企画書の記事

初心者でも簡単に企画書が作れる”7つのステップ”とは?

こんにちは、アイデア総研の大澤です。

突然ですが、「企画書を作って」と上司に言われて、真っ白なPowerPointを前にフリーズしてしまった経験はありませんか? 会議まであと3日しかないのに、カーソルだけがチカチカと点滅する……あの焦りと絶望感、よくわかります。でも安心してください。企画書には「型」があります。この型さえ身につければ、誰でもわかりやすい企画書が作れるようになります。

企画書の「型」は、企画書の基本的な「型」である”FPSE”を覚えよう!で説明したように

  • Fact(事実)
  • Problem(課題)
  • Solution(解決策)
  • Effect(効果)

4つの要素で構成されます。

まず「事実」を集め、そこから「課題」を抽出し、それに対する「解決策」「効果」を説明するという流れが、最も相手に伝わりやすい企画書の構成です。この流れは、ビジネスの現場で何百枚もの企画書をレビューしてきた経験から導き出された、いわば”企画書の黄金律”とも言えます。

今回は基本的な「型」である事実・課題・解決策・効果(FPSE)を踏まえ、企画書を作成するための7つのステップについて説明していきます。「企画書って何から始めればいいの?」という方は、ぜひ最後までお読みください。

企画書作成の2つのルール

まずはじめに、企画書作成のために知っておきたい基本的なルールをご説明します。難しいことは何もありません。この2つさえ守れば、企画書作りの8割は成功したも同然です。

  • 事実・課題・解決策・効果(FPSE)をそれぞれ1枚ずつにまとめる
  • 1〜7のステップに沿って企画書を作成する

これらがアイデア総研のオススメする、企画書作成のための基本的なルールです。シンプルでしょう? でもこのシンプルさが大事なんです。では、それぞれについて詳しく説明していきましょう。

事実・課題・解決策・効果(FPSE)をそれぞれ1枚ずつにまとめる

fpse企画書の基本的な「型」は、事実・課題・解決策・効果(FPSE)の4つの要素で構成されます。

これら4つの要素は企画書を構成する基本パーツとなりますので、実際に企画書を作成し始める前に、それぞれの内容についてしっかりとまとめておく必要があります。

まずはこれら4つの要素をそれぞれ1枚ずつの計4枚にまとめてみましょう。A4用紙1枚でもノートの1ページでも構いません。大切なのは「1つの要素を1枚に収める」という制約を設けることです。

なぜ1枚にまとめる必要があるのかというと、それはシンプルさを強制するためです。人は書くスペースが広いと、ついつい余計な情報を詰め込みがちです。「ここにもこれを追加して、あ、これも関係あるから書いておこう」と際限なく膨らんでいく……経験ありますよね? 1枚という制限を設けることで、「本当に伝えるべきこと」だけを厳選する訓練になります。

事実・課題・解決策・効果(FPSE)の4つの要素を踏まえて企画書を作成することで、わかりやすいプレゼンを行うことができます。人のプレゼンをきいて「わかりにくい」と感じた場合は、たいていこれらの4つの要素のうちのどれかが抜け落ちていることがほとんどです。

たとえば「解決策」だけを熱く語って「課題」の説明が足りないプレゼン。聞いている側は「で、何が問題だったんだっけ?」となりますよね。反対に「事実」と「課題」を延々と語って「解決策」がふわっとしているプレゼンも困りものです。「で、結局どうするの?」と突っ込みたくなるやつです。FPSEの4つがバランスよく揃ってこそ、説得力のある企画書になります。

企画書作成の前にこれらの要素を簡潔にまとめておくことで、最終的なスライドで大事な要素が抜け落ちることを防げます。また、ほぼ完成した企画書を手直しするのは非常に面倒な作業です。「あ、課題が弱いな」と気づいてから全部作り直す羽目になった経験のある方も少なくないはず。多少面倒であっても、まずはこれら4つを簡潔にまとめるところからはじめてみましょう。

企画書の「骨子」とは?

