こんにちは、アイデア総研の大澤です。
この記事を読まれている皆さんの中には、企画書作りに悩んでいる方が多いと思います。
わかりやすく伝えやすい企画書を作るのは難しいものですよね。
伝えやすいプレゼンテーションを行うためには、企画書をできる限りシンプルにまとめることが重要です。
目安としては、スライド本編(表紙や見出しなどを抜かした部分)で10枚未満にまとめることを目指すと良いでしょう。
しかし、普通に企画書を作成してしまうと、この枚数に収めるのは非常に困難です。
自分自身で一生懸命作成した企画書は、たとえ”長すぎる”とわかっていても、どの部分も削りたくないものですよね。
今回は伝えやすくわかりやすいプレゼンを行うために、企画書をシンプルにまとめるコツについて説明したいと思います。
企画書の基本は”ワンテーマ”
企画書作りのコツは”シンプルであること”につきます。
企画書をシンプルにすることで、決裁者にとってわかりやすく判断しやすいプレゼンが可能になるためです。
そのための目安として、
- プレゼン時間は3~5分
- スライドの枚数は10枚未満(9枚まで)
を目指すというのが、企画書作りの鉄則である”KISSの法則”に従ったわかりやすい企画書のルールです。
しかし、最初からそれだけの短さにまとめるのは簡単ではありませんよね。
では企画書をシンプルにするためには、具体的にどうすればいいでしょうか。
テーマを絞り込もう
企画書の枚数が長すぎると感じたときに、まず確認して欲しいのは企画書のテーマです。
企画書が10枚以上になってしまったときには、企画書で伝えたい内容=テーマが絞り込めていない可能性があります。
ドラマや映画の場合でも、恋愛やアクション、謎解きやサスペンスなど多くの要素を詰め込みすぎてしまうと、見ている側も作り手が何を伝えたいのかわからなくなってしまうことがありますね。
名作をいわれる作品ほど、シンプルで明確なテーマを持っているものです。
企画書もこれと同様です。
あなた自身が企画書で伝えたいテーマが何なのかを再確認してみましょう。
その場ですぐに”テーマはこれ”と絞り込めれば問題ありませんが、枚数が増えすぎている場合はテーマが複数になっているケースがほとんどです。
企画書の枚数を絞るためにまずするべきことは、テーマを1つに絞ることです。
伝えたいポイントが増えてしまうほど、資料の枚数は増えていきます。
ですので、1つのプレゼンで伝えるテーマはワンテーマにするように心がけましょう。
テーマの絞り方
では具体的にテーマの絞り方について考えてみましょう。
たとえばあなたが調理器具メーカーの企画部門に所属していたとして、”新しいたこ焼き器”の企画をプレゼンするとしましょう。
あなたの提案する新企画には、次のような10個の特徴があります。
- 商品機能が多彩
- 使いやすい形状
- たこ焼き以外も調理可能
- 価格が安い
- 壊れにくく丈夫
- コンパクトに収納可能
- 有名デザイナーを起用
- 省電力で電気代を節約
- 万全のアフターケア
- カリスマたこ焼き名人のプロデュース
これら全ての項目に対して詳細に説明を行うと、10枚未満にまとめることは困難ですよね。
確かに新企画の全貌を正しく伝えるためにはどれも必要かもしれませんが、最も伝えるべきテーマはどこかについてよく考えてみましょう。
企画の”USP”はどこ?
