜ嫌いなのに食べさせたいのか?
→栄養のバランスを考えるとたくさん食べて欲しいから
この問いでは、“アプローチ方法”が糸口のように感じたので作業終了。
好き嫌いをなくすアイデアとして、
・お弁当の時間に親が付き添う
・食べ物を意識させないよう、キャラ弁にする
・子どもと育てた野菜でお弁当を作る
・・・というアイデアを思いつきました。
アイデアを具体化する場合のヒント
「なぜ?」と繰り返し問うことで、思いのほかたくさんのアイデアが浮かんできたかと思います。
アイデアを具体化する時は“現状”と“あるべき姿”をロジカルに整理することがポイントとなります。
その際に思い込みをなくすために5W3Hで論理的に”抜け漏れなく(MECEに)”整理するとよいでしょう。
情報を俯瞰することで、なぜなぜ分析から導き出したアイデアの中から問題解決に最適なアイデアを選べるようになるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、身近な4つの事例からなぜなぜ分析を紹介しました。
この手法は慣れるまでは難しいかもしれませんが、数回練習すると感覚がわかってきます。
まずは「ダイエットを成功させる」や「週に1冊本を読むには」などの例題を作って練習してみるとよいでしょう。
なぜなぜ分析は、発想力や思考力を鍛えるトレーニング法としても有効です。
ビジネスの場以外でも役に立ちますので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
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