企画書に説得力を持たせるための事実(Fact)の集め方

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geralt / Pixabay

こんにちは、アイデア総研の創田です。

”企画書の基本的な「型」である”FPSE”を覚えよう!”で詳しく説明しているように、企画書には「型」と呼ばれる基本的な形式があります。

まず「事実(Fact)」を集め、そこから「課題(Problem)」を抽出し、それに対する「解決策(Solution)」「効果(Effect)」を説明するという流れが、相手に最も伝わりやすい企画書の構成となります。

これら4つの要素の頭文字をとった”FPSE”が、企画書の基本的な「型」なのです。

今回は、”FPSE”の”F”にあたる、事実(Fact)の集め方について詳しく説明したいと思います。

企画書作りに必要な事実(Fact)とは?

”企画書の基本的な「型」である”FPSE”を覚えよう!”で述べたように、企画書作りは次の7つのステップに沿って進めるのが基本となります。

  1. 目的の確認
  2. 事実(Fact)の収集
  3. 課題(Problem)の抽出
  4. 解決策(Solution)の検討
  5. 効果(Effect)の測定
  6. 説得ストーリーの構成
  7. 企画書の作成

まずはじめにに企画書作成の「目的」を確認した後は、「事実(Fact)」の収集のステップとなります。

創田
目的の確認のステップについては”ちょっと待って!企画書作成の前に確認すべき12の項目”をご確認ください。

”fact”とは文字通り”事実”のことです。

”事実”とは自分の考えや仮説ではなく、実際に起こった事柄や存在する事象を指します。

また、企画書に採用する”事実(Fact)”は客観的なものでなければなりません。

主観だけでは説得できない

”企画”そのものはきわめて主観的なものといえますが、主観性だけでは相手を説得することはできません。

聞き手を納得させるためには、疑問の余地がはさまれないような客観的なデータをベースにして説明する必要があります。

たとえば、「俺は世界中の料理を食べつくしたが、一番うまいのは日本食だ」という意見があったとします。

この意見に賛同する人もいるでしょうか、”イタリアンこそ最高だ”という人もいるでしょうし”いや、中華料理こそ世界一だ”という人もいるでしょう。

食べ物の好みのような、人によって評価が異なるようなものに関しては、このような主観的な意見だけで多くの人の同意を得ることは難しいでしょう。

客観性の重要さ

では、次のような説明ではいかがでしょうか。

「私は日本食が世界一おいしいと思います。なぜなら・・・」

  • ”第5の味覚”といわれる”うまみ”成分を含んでおり、味が複雑
  • ユネスコ世界無形文化遺産に登録されているほど権威がある
  • 日本の四季や自然に根ざした”旬の食材”が用いられている
  • 動物性油脂の少ない、健康的な栄養バランスを持っている
  • 調度品や器などにもこだわり、季節の移ろいを表現している
  • 外国人の好きな外国料理の1位が「日本料理」である※日本貿易振興機構調査(2014年3月)

これらのような「事実」をもとにした主張を客観的な説明といいます。

これはひとつの例ですので日本食が世界一おいしいかどうかはわかりませんが、ただ単に主観的な意見のみを述べるよりも客観的な説明をもとにしたほうが説得力が増すのがわかると思います。

これは、「事実」そのものは否定することができないからです。

「事実」と「解釈」は別のものですので、「解釈」には疑問を挟む余地がありますが、少なくとも「事実」そのものは動かしようがありません。

このように「事実」をもとにした客観性のある説明を行うことで、企画書の説得力を増すことができるのです。

事実(Fact)の種類

事実(Fact)は”定量的なもの””定性的なもの”に大きく分類できます。

これらの違いを理解したうえで、正しく活用していきましょう。

定量的と定量的

”定量的”とは、数値で表現することが可能な情報を指します。

次のようなものが定量的データの例です。

  • 日本の人口の推移
  • トヨタ自動車の売上高
  • 中国の経済成長率
  • 世界の都市の年平均気温
  • 太陽系の各惑星の平均半径

定量的なデータには、誰にでも同じように伝えることができるという利点があります。

”重さが1キログラム”といえば、世界中のあらゆる人に対して同じ重さを指し示すことが可能です。

これに対して”定性的”とは、数値で表せないものごとの性質や特性を表現するものです。

美しい、おいしい、面白い、こわいなどの表現は数値であらわしにくい定性的な表現です。

「今日は暖かいですね」など、通常の会話の中での表現の大半は定性的なものといえます。

定量的に説明しよう

ビジネスの場においては、定性的な説明よりも定量的な説明が求められます。

これは、”暖かい気候”と聞いて30℃をイメージする人もいれば20℃をイメージする人もいるように、定性的な表現は聞き手によって解釈が異なるため、事業の目的や指針としてはそぐわないからです。

そのため、定性的な表現は定量的に置き換える必要が生じます

例えば”Aという商品がすごく売れている”という表現は定性的ですが、”昨年対比で○%売り上げがアップしている””売り上げが○○円で市場のシェアが○○%である”といったように、具体的な数値を入れることで定量的な説明が可能になります。