企画書の作成では、たびたび「骨子」という言葉が使われます。ですが”企画書の骨子”といわれても、どの部分を指しているのかわかりにくいですよね。社内で「骨子はできてる?」と聞かれて、「え、何? 骨のこと?」となった新入社員の方もいるのではないでしょうか。

企画の「骨子」とは、事実・課題・解決策・効果(FPSE)の4つを連ねたストーリーのことを指します。

企画書において「骨子」は非常に重要です。多少ディテールに間違いがあっても、「骨子」さえしっかりしていれば、相手に伝わるプレゼンが可能です。逆にどんなによくできた企画書に見えても、骨子がぶれてしまっていては伝わるプレゼンはできません。

「骨子」とは、建物の”基礎”の部分にあたります。どれだけ外観が豪華なビルでも、基礎がグラついていては危険ですよね。それと同じで、グラフや図表がどれほど美しくても、骨子がしっかりしていなければ企画書としては絵に描いた餅になってしまいます。見た目はきれいなのに、プレゼンしてみたらぐらぐら……というパターンです。

大きな建物をたてるときにはしっかりとした”基礎”を作るように、企画書も「骨子」をしっかり固めた上で作成する必要があります。事実・課題・解決策・効果(FPSE)を1枚ずつにまとめる作業は、企画書の「骨子」作りそのものなのです。

ベテランの企画マンが「この企画、骨子が弱いな」と言うとき、それはFPSEのどこかに論理的な飛躍や矛盾があるということです。逆に「骨子はいい」と言われれば、あとはブラッシュアップすれば通る企画書になる、ということです。そのくらい「骨子」は企画書の核心なのです。

企画書作成の7つのステップ

では企画書の「骨子」である事実・課題・解決策・効果(FPSE)を1枚ずつにまとめるためには、具体的にどのように進めればよいのでしょうか。

企画書作成に慣れているベテランのプランナーであれば、頭の中で考えた内容をいきなりシートに書き出すことができるでしょう。長年の経験があれば、無意識にFPSEを整理しながら考えられるようになるものです。ですが、企画書作りの初心者の方には、いきなり”FPSE”をシートに書き出すことは難しいと思います。

そんな場合は、アイデア総研がすすめる企画書作成の7つのステップに沿って進めてみてください。これは企画書作りのベテランが頭の中で”無意識”にやっていることを、初心者でも再現できるよう「見える化」したものです。まさにプロの思考回路を盗む手引き書です。

7つのステップの内容

7steps企画書作成の7つのステップは、上級者が頭の中で行っている作業をひとつずつブレイクダウンしたものです。7つのステップの内容は以下のとおりです。

  1. 目的の確認
  2. 事実(Fact)の収集
  3. 課題(Problem)の抽出
  4. 解決策(Solution)の検討
  5. 効果(Effect)の測定
  6. 説得ストーリーの構成
  7. 企画書の作成

このうち2から5が”FPSE”をまとめるためのステップになります。これらの流れに沿って検討を進めることで、企画書の骨子である事実・課題・解決策・効果(FPSE)の内容を簡潔にまとめることができるようになります。

では、各ステップの内容をもう少し詳しく見ていきましょう。

ステップ1:目的の確認

企画書を作る前に、まず「この企画書は何のために作るのか」を明確にします。これを怠ると、作業を進めるうちに方向性がぶれてしまいます。「上司に言われたから作る」ではなく、「この企画書によって何を承認・実現したいのか」を言語化しておくことが大切です。

たとえば、「新規顧客獲得のための施策を予算承認してもらう」「部署間の連携強化プロジェクトを立ち上げる」など、目的が明確であればあるほど、その後のステップがスムーズに進みます。目的が曖昧なまま作業を始めると、完成間際に「あれ、この企画書って何のために作ったんだっけ」と迷子になります。そのまま提出して「で、何をお願いしたいんですか?」と会議で聞かれる羽目に……ここは丁寧に確認しましょう。

ステップ2:事実(Fact)の収集

企画書の説得力は、データや事実の裏付けによって大きく左右されます。市場調査、社内データ、競合分析、アンケート結果など、できるだけ客観的な事実を集めましょう。

ここで大切なのは「自分の意見」ではなく「客観的な事実」を集めることです。「なんとなくこういう傾向がある気がする」ではなく、「○○の調査によると△△%の人が〜と回答している」という形で根拠のある事実を揃えることが求められます。「気がする」で勝負する企画書は、上司の「根拠は?」の一言で撃沈します。集めた事実が多ければ多いほど、次のステップで課題を正確に抽出できるようになります。

ステップ3:課題(Problem)の抽出

集めた事実をもとに、「では何が課題なのか」を明確にします。課題の抽出が甘いと、的外れな解決策を提案してしまうことになります。

また、「問題」と「課題」は似て非なるものです。「売上が下がっている」は問題であり、「なぜ売上が下がっているのか、その根本原因」が課題です。課題を正しく設定できるかどうかが、企画の質を大きく左右します。「なぜ?」を3回繰り返して掘り下げるクセをつけると、表面的な問題に留まらない本質的な課題を発見できるようになります。「なぜ?なぜ?なぜ?」と自問自答する姿を家族に見られると心配されますが、そこは気にしないでください。

