ちょっと待って!企画書作成の前に確認すべき12の項目

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こんにちは、アイデア総研の大澤です。

もしあなたがあなたの上司に企画書の作成を依頼されたら、きっと張り切ってブレストに取りかかったり情報収集を開始することと思います。

ですが、その前にいったん落ち着いて、”企画の目的”を確認してみましょう。

あなたの考えた企画案がどんなに独創的ですばらしいものであっても、そもそもの目的にあっていなければ良い企画とはいえません。

たとえばあなたがゲームアプリの企画書を作成する場合、もともと開発予算が3,000万円しかない状況で開発に1億円かかる企画案を提案しても、たとえそれがどんなに魅力的で面白そうなプランであっても、実行不可能な無駄な提案となってしまいます。

そのようなことが起こらないように、あらかじめ企画の目的をしっかり確認しておく必要があるのです。

今回は、企画書を作成する前に確認すべき12の項目について、詳しく説明したいと思います。

そもそも”企画書”って何?

たとえばあなたが、気になる女性をデートに誘ったとしましょう。

デートの誘いに運よくOKをもらって浮かれるのもつかの間、頭を悩ます問題が発生します。

そう、デートプランをどうするかという問題です。

雑誌やネットを見ればデートプランの例はいくらでも見つかりますが、全ての女性が満足するプランは存在しないでしょう。

ランチひとつとっても相手の好き嫌い、味を重視するのか雰囲気を重視するのか、流行の店がよいのか女性だけでは入りにくい庶民的な店がよいのか、選択肢は無限にあります。

そのなかでどれが正解か、考えていてもらちがあきません。

答えを知る方法はただひとつ、相手のニーズを探ることだけです。

相手に直接聞くなり彼女の友達や同僚に聞くなり、彼女の好み、趣味、最近気になっていることやものをリサーチした上で”はずさないプラン”を考える必要があります。

企画書も全く同様です。

目的をしっかり確認しないまま企画書を作成するということは、相手の好みも把握しないままデートプランを考えるのと同じことなのです。

そもそも企画とは何か?

ここであらためて”企画”とは何なのか考えてみましょう。

辞典にはつぎのように書かれています。

実現すべき物事の内容を考え,その実現に向けての計画を立てること。

三省堂 大辞林

言い換えると、何らかの課題を解決するための計画が企画であるといえます。

つまり企画には、最終的に企画案で解決すべき目的が必ず存在します。

結婚式の二次会の企画を考えるときには、新郎新婦がゲストに対して感謝の気持ちを表しつつ、ゲスト同士で交流を深めるという目的が考えられます。

クラスの文化祭の出し物の企画であれば、学年で一番盛り上げたい、クラス全員に活躍の場を与えつつ団結を深めたい、高校生活最後の想い出を作りたいなどの目的があるでしょう。

先ほどのデートプランの企画であれば、とりあえず彼女を楽しませつつ自分のよさをアピールし、何とか次のデートの約束を取り付けたい、あわよくば告白したい・・・などの目的があると思います。

どのような企画であれ、必ず”目的”があり、それを達成するためにどのような手段を用いるかを”計画”するのが企画の本質です。

つまり実行計画である企画を考える前に、まずは目的の確認をしっかり行わなくてはならないのです。

事前に確認しおくべき内容

企画で解決すべき目的の確認はきわめて重要です。

ですが、実務においては事前に目的がきっちり提示されないケースがほとんどです。

上司や取引先から
「○○くん、ちょっといい企画考えといて!」

くらいの振られ方をすることもしばしばです。

これは極端な例としても、
「いつまでにどういう体裁でこういう条件の企画をあげてほしい」などと、詳細にわたって依頼されることは極めてまれです。

ではどうすればよいかというと、あなた自身で確認をとるほかはありません。

まずは次のチェックリストに沿って12箇所の空欄を埋めていき、その中でわからない部分があれば早急に確認をとりましょう。

社内の慣例で決まっている部分も多いと思いますので、まずは同僚や先輩に確認をとり、それでもわからない部分は上司に確認をとりましょう。

この作業を怠ると、その後の作業が丸ごと無駄になる可能性があります。

面倒くさがらずに、慣れないうちは確実に行うようにしましょう。

目的のチェックリスト

チェックリストには、もっとも基本的なチェック項目である5W1Hを使用します。

ただし注意すべき点は”プレゼンテーションの目的””企画提案の目的”をそれぞれ確認しないといけないという部分です。

5W1Hの6項目を2列分、合計12の項目に関してチェックを行いましょう。

リストの構成は以下のとおりです。

5W1H 項目 プレゼンテーション 企画案
Why なぜ ①プレゼンの目的 ⑦企画提案の目的
Who だれに ②プレゼンの相手 ⑧ターゲットユーザーの設定
When いつ ③プレゼンの時期 ⑨プロジェクトのスケジュール
Where どこで ④プレゼンの場所 ⑩プロジェクトの実施場所
What なにを ⑤企画の提出形態 ⑪企画の内容(方向性)
How どのように ⑥プレゼンの方法 ⑫プロジェクトの予算