このように企画書では、できる限り定量的な説明をすることが求められます。

例えば企画書内で”おいしさ”を表現するのであれば、消費者にアンケートをとってパーセンテージで数値化するなど、定性的なものを定量的に置き換えるための工夫をする必要があります。

同様に、マーケティングのフレームワークである3C分析SWOT分析STP分析なども、定性的なものを定量的に説明するために用いられます。

事実(Fact)を収集しよう

事実(Fact)はアイデアの発想のステップでも求められます。

特定の目的のためではなく、日常的に情報収集を行うためのコツについては、”驚くほど多くのアイデアを出せる!情報収集方法10のルール”で詳しく説明しています。

ここでは特定の”目的”のもとに、必要なデータを収集する方法について説明します。

おすすめの定量的データの入手先

定量的データの入手にあたっては、インターネットを活用するのがお手軽です。

ここでは定量的データの入手先としてプランナーがチェックしておきべきWebサイトを5つご紹介したいと思います。

ぜひブックマークをしておきましょう!

総務省統計局

soumushouまずは、統計データを集める上で外すことのできない総務省統計局のWebサイトです。

このページでは総務省が行った国勢調査、人口推計、家計調査、労働力調査、消費者実態調査などの調査データが閲覧可能です。

どれも行政が取得した信頼できるデータですし、閲覧は無料ですので必ずブックマークしておくようにしましょう。

これらのデータはあらゆる企画を考える上でプランナーが知っておくべき基本的な情報ですので、すぐに企画書で引用する予定が無くても定期的にチェックしておくとよいでしょう。

マクロミル

macromillマクロミルはインターネットを使ったリサーチ会社です。

リサーチデータのページでは、”トレンド公開調査データ”や”市場調査レポート”など最新の情報が定期的に更新されています。

特に消費者のトレンドや流行りを知りたい場合には有用です。

レポートのダウンロードには会員登録が必要ですが、無料で多くのデータが閲覧可能ですので登録しておきましょう。

なお、さらに掘り下げたデータを閲覧したい場合には有料版が販売されています。

公益財団法人日本生産性本部

seisanseihonbuあまり聞き覚えのない名前だと思いますが、生産性本部の発行している”レジャー白書”には聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。

生産性本部は経済や社会の課題や生産性についての調査を行い、国民経済の生産性向上を図るために設立された組織です。

レジャー白書以外にもさまざま調査を行っており、無料で概要や調査結果の一部を公開しています。

さらに詳しい情報やデータを閲覧するためには購入が必要です。

経済レポート情報

keizaireport経済レポート情報では、行政やシンクタンクなどで公表されたデータやレポートがまとめられています。

ビジネスで使える信頼度の高い情報が毎日100件以上更新されていますので、ぜひチェックしておきましょう。

2016年11月現在で、なんと26万本以上のレポートが登録されています。

生活定点

seikatshuteiten生活定点は広告代理店の博報堂が主催しているWebサイトです。

主に一般的な生活に関わる情報を、約1,500の項目にわたって1992年から定点調査を行っています。

調査項目もユニークですが、ただ単にデータを並べるだけでなく、データの分析や回答者のコメント、似ているグラフなどが表示されますので、眺めているだけでも楽しめるサイトになっています。

どのくらい集めればいいの?

これらのWebサイトをはじめとして、書籍や社内資料などから定量的データを収集すれば、比較的簡単に多くのデータを集めることが可能です。

事実(Fact)をたくさん集めることは重要ですが、どれだけ多くのデータを集めても企画内容に関して100%理論武装することは不可能でしょう。

そのため、どこかの段階で収集をやめる必要があります。

企画書は学術論文ではありませんので、データにヌケやモレがないかについて必要以上にナーバスになる必要はありません。

むしろ、たくさんある情報の中から本当に重要なデータを厳選することが大事です。

まずは最低10程度の事実(Fact)が集まったら、いったん机の上に並べてみて俯瞰してみましょう。

それらのなかでどれが大切か、またどこが足りないかを検討し、もし足りないと感じる部分があればその部分を中心に再度収集を行うようにしましょう。

事実(Fact)を整理しよう

収集した事実(Fact)は、それ自体ではただの”素材”でしかありません。

企画書で作成するためには、それらの”素材”を”料理”する必要があります。

事実(Fact)を整理して、バラバラな情報のなかから何らかの関連性を見つけましょう。

系列や対象ごとに比較をしてみたり、性別や年齢といった属性ごとに分類してみるのも有効です。

それらの作業の中から得られる”気付き”が、”FPSE”の次のステップである課題(Plobrem)の発見につながるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

企画書に説得力を持たせるためには、事実(Fact)の収集が不可欠といえます。

これらの作業は地味で面白味にかけるかもしれませんが、できるプランナーほどこの作業をおろそかにしていません。

繰り返し事実(Fact)の収集を行うことで効率のよい集め方が身につきますので、まずはこの記事の内容を参考に作業を進めてください。

ただし、あまりに熱中しすぎて”データおたく”になってしまっては本末転倒です。

肝心な企画内容(コンテンツ)を説得力を持って伝えるために、まずはしっかりと事実(Fact)の収集を行いましょう!

創田
企画書の作り方を学びたい方は、続けて”企画書で解決すべき”課題(Problem)”を設定しよう”をご覧ください。

 

 

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