こんにちは。アイデア総研の大澤です。
企画に携わる仕事をしていれば誰しも、一生懸命作成した渾身のプレゼンが不発に終わり、ガックリと肩を落とした経験が一度や二度はあると思います。
そんなときは、きっと「なんであの人はわかってくれないんだ?」と決裁者の判断力を疑いたくなることでしょう。
確かにプレゼンの良し悪しの評価は、誰もが公平な基準で点数化できるようなものではありません。
ですので、少なからず決裁者の個人的な”好み”や”性格”のフィルターがかかってしまうのは仕方がないことかもしれません。
本来プレゼンはコンテンツ(企画内容)が全てなので、中身が悪くて採択されなかったのであれば仕方がないところですが、それ以外の部分でドロップしてしまったとしたら非常にもったいないことですよね。
ですので、もしあなたがコンテンツに絶対の自信があるのであれば、少しでも決裁者の個人的な好みに合うように企画書をアレンジする努力も必要でしょう。
ここでは、ビジネスも活用されている”類人猿分類法”を用いて、決裁者のタイプ別のプレゼンのコツを紹介したいと思います。
類人猿分類法とは?
”類人猿分類法”は、朝の情報番組”とくダネ!”で紹介され、非常にシンプルでありながら整合性があるということで評判になった性格分類法です。
この分類法は精神科医の名越康文先生の監修のもと、Team GATHER Projectが作成したものです。
類人猿分類はその名前のとおり、実在の大型類人猿4種(オランウータン、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ)に人間のタイプを当てはめて分類を行います。
これら4つのタイプはそれぞれ性格、価値観、行動基準が異なっており、異なるタイプ間では相手の言動が理解できないケースが多々あります。
そういった違うタイプの相手をより理解するツールとして類人猿分類を使用することで、家庭や学校、会社などのコミュニケーションを円滑にすることができるようになるのです。
ビジネスでの活用事例
実際に、類人猿分類をビジネスに取り入れて成功している例もあります。
行列ができるスーパーとしてテレビ東京系”ガイアの夜明け”でも紹介された”鮮Do!エブリイ海田店(広島・海田町)”では、類人猿分類を店舗運営に導入することで、売り上げが2倍になりました。
エブリイ海田店では、各売り場におけるチームのリーダーを調和を重んじる”ゴリラ”、接客担当を世話好きの”ボノボ”など、それぞれのポジションに応じて適したタイプの社員を担当にすることで大きな成果をあげています。
エブリイホーミイホールディングスの岡崎社長によると、同じタイプでチームを組むよりもバラバラのタイプ同士で組んだほうが業務が効率的に回るそうです。
現在では採用の段階から類人猿分類を行い、新人研修や配属に生かしているということです。
では、それぞれのタイプについて具体的に見ていきたいと思います。
あなたはどのタイプ?類人猿タイプの診断
まずは、あなた自身がどの類人猿タイプか診断してみましょう。
診断の方法は非常に簡単です。
類人猿タイプは縦軸に”大切にしているもの”、横軸に”感情表現”をとった2×2のマトリックスで構成されています。
次の2つの質問に答えることで、簡単に自分のタイプを知ることができます。
あなたは自分の感情を
a:表に出さない/b:表に出すあなたが大切にしているものは
a:物事を追求したり、成果をあげること/b:安定・安心を維持すること
あなたはどのタイプでしたでしょうか。
では、それぞれのタイプ別の性格についてみていきたいと思います。
あなたの上司や決裁者はどのタイプか探ってみましょう。
オランウータン
オランウータンは、個人主義の職人タイプ。
「物事のしくみを把握したい」という欲求が強く、何事に対してもまずは物事を自分の頭で考えるのが大好きです。他人からの評価はほとんど意に介さず、自分が興味を持てれば仕事でも趣味でも、どんどん積極的に取り組みます。独自の切り口で、オリジナリティの高いものを生み出すことの多いタイプです。
職人気質のオランウータンはとことん物事にこだわるタイプです。
オランウータンタイプの上司は、こだわりが強く感情を表に出さないことが多いため、時に「何を考えているかわからない」ととられることが多いようです。
プレイングマネージャーとして、部下の管理をそっちのけで自分自身のやりたい仕事をどんどん進めることもあります。
チンパンジー
チンパンジーは外交的で社交的なリーダータイプ。
明るく活発なので、初対面の相手でも人見知りせず、どんどん仲良くなれます。仕事でもプライベートでも、ともかく物事を前に進め、結果を出していくのが得意です。仕事の手順や方法が多少荒っぽくても、これと決めたら実現する。そのスピード感と実行力で、周囲の尊敬を集めることが多いでしょう。
チンパンジータイプの上司は、チームをぐいぐい引っ張っていく社交的なリーダーです。
営業出身に多いタイプで、判断が早く実行力があるために部下からも人気が高く、いわゆる仕事ができるタイプとして見られます。
反面、感情を表に出すタイプですので、時に怒りっぽく攻撃的な面も持ち合わせています。
