こんにちは、アイデア総研の大澤です。
ビジネスの場では多くのカタカナ言葉が飛び交います。
それらの中には、日本語で言ったほうが早いのに・・・というものも多くあるようです。
皆さんもアジェンダやイシュー、サスティナビリティやエビデンス、コミットメントなど、わざわざ英語にする必要があるの?首を傾げたくなるカタカナ言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
こういう意味がわかりにくいビジネスを多用する人々は、一般的に”意識高い系”と呼ばれているようです。
そんな意識高い系の上司が部下に対して口にしがちなフレーズのひとつに”ジャストアイデア”があります。
今回はそんな”意識高い系カタカナ言葉”のひとつであるジャストアイデアについて考えてみたいと思います。
ジャストアイデアとは何か
ジャストアイデアとは、平たく言うと”思いつき”のことです。
英語だと“just an idea”となります。
「ちょっと思いついたんですが」とは言いにくい場面でも、「ジャストアイデアなんですが・・・」と言うことでもっともらしいことをいっているような雰囲気を演出することができます。
やる気がないことを「モチベーションがあがらない」と言い換えてそれっぽく見せるのと似ていますね。
このジャストアイデアが、しばしば仕事の現場に混乱を招く原因になっているようです。
あなたも上司やクライアントのジャストアイデアに振り回されたこと、ありませんか?
”意識高い系”とは
ジャストアイデアは意識高い系の御用達ワードとして認識されています。
では、”意識高い系”とはどんな人々なのでしょうか。
意識高い系とは、自分を過剰に演出(いわゆる「大言壮語」)するが中身が伴っていない若手、前向き過ぎて空回りしている若者、インターネットにおいて自分の経歴・人脈を演出し自己アピールを絶やさない人などを意味する俗称である。(中略)「意識高い系」の特徴として、自己啓発(ボランティア・政治)活動や人脈のアピール、バズワードなど敢えて流行のカタカナ語を使うなどが挙げられる。
引用元:Wikipedia
このように、あまり良い意味では使われないケースが多いようです。
意識高い系が使いがちなワードを多用すると、特に若者世代からは陰で笑われる可能性があることを肝に銘じておきましょう。
ジャストアイデアとフラッシュアイデアとの違い
”ジャストアイデア”と類似した言葉に”フラッシュアイデア”があります。
こちらは「頭にフラッシュ(閃光)のようにひらめいた案」という意味で、ただ単に「フラッシュ」とだけいう場合もあります。
使い方としては「今ちょっと思いついたんだけど・・・」と言うかわりに、「フラッシュなんだけどさぁ・・・」と言うことで、あたかももっともらしいことを言っているような雰囲気を演出します。
実質的にはジャストアイデアとはほぼ同じ意味と考えてよさそうです。
ジャストアイデアの主な使われ方
ジャストアイデアは、アイデアを言う前後に付け足すことで発言の”保険”として使われることが多いようです。
アイデアを発言する前に「ジャストアイデアなんだけど・・・」と言っておく、またはアイデアの発言後に「まあ、ジャストアイデアなんだけどね」と付け足すというのが主な使われ方になります。
アイデアを発言したいけれど、その案が面白くなかったりウケなかったりするかもしれない・・・そんなときのための照れ隠しや、発言のハードルを下げたいという意図が見え隠れします。
そんなジャストアイデアですが、しばしば現場に混乱を招く原因となるために、敬遠される傾向にあるようです。
ではなぜジャストアイデアはビジネスの場で嫌われるのでしょうか。
ジャストアイデアが現場に混乱を招く
そもそもアイデアを出すこと自体は決して悪いことではありません。
問題があるのは、アイデアを発言する時と場合です。
では、どういう場合に問題が生じるかについてご説明したいと思います。
アイデアの出し方の2つのプロセス
アイデアの出し方は、大きく”発散”と”収束”の2つのプロセスに分かれます。
アイデアを発想するうえで、発散を収束のプロセスの違いを理解し、それぞれを分けて考えることが重要です。
発散のプロセスではアイデアを広げ、収束のプロセスで絞り込んでいきます。
そしてこれら2つのプロセスを交互に行うことで、アイデアの精度を上げつつ徐々に形としてまとめていきます。
これがグループでアイデアをまとめながらプロジェクトを進めるための基本的な流れになります。
思いつきを言ってはダメなケース
ですが、これらの2つのプロセスの違いを理解せずにアイデアを出してしまうと、アイデアを発言すること自体がマイナスになってしまう場合もあります。
ブレインストーミング(ブレスト)の場のような数多くのアイデアを出すための発散のプロセスでは、思いつきのアイデアは歓迎されます。
ですがブレストは思い付きを言い合う場なので、わざわざ「ジャストアイデアなのですが」と付け足す必要はありません。
つまり、ジャストアイデアが主に使われる場は収束のプロセスなのです。
アイデアの収束のプロセスは、すでに多くのアイデアが出された後にその内容を吟味し、メンバー間の合意形成を経たうえでプロジェクトが進行している状況です。
その段階で思いつきのアイデアを出してしまっては、現場にいたずらに混乱を招いてしまいます。
さらに最悪なケースとしては、そのジャストアイデアがクライアントや上司などの逆らいにくい人の口から出てしまう場合です。
その場合はたとえアイデアが取るに足らないものであっても無碍にするわけにはいきませんので、検討のテーブルに載せざるをえません。
その結果として、せっかくの発散-収束で得られた”厳選された虎の子のアイデア”や合意形成が台無しになってしまう恐れがあります。
それにより現場に混乱がおき、スケジュールに支障をきたしたりプロジェクトそのものが暗礁に乗り上げてしまうこともおこります。
これがジャストアイデアが嫌われる主な理由です。
困ったジャストアイデアへの対策
あなたがプロジェクトのメンバーであるならば、アイデアの発想プロセスの中で、今はどの段階にあるのかをきちんと把握しておく必要があります。
そこを把握さえしていれば、タイミングの悪いアイデアによって現場を混乱させることはないでしょう。
またあなたがプロジェクトのリーダーであるなら、メンバーに今はどのプロセスにいるのかをきちんと明示しておく必要があるでしょう。
そしてあなたがクライアントや上役であるのであれば、不用意なジャストアイデアで現場を困らせることが無いように十分注意をしましょう。
まとめ
ジャストアイデアやフラッシュアイデアは問題解決の糸口になったりプロジェクトをよい方向に進める可能性もあります。
ですが、本来尊重すべきアイデアも時と場合を考えないと、とたんに害悪なものに変貌してしまいます。
みなさんもアイデアマンを自認する上司の「これってジャストアイデアなんだけど」の言葉には十分注意し、うまくかわすためのすべを身に着けておきましょう。
また自身がアイデアを発言するときには時と場合をしっかりと考え、今それを発言するべきかどうかを立ち止まって考えてみましょう。
そして何よりも重要なのは、あなた自身が本当に面白いアイデアだと思ったら、”ジャストアイデア”ではなく「僕にいいアイデアがあるんだけど」と堂々と宣言するようにしましょう。
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