ステップ4:解決策(Solution)の検討

課題が明確になったら、それに対する解決策を検討します。このとき、できるだけ複数の選択肢を出してから絞り込む「発散→収束」のプロセスを意識するとよいでしょう。

解決策は「実現可能性」「コスト」「効果」の3つの観点から評価し、最も優れた案を選定します。また、解決策は課題と直結していなければなりません。「なぜその解決策がこの課題に有効なのか」を論理的に説明できることが重要です。「なんかいいと思って」は通用しません。複数の選択肢を提示したうえで推奨案を提案する形にすると、意思決定者からの信頼感が高まります。

ステップ5:効果(Effect)の測定

解決策を実行した場合にどのような効果が期待できるかを明示します。できれば数値で示すと説得力が増します。「売上が向上する」ではなく「○○の施策により、半年以内に売上を15%改善できる見込み」といった形です。

ただし、根拠のない数字を並べても逆効果です。「絶対に3倍になります!」と断言しても、その根拠がなければ「どこから来た数字?」と突っ込まれるだけです。ステップ2で集めた事実やデータをもとに、現実的な効果予測を示すことが信頼性につながります。効果の測定方法(KPIなど)もあわせて明示できると、より説得力のある企画書になります。

ステップ6:説得ストーリーの構成

FPSEの4つが揃ったら、次はそれらをどの順番・どのようなストーリーで伝えるかを考えます。骨子を固める最後の仕上げがこのステップです。

聞き手(読み手)の立場に立って「どの順番で話せば最も納得してもらいやすいか」を考えることが大切です。一般的にはFPSEの順番通りに進めることが多いですが、聞き手の関心度や前提知識によって順番を変えることも有効です。「結論から先に話す」形式にするのか、「背景から丁寧に積み上げる」形式にするのかも、このステップで決めておきましょう。上司のタイプによって使い分けると、承認率がぐんと上がります。

ステップ7:企画書の作成

ここでようやくPowerPointやWordでの企画書作成に取り掛かります。ステップ1〜6が完了していれば、「何をどの順番でどのように書くか」がすでに明確になっているはずです。あとはそれをスライドに落とし込むだけ。デザインや見た目の整え方はこのタイミングで考えれば十分です。ここが一番楽しい工程かもしれません。

企画書作成に取り掛かるタイミング

上記の7つのステップを見てわかるように、最終的に企画書を作成するのはステップ1〜6が全て終わった最後の段階になります。

つまり、企画書は考えながら作成するものではなく、すでに全体の構成が完成したものを書き出す作業となります。

企画書作成に慣れない人ほど、いきなり企画書そのものを作成しようとしてしまい、真っ白なPowerPointの前で固まってしまいがちです。あの「白紙のスライドとにらめっこ」の時間は、実は何も進んでいない時間です。フォントを変えたりレイアウトを微調整したりして、「なんか作業してる感」だけ出してしまう、という罠にも注意が必要です。

逆に言えば、ステップ1〜6をしっかり完了させていれば、企画書の作成自体はそれほど時間がかかりません。「企画書を作るのに何日もかかる」という人は、たいていステップ1〜6に時間をかけているのではなく、ステップ7に時間をかけすぎているのです。準備が8割、作業が2割、という感覚です。

企画書を作成する段階では「すでに書くべきことが全てまとまっている」必要があることを覚えておいてください。企画書を作成するときは、7つのステップに沿って”目的の確認”からはじめるようにしましょう。

まずは基本を身につけよう

これら7つのステップをすべて踏まえることは、一見すると面倒くさく遠回りに見えます。「そんな手順を踏んでいたら締め切りに間に合わない!」と思う方もいるかもしれません。その気持ち、よくわかります。

ですが、基本をおさえた企画書の作り方を身につけることができれば、最終的には途中のステップを飛ばして短時間で企画書を作成することが可能になります。野球でいえば、素振り1000本の基礎練習があってこそ、試合でいきなり打席に立てるようなものです。最初は遠回りに見えても、長い目で見れば一番の近道なのです。