マーケティング用語のUSP(Unique Selling Proposition)をご存知でしょうか。
USPとは、その商品やサービスの「独自の売り」であり、マーケティングコンセプトを端的に表したものです。
提案する企画のUSPを考えることは、テーマを1つに絞る上で重要なステップです。
もし仮に価格が安いことが最大のUSPであれば、その部分をテーマとして説明すべきでしょう。
その場合は、競合商品の販売状況と価格の関連性などのデータから、提案する企画の優位性を説得力を持って説明すべきです。
また、たこ焼き器が買われない最大の理由が”普段の置き場所に困る”というデータがあるのであれば、USPである収納性のコンパクトさについての説明をテーマに置くのが良いでしょう。
提案する企画のUSPを考えることで、まずは最も伝えたいポイントを絞りこみましょう。
全部を説明しようとしない
テーマを1つに絞り込んだら、再度企画書の枚数を数えてみましょう。
その上でまだ枚数が多い場合は、テーマに関する情報を全て伝えようとしてはいませんでしょうか。
あなたがアナリストやコンサルタントであれば話は別ですが、あなたがプランナーであれば企画を通すために必要でない部分は思い切ってカットしてしまいましょう。
特に真面目な性格の人ほど、企画書に抜けやモレがないかを気にしすぎて企画書が長くなる傾向があります。
企画書には説得力が不可欠ですが、内容を盛り込みすぎてわかりづらくなってしまったら本末転倒です。
企画書をシンプルにすることによって、決裁者に本当に伝えたい部分をわかりやすく伝えることができるようになるのです。
最も重要なポイントを見極める
企画書の内容をさらに絞り込むためには、企画書の中で”最も重要なポイント”はどこかを見極める必要があります。
この見極めができていないと、良い企画書・良いプレゼンは絶対にできません。
チェックすべきなのは、決裁者を説得するのにどこがポイントとなるかという部分です。
企画書のなかでどんなに重要そうにみえるパートでも、決裁者に対する説得のポイントにならないものはカットしてしまいましょう。
そのためには、まずは自分自身が決裁する側の気持ちになり、判断材料がどこになるのかを確認する必要があります。
このような過程を踏むことで、要点を絞ったわかりやすくシンプルなプレゼンが可能になります。
企画書をシンプルにするためのコツ
これらのポイントをチェックしてもなお企画書が長くなってしまう場合は、以下の内容に沿って進めてみましょう。
アペンディックスを活用する
枚数が増えてしまってもどうしてもカットできないデータは、巻末のアペンディックス(別添資料)に移動してしまいましょう。
アペンディックスには枚数の制限はありませんので、あなた自身が内容を覚えられる範囲であればどんどん増やしてしまってもかまいません。
本編のプレゼンのみで決裁されれば問題ありませんし、もし決裁者に詳しい説明を求められたらアペンディックスを用いて説明をしましょう。
この方法をとれば、枚数を10枚未満に減らすのもできそうな気がしてくるのではないでしょうか。
何度かに分けてプレゼンをする
孝回のプレゼンで全てを説明しようとしてしまうと、企画書の枚数が増えてしまう上に決裁者に伝わりにくくなってしまいます。
決裁の必要なテーマが複数ある場合には、最も重要なテーマ以外は2回目以降の企画プレゼンにまわすのがよいでしょう。
最初のプレゼンでプロジェクトの進行自体が承認されているのであれば、追加する情報はその後じっくりと説明すればよいのです。
テーマに優先順位をつけることで、企画書はワンテーマにするというルールを守りつつプレゼンを重ねていきましょう。
企画プレゼンは陣地の取り合い!
企画プレゼンを陣取り合戦にたとえると、プレゼンによってどんどん領土を拡大していくのが目的といえます。
プレゼンにおいての勝ち負けは、決裁者の承認を得ることです。
プレゼンによって決裁者の承認がおりた内容は自分の”領土”になりますので、次回以降のプレゼンでは獲得した領土をベースに話を進めることができます。
二回目のプレゼンで承認を得ることができれば、さらに領土を拡大することが可能です。
また二回目のプレゼンで承認がおりなかった場合でも、獲得した領土が0に戻ることはありません。
はじめに獲得した領土をベースに、別の方向から企画をぶつけていきましょう。
プレゼンで一番恐れるべきことは?
プランナーがプレゼンで一番恐れるべきことは、その提案が”ドロップ(廃案)”になることです。
一度企画がドロップしてしまうと、よほどのことが無い限り同じ企画の再提案はできません。
上記のように一度でも領土を獲得していれば領土が0になる(=ドロップする)ことはありませんので、最も肝心なのは最初のプレゼンであるということがわかると思います。
そのためには、最初のプレゼンで企画のテーマを絞り、最も重要なポイントを見極める必要があるのです。
決裁者の心理とは?
たいていの決裁者は、プロジェクトの即時承認に消極的です。
なぜなら、承認には”失敗のリスク”が常に付きまとうからです。
ですので、一度のプレゼンで決裁者から全ての承認を得ようとすると、心理的にブレーキがかかり、企画書のちょっとした穴などを理由にドロップしようとしてきます。
ですので、一度のプレゼンで全てを承認させるよりも、まずは孝回目にプロジェクトの継続検討を承認させて、二回目以降に少しずつ前進していくようにしましょう。
決裁者も何度か企画にOKを出しているうちに、まるでその企画が自分が考えたものであるかのように感じてくるものです。
そうなればしめたもので、最終的な承認を得るのも時間の問題でしょう。
シンプルな企画書で陣地を広げ、決裁を勝ち取っていきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
企画書をシンプルにすることでわかりやすく伝えやすいプレゼンを行うことができるようになりますが、企画書の枚数を減らすことは簡単ではありません。
ここであげられたやり方やコツを駆使して、10枚未満の”シンプル企画書”を完成させてみましょう。
企画書の枚数を減らしていく過程で自然とテーマや重要なポイントが絞られていきますので、自分の考えを整理したり企画内容を見直すこともできるという効果もあります。
冗長なプレゼンは”百害あって孝利なし”です。
シンプルな企画書作りを極め、プレゼン名人を目指しましょう!
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