では、各項目を順番に見てみましょう。

①Why×プレゼン プレゼンの目的

企画書作成の目的の確認です。

要求されている企画案がどのレベルのものかを確認しましょう。

企画をたたき案(ラフプラン)として大勢に頼んでいる場合と、会社の代表として取引先に提案するプランを作る場合では、企画書の体裁や業務の優先順位が異なります。

もちろん目的がバックアッププランの作成であっても、決して手は抜かず最善を尽くしましょう。

②Who×プレゼン プレゼンの相手

誰に対してプレゼンするのかを確認しましょう。

企画書の作成を指示した相手がそのまま提案相手の場合もありますが、あなたに作成依頼した上司は社外の取引先に提案するつもりかもしれません。

同じ社内プレゼン用の資料であっても、直属の部長に見せるのか営業部門に見せるのかでは必要な情報が異なります。

企画案の最終的な”決裁者”が誰であるかは、作成すべき企画書の内容に大きく影響します。

必ず事前に確認を行うようにしましょう。

③When×プレゼン プレゼンの時期

事前に確実に確認しておくべき事項です。

たとえば”なるべく早く”といわれた場合でも、人によって3日をさしていたり1ヶ月をさしていたりする場合があります。

その場合、あなたは早く提出したつもりであっても”遅い!”とマイナスの評価をされてしまう可能性もあります。

またプレゼンの日程があらかじめ決まっている場合もありますので、しっかりと逆算スケジュールを組んで行動計画をたてましょう。

④Where×プレゼン プレゼンの場所

プレゼンを大きな会議室で大勢の前で行うのか、決裁者とフェイストゥフェイスで行うのか、そもそも企画書提出のみでプレゼンは行わないのかなど、プレゼンの場を事前に確認しておきましょう。

提案の内容(コンテンツ)が同じであっても、必要な資料の形態が大きく異なります。

また、場合によってはプロジェクターなどの機材の確認も必要になりますので、十分に注意が必要です。

⑤What×プレゼン 企画の提出形態

企画の提出形態の確認です。

提出方法はPowerPointのデータなのか、プリントアウトなのか、規定のフォーマットはあるのか、プロトタイプは必要なのかなど、基本的な部分を確認しましょう。

⑥How(How much)×プレゼン プレゼンの方法(と予算)

④にも含まれますが、プレゼンの具体的な形式と、場合によっては企画書作成の予算(イラストレーションやプロトタイプの作成など)を確認しましょう。

⑦Why×企画案 企画提案の目的

提案する企画案の目的の確認です。

企画とは”何らかの目的を達成する手段”ですので、企画案の提出を頼まれた時点でこの部分は明らかになっているはずです。

場合によってはあなたが”わかっているだろう”と思って詳細の説明を省いている場合もありますので、その場で「今回の企画の目的は~ということでよろしいですね?」と確認をとるようにするとよいでしょう。

⑧Who×企画案 ターゲットユーザーの設定

提案すべき企画のターゲットを確認しましょう。

たとえば企画の目的が”新しい歯ブラシの提案”であったとしても、ターゲットが男性か女性か、ファミリーかシングルか、住んでいる場所や世帯収入によっても内容が変わってくるでしょう。

場合によっては”この新商品をどうやってプロモーションするか”など、ターゲットユーザーをどこにするか自体が提案するべき内容である場合もあります。

事前に決められているのか、それとも自由に設定してよいのかの確認も、あわせて行っておきましょう。

⑨When×企画案 プロジェクトのスケジュール

提案すべき企画の実行スケジュール(商品の発売日やイベントの開催日、CMの投下時期など)について確認しましょう。

実施する時期によって取れる施策も変わってきますので、確実に確認をとるようにしてください。

⑩Where×企画案 プロジェクトの実施場所

イベントの開催場所、広告の投下地域、商品の発売エリア、または販路など場所に関わる情報全般の確認です。

スケジュールと同様に、具体的な施策を考える上で不可欠な情報になります。

⑪What×企画案 企画の内容(方向性)

この部分はコンテンツにあたりますので、あなた自身が考えるべき項目になります。

もしすでにある程度のイメージがあるのでしたら、早い段階で方向性だけでも整合を取っておくとよいでしょう。

⑫How(How mach)×企画案 プロジェクトの予算(と諸条件)

企画書に必ず含まれる、プロジェクトの予算(製品の場合はコストも含む)を事前に確認しておきましょう。

予算はほぼ絶対的なものですので、ほかの部分がいくらよくできていても、ここをクリアできていなければ全く意味がありません。

確実に事前確認を行うようにしましょう。

また、もしその他の付随する条件などがありましたら確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここであげた12の項目をすべてを確認するのは面倒くさいかもしれませんが、大部分は社内の慣例で決まっているケースもありますので、まずは周囲のメンバーに確認を取ってみるとよいでしょう。

プレゼンに慣れてくると、いちいちリストを作成してチェックする必要はなくなってきますが、どんなベテランであっても重要な前提条件の確認を忘れて当日惨敗を喫することもあります。

あなたが初心者であれば当然のこと、ベテランであっても基本にかえって見直しをおこなってみましょう。

大澤
企画書の作り方を学びたい方は、続けて”企画書に説得力を持たせるための事実(Fact)の集め方”をご覧ください。

 

 

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