また、7つのステップを意識することには、もうひとつ大きなメリットがあります。それは「なぜこの企画書が完成しないのか」を特定できることです。企画書が行き詰まった場合、どのステップで止まっているのかを確認すれば、「事実(Fact)の収集が不足している」「課題(Problem)の設定が曖昧」など、問題点をピンポイントで特定できます。「なんか上手くいかない……」という漠然とした焦りから解放される、これは地味に大きなメリットです。

まずは基本的な企画書作成の流れを身につけることに注力しましょう。企画書作成の7つのステップを身につけることで、誰でもわかりやすく伝えやすい企画書を作ることができるようになるのです。

企画書作成でよくある失敗パターン

最後に、企画書作成でよく見られる失敗パターンをご紹介します。「あるある」と思いながら読んでみてください。心当たりのある方は、ぜひ今後の企画書作成に活かしてください。

失敗パターン1:いきなりスライドを作り始める

前述のとおり、これが最も多い失敗パターンです。考えながらスライドを作るのは非常に非効率で、結果的に「何が言いたいのかわからない企画書」になりがちです。必ずステップ1〜6を先に完了させてから、スライド作成に取り掛かりましょう。「まず見た目から入る」タイプの方に特に多い失敗例です。きれいなスライドを作りながら「何を入れよう……」と悩む時間は、結局のところ全部無駄になります。

失敗パターン2:事実と意見が混在している

「最近、若者のアルコール離れが進んでいる(事実)。だから私たちの商品も苦戦している(意見・推測)」というように、事実と意見が混在した企画書は説得力に欠けます。ファクトはあくまでデータや調査結果で裏付けられた客観的な情報に限定するようにしましょう。「気がする」「〜と思われる」という表現は、事実パートには入れないのが鉄則です。「なんとなくそう思う」は自分の日記に書いておきましょう。

失敗パターン3:課題の設定が「症状」止まり

「売上が下がっている」「顧客満足度が低い」といった「症状」を課題として設定してしまうケースです。真の課題はその背後にある「なぜ」にあります。「なぜ売上が下がっているのか」「なぜ顧客満足度が低いのか」を深掘りして、根本原因を課題として設定することが重要です。症状を課題と勘違いしたままでは、解決策も的外れになってしまいます。風邪薬を飲んでも骨折は治らない、ということです。

失敗パターン4:解決策と課題がかみ合っていない

課題は「価格競争力の低さ」なのに、解決策が「SNSマーケティングの強化」という、課題と解決策がミスマッチなケースです。解決策は必ず「この課題に対してこの解決策が有効な理由」を明確にした上で提案しましょう。「なんとなくいいアイデアだから」ではなく、課題との論理的なつながりが命です。「SNSやれば何でもよくなる」という時代はとっくに終わっています。

失敗パターン5:効果が「気持ち」ベース

「きっと売上が上がるはずです!」「お客様に喜ばれると思います!」という気持ちベースの効果予測は、意思決定者には響きません。数値や具体的な根拠を示して、現実的な効果を提示しましょう。熱意は大切ですが、熱意だけでは予算は下りません。データに裏付けられた予測と、熱意の両輪で企画書を組み立てることが重要です。

まとめ

いかがでしたか。今回は企画書作成の基本となる2つのルールと7つのステップについてご説明しました。

改めてポイントを整理すると、

  • 企画書の基本はFPSE(事実・課題・解決策・効果)の4つの要素で構成される
  • まずFPSEをそれぞれ1枚ずつにまとめることが骨子作りの第一歩
  • 企画書の「骨子」とは、FPSEの4要素を連ねたストーリーのことであり、企画書の核心部分
  • 企画書は7つのステップに沿って、目的確認→事実収集→課題抽出→解決策検討→効果測定→ストーリー構成→企画書作成の順で進める
  • 企画書の作成(PowerPoint等への落とし込み)は最後のステップであり、それ以前の準備が整ってから行う
  • 最初は7つのステップをすべて踏むことで、企画書作成の基礎力が身につく

「企画書は才能のある人しか作れない」と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。正しい手順(型)を学び、繰り返し実践することで、誰でも伝わる企画書を作れるようになります。あなたが作った企画書が会議で「よし、やってみよう」と承認される瞬間を、ぜひ体験してみてください。

企画書作成の7つのステップの詳細については、それぞれ別の記事で詳しく説明していますので、そちらもあわせてご覧ください。企画書作成の初心者の方は、まずはこの7つのステップに沿って企画書を作成してみてください。最初は時間がかかっても、繰り返すうちに自然と身についていきます。