ボノボ
ボノボは感情表現豊かなほんわかタイプです。
笑ったり泣いたり怒ったり、感情表現が豊かです。相手が自分のことをどう思っているのか、嫌われていないか、自分の気持ちが伝わっているか。そういう、互いの感情をもっとも大切に考えています。
人と話をするのが好きで、一人で過ごすのは苦手。仲良しな相手となら、何時間でも話し続けることができます。飲み会などに呼ばれることも多く、場を和ますのが得意です。仕事でも、高いコミュニケーション能力をいかした営業や、大人数のチームで力を合わせるときには力を発揮します。
ボノボタイプの上司は、高いコミュニケーション能力を持ち、相手の気持ちを汲み取るのにたけています。
そのため部下からは信頼をあつめますが、仕事においては際立った成果を出すタイプではありません。
自らは表に立たず、後ろから部下を支えて力を発揮するタイプです。
ゴリラ
ゴリラは仲間思いで生真面目な規律タイプ。
朝起きてから寝るまで毎日変わらない日課を、穏やかで物静かにこなしていくという、安定的な生活を何よりも大切にします。何より集団の調和を乱すのが嫌いなので、自己主張はあまりしません。内気で臆病な側面もありますが、安定的で包容力があるため、グループではリーダー的ポジションを引き受けることもあります。ただ、変化を嫌うため、リーダーになったゴリラは部下から”頭が固い上司”と思われてしまいがちです。
ゴリラタイプの上司は、石橋をたたいてもなかなか渡らないような、堅実と安定を求めるタイプです。
慎重派で大きな失敗をしないため、部下としては頼りになる上司であるといえます。
反面ややスピード感にかけ、時には貴重なチャンスを逃してしまうこともあるでしょう。
このように、それぞれ上司としての性格が大きく異なるのがわかると思います。
では、各タイプ別のプレゼン攻略法はどのようなものかみていきましょう。
各タイプ別のプレゼンのコツ
上司や決裁者の性格や行動原理がわかっていれば、判断を後押しする方向で企画書をまとめることで、プレゼンの採択率をあげることが可能です。
さっそく各タイプ別にみていきましょう。
オランウータンタイプの決裁者
オランウータンタイプは自分自身がしっかりと納得してからでないとジャッジを行いませんので、珍しさや奇抜さを前面に押し出した企画案では説得することができません。
決裁者が納得するようにロジックを組み立て、それを証明するためのデータをしっかり集める必要があります。
また、プレゼン後に決裁を急かすようなことも厳禁です。
決裁者が腹落ちするまで時間をかけて、疑問点に粘り強く回答するようにしましょう。
チンパンジータイプの決裁者
チンパンジータイプは、企画の欠点やリスクよりもどのくらいの利益が出るか、どのくらい優先度の高い案件かという部分を判断基準とする傾向があります。
ですので、多少欠点があったとしても大きな可能性やビジョンを熱く語ることで、良い評価を得ることが可能です。
また企画のユニークさ、独創性を重視しますので、どこかで聞いたような企画よりも”業界初の試み”といったフレーズを交えたプレゼンが効果的でしょう。
くどい説明はマイナスになりますので、プレゼンはできるだけ簡潔に、要点のみにフォーカスして行うようにしましょう。
ボノボタイプの決裁者
ボノボタイプは、相手が自分の意をきちんと汲んでいるかどうかを重視します。
過去に本人が語っていた言葉を引用して、”以前○○さんが~とおっしゃっていましたので”というフレーズを用いることで、好印象を与えることが可能です。
普段からしっかりとコメントをメモしておくと良いでしょう。
また、ボノボタイプには根回しが非常に効果的です。
食事の場などでさりげなく”こういうことを考えています”という話を耳に入れておくことで、プレゼンを好意的に見てもらうことができるでしょう。
ゴリラタイプの決裁者
ゴリラタイプは、企画の現実性を判断の基準とします。
失敗した場合のリスクがどうなるか、もし採択した場合の実行プランはどの程度まで練られているかなど、先の先までしっかりと考えられているかどうかが重要です。
プレゼン後に”こういうケースではどうするのか”など細かく質問をしてくる可能性がありますので、想定問答をしっかりとシミュレートしておきましょう。
あまり独創的過ぎる企画はリスキーととられがちなので、ユニークさをアピールするよりも実現性の部分にスポットをあててプレゼンするとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
もしかしたらあなたは、こういった相手の顔色を見るようなやり方を姑息と思うかもしれません。
ですが、企画が採択された後は決裁者はあなたの味方になってくれるわけですから、できる限り納得した上で決裁してもらうことがあなた自身のためにもなります。
特に社内プレゼンでは同じ内容を課長→部長→役員→経営層といった具合で何度も行うケースもありますが、手間を惜しまずにそのつど適切な形に企画書を修正するようにしましょう。
source:everyhomey